2016年3月31日木曜日

桜を散らしたのは誰?



テレビは毎日桜の話題でいっぱいです。
ソメイヨシノがほころび始めたけれど、そのあと寒の戻り。寒かった。
というわけで満開はこれからです。
   (前橋の開花宣言は23日でした。ずいぶん早かったのです。)
 
29日、近所の公園にいきました。地面に何か落ちています。

花はまだ寂しい.下に何か落ちてます

こちらにも



近づいてみると・・さくらの花です                                     
 
 
   花を散らすのは 誰? 風??  
  まだ花は咲き始め・・・まだ散る時期ではない。
  よく見れば、花びらではなく、花ごと落ちている・・


下の写真、左の2つは落ちていた花、右の1つは私が摘んだもの左は、花の柄が短かいのがおわかりいただけるかと。もともと短いのではなく、切り取られているようです。 
  これは風で落ちたのではなく、誰かの仕業     
               


 
  


上を見上げると、なにやら枝先で 動く気配が・・・

ヒヨドリです。
花びらをちぎったのはこれ?

もっと小さな鳥もあちこち動いています。よく見えなかったのですが、スズメかな?

調べた人の説明では、ヒヨドリは花の蜜をなめていて、スズメは蜜まで舌が届かないから、花をちぎってしまうのだとか。
花をちょっとちぎってなめてみました。かすかな甘さがあります。
高カロリーの花の蜜は、鳥たちにとっても魅力なのでしょう。
 それにしても、細めとはいえ、あのくちばしをが、桜の花の中にはいるのかな。くちばしでなく、舌を入れてなめているとか?どなたかちゃんと調べているのでしょうが。


円良谷(つぶらだに)のカタクリ

カタクリの話ばかりしても 芸が無いとは思うのですが・・・埼玉県美里町のカタクリです。すぐ隣が寄居町です。(見たものの,ちょっとした報告です)

 春の里山が大好きで、時々ふらっと歩いてきます。林床の花は可憐で美しく、ふんわりした日差しは快く、芽吹いたばかりの木々も親しく迎えてくれます。足元の枯れ葉もかさこそ気持ちいい。それに、一人で行っても危険はないし、足腰を鍛えなくたって歩けるし。時々、地元の野菜などを売る直売所があったりもします。
 というわけで、晴れた日、地図を見て、ふらっと出かけたとき見つけた場所です。10年近くも前ですが、今までに行ったのは2回だけでした。
何も知らずに出かけたら、「カタクリ群生地」などと看板が出ていて、満開のカタクリに出会ったという場所でした。すごく得した気分でした。
 
 平日とはいえ、うららかな日でしたが誰もいなくて、「カタクリ独り占め」でした。 
標高200mほどの里山の北斜面です。

他にも いかにも早春らしい花が咲いていました。

ウグイスカグラ 里山ではよくみかけます


センボンヤリ よく見たら、虫がとまってました
アブラチャン 木の皮をちょっとひっかくと、良い香り
  



ヤブレガサ  芽の出た頃がきれいですね
スミレ いろいろ 他の種類もありました
    詳しい名前は・・・・

セントウソウ



 それにしても、ヤマツツジがもう咲いているんだ・・

南斜面には ヤマブキもポツポツ花を咲かせていて、びっくり。


ヒオドシチョウでしたよね・・
 


ヤマブキ




クサイチゴ


えーっと、この蝶
   何でしたっけ
 (ミヤマセセリ でした )


ヒトリシズカ
 晴れた日なら、毎日こんなところにいたいなあ~

これから山全体が美しくなります。

この山をつくるのは三波川結晶片岩です。落ち葉や土に覆われていますが時々顔を見せています。写真のように薄く平らに割れます。

<おまけの話>
認のために、産業経済研究所のシームレス地質図を見てみました。そうしたら、前回紹介したカタクリの場所について、私は「2段の段丘のある場所」と書いたのですが、「低位段丘堆積物」とだけ書かれて、区別してありませんでした。
「川沿いの低地に分布、約7万年~1万8000年前に形成された段丘層」との説明でした。
一方、他の論文では「三木段丘、深沢・白石段丘、多胡段丘」などとたくさんの名前がつけられていました。

人は混乱してしまうし,どれが正しいのかわからない・・・
詳しく細かく区別したい時と、もっと大まかに見たいときなどと、扱うときの立場でも違ってくるのではないでしょうか・・もちろん、学術的に考えが違うこともあります。
いずれにしても、鏑川周囲の段丘については,それほど詳しく調べられてはいないようです。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
カタクリの群生から、ハイキングコースの指示とはちょっと別方向の道に歩いてみました。ほんのわずかの距離です。
少し小高い場所から見おろすと,眼下には川が蛇行して流れてます。それに沿って車の行き交う道も。地図を見たら、川は荒川。エッ、荒川・・・もう少し下れば長瀞です。
県が変わると,なんだか遠い気がしてしまいますが、ここは我が家から25kmもない距離。富岡より,桐生より,赤城山より近いのです。直線距離にしたら、さらに近くです。

県が違うと,いろいろ疎遠になってしまうものですが、時には地図を見て,直線距離も見てみると視野が,視点が変わるかも知れません。県境ばかりでなく、国境についても。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

荒川を見おろして、すこし下って、城跡へのハイキングコースをのぼりはじめたら、
「えっ! 」 
大きな音、SL・・?  ここ、SLって走っているの?しかも平日に?たしかに、さっき見おろしていた荒川に沿って,秩父鉄道の線路があるはずだけど・・・

 あとで言われました。「SLは秩父鉄道の売りだからね。売り上げを増やすために一生懸命なんだろう。」そんなことも知らないの と、思われたことでしょう。

杉木立のすき間から、道を走る車がチラチラとみえていました。その道とほぼ同じところに秩父鉄道は走っているはずです。チラッとでもみえないかと目をこらしたのですが・・・。
あと15分ほどあとまで上の方にいたら,11時過ぎまで・・・でも、物事そんなに何でも思い通りに行くわけじゃないもの。何も知らずに出かけて、あの音をたっぷり聞けただけで、幸運でした。
 あれこれ出かけたりしてみるものです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

可憐な花はどこでも盗掘の被害で,とにかく減少しています。取らずに守りましょう。


  

 
   













       

2016年3月26日土曜日

氷河時代の生き残り・里のカタクリ 

 

春は忙しい


雪の中でも咲く花、早春の花ザゼンソウを紹介したばかりですが、
群馬の平地では、ソメイヨシノがちらほら咲き
  そして、人気の花、カタクリが咲いています。

のんびりしていると花が終わってしまうので、急いで紹介。

高崎市吉井町小串(おぐし)のカタクリです。3月24日の様子。
我が家からは20kmに満たない距離で気軽にいけて、しかも道路沿いなので、足腰の弱い人でも見ることができます。  5万株の群落だそうです。
                                                    
一週間前、通りがかりに見たら、つぼみがたくさん上がっていました。 友達といっしょに見に行く約束なので、天気予報が晴れで、みんなの都合のつく日で、混み合う土曜日曜を避けて・・で、この日になりました。でも、強風で寒かった・・・日差しもあまりなく・・次の日、土曜日は、予報ではくもりでしたが、うららかな晴れ。カタクリは、晴れると花弁がくるっとよく反り返ると聞いたのですが、そうなると華やかで美しい。・・・写真は花びらが少々下向き加減で、色もなんだか薄いようでした。
そこで、一昨年とった写真も載せてみます。
 


カタクリは種から糸のような芽を出し、やがて1枚の葉っぱをだし、出る葉っぱが年ごとに大きくなり、2枚の葉が出て、ようやく花をつけます。7~8年、9年がかり。(生まれた子が小学生になってしまう)。
落ちた種子にはアリが好きな物質がくっついていて、それでアリが巣まで運び、そうやって分布を広げるとか。何とも気の長い話です。ゆっくりゆっくり分布を広げます。
 こんな解説、最近はあちこちで聞かれるようになりました。ご存知だったでしょうか。
 



左上から順に、「最初の年の発芽、小さな一枚ずつの葉、少し大きくなった1枚だけの葉、そして 
2枚になって花をつけた株」


写真がみんなボケていて、お恥ずかしいことこの上ないのですが、お許しを。

(ところで、案内看板に描かれた カタクリの絵、1株から花茎が2本ずつ出ていたのですが・・間違いではないかな・・花は1つずつではないかな)
 

関東の太平洋側に育つカタクリは、じつは氷河時代の生き残り・生きている化石

 カタクリは本来、雪国や寒冷な地域の植物です。夏は酷暑の関東平野周辺に育つのは、じつは不思議な話と聞いて、そうなのかあ・・。以前に解説したことがあります。
 
 
        ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

関東で カタクリが育つ場所の条件

・ 雑木林の林床  光合成をするためには、春先の光が必要。落葉の木の下なら、春早くは光が当たる。
  • 北斜面  夏に日が当たらず、涼しいから
  • 扇形に広がる小さな扇状地のような地形(沖積錘)や、段丘崖の下、地滑り地など・・・土壌が常に地下水で湿っているような場所、つまり夏に気温が高くなったとき、水分が蒸発して熱を奪い、地温が一定以上上がらない。この温度は22℃とのことです

  • ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    小串のカタクリの咲く場所は「段丘崖」です。
    左の写真を見ると、斜面高さを想像していただけるでしょうか。
    すごく立派な段丘で、下仁田まで続いています。高位段丘とよんでいます。

    下仁田では、高速インターを降りたところにアジサイ園がありますが、このアジサイの咲く斜面が段丘崖。
    ちょうど、小串でカタクリが咲いている場所にあたります。

    アジサイ園を登ると、広い平坦面が広がり、こんにゃくや下仁田ネギの畑が続きます。
    小串でも、斜面を上がると、上には畑が広がっています。はじめて見たときは、エーッと少々感激でした。

    
    何の変哲もない畑ですが、じつは、川からかなり
    高いところにある、段丘面です。
    カタクリの斜面を登った所。広々してます。

    もう少し川に近い所にも、平坦面が広がります。少し低い場所で、こちらは低位段丘。
    下仁田でも、R254の走るような場所が低位段丘になります。
     何のことはない、名前は、2段ある平らな面を較べて高いか低いか、という話。
    どちらも昔、川が流れていた、川がつくった平らな地形です。でも、作った時期が違います。どっちが古いと思いますか?  「高い方が古い」です。

    この理屈は、昔、教科書で勉強したことがあったかも・・・そんなの興味も無いし、忘れちゃった、かな普通、そうですよね。説明は・・なんだか面倒なので、割愛しましょう。
       。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

    次に、「湿っているかどうか」

    小串では、水がちょろちょろ湧いています。水のたまり気味のところもあります。写真撮ったけど、なんだかよくわからないので、カット。
     どうして水が湧くか・・・川原だった場所なので、この崖の地層には石ころがゴロゴロ・・そこは水が通りやすい・・・その水が湧いてくる・・と言うわけで、湿っていて、その蒸発作用で夏の暑さが和らぎます。

      東京の国分寺付近には国分寺崖線(がいせん)とよばれる段差があって、そこには湧き水がたくさんあります。"お鷹の道、真姿の池湧水群」など知られ、住民に親しまれているし、かつてのお金持ちの別荘がたてられて、水の豊かな庭園が作られたりしています。ちょっと遠くの有名どころを紹介しました。

    皆さん、近くにカタクリの咲く所やら水の湧くところなんて、ないですか?

    。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
    だんだん、地理の教科書みたいになってきたので、話を変えます。
     
    散策していたら、先生といっしょの小学生たちがワイワイとやってきました。今日は終業式のはずだから、おおかた、キリがついて、やってきたのかな

     



    「 こんにちは」「こんにちは」
    「ここの草刈りやってるの?」「うん、やってるよ」

    すぐ近くには小学校があります(右上写真)
    この小学校では、カタクリの保全活動をやっているそうです。草刈ったり、看板立てたり。もともと、ここに赴任してきた先生がカタクリを見つけ、これは大事なものだからと、雑木林の手入れをはじめ、それが広がって今に至ったのだそうです。
    林の草刈り、雑木の整理をしないと、ササなど生い茂りカタクリは衰退していってしまうというわけ。
    (右写真、網の中は手を加えないようにしていて、ササが生えている)、
     きっと最初はポツポツしかカタクリもなかったのでしょう。


    この日の午後、80歳代の方の家に行く用事がありました。
    「カタクリ見にいってきた、小串っていうところの」といったら、小串がどこだかすぐわかった様子。カタクリの場所も、どこだかわかる様子。「入野小学校ってありますよね。昔、入野村と言ってね」
    なんと、そのあたりからお嫁に来たのだとか。大きな農家にお嫁に来て、もう60年もたったと。
    最近行ってないし、昔、カタクリがあったなんて知らないとか。同居の娘さんに連れて行ってもらって、ぜひごらんになりませんか・・・距離も12km程度。

    私たちの世代は運転免許を持っていて、車も持っていて、自分の好きなときに出かけられるけれど、そんなのはごく最近の話。ずいぶん、活動範囲が広がったものです。
     晴れたうららかな日、故郷のカタクリ、ごらんになったかなあ。




          

    



    
    

     

    2016年3月23日水曜日

    下仁田にもザゼンソウが咲きました

        春です 

    久しぶりに自然のたよりを書いてみようかな、という気分になります
      
     日本では学校は新学期、その他いろいろなことが新年度。
       若葉が萌え立つ春は、自然といっしょに、いろいろスタート
         諸外国での「秋から新学期」って、気分としては、なんだかちょっと・・)

    下仁田でもザゼンソウが咲きました    3月17日の写真




















    もしかしたら東北の人などから 「そんなもの、子供の頃なんて,蹴っ飛ばして歩いた」と言われるかも。本州中部以北で見られる、北国向きの植物なんです。ミズバショウの親戚。でも、地味ですね。

    群馬県にだってあります。でも、ほとんどは県北部。県南部では赤城山の山麓にあり、毎年ニュースで紹介され、たくさんの人が見にいきます。県南部では、あとは、ここ下仁田にあるだけです。
    冷たい水の流れる沢の近くに育っていました。
    地元の方からは「切るとスパッと気分良い。.だけど、臭くてさ」と聞きました。悪臭のある植物なのです。
    ザゼンソウはサトイモ科・・・そういえば、サトイモの茎を鎌で切ると、スパッと快感あるなあ。

    下仁田では数も少ないし、狭い場所だし、不心得者が取っていく被害が心配されるし(こういう被害が本当に困りもの)、秘密にしておいた、といった感じ。今度、下仁田町の天然記念物指定するようです。きちんと保護して守っていきましょう。
    右上の写真、花がちょっとひしゃげています。芽が出た頃、気づかずに踏まれたのでは。人の踏み跡がけもの道のようになっていましたから。

    秩父地方にも少しみられます。町の天然記念物になっています。赤城山麓のも、前橋市の天然記念物です。
    下仁田のザゼンソウについては以前にも紹介しました。以下です。
    番外編 早春の植物


     中学生と鏑川で川原の石の学習をしました

    下仁田自然学校のメンバー4名で、甘楽第一中学校の1年生の2クラスと午後の2時間を使って野外学習をしました。鏑川まで歩いて往復です。
     下がその時の学習用プリント。(メンバーの人が作ってくれました)

    ここにはたくさんの種類の石があります。川の流れにむかって視線を上げると、遠くには平らな山頂が特異な形を見せる荒船山が目に飛び込んできました(晴れていた!)。その山からやってきた石も見つかります。(黒くて緻密で、玄武岩とよびそうですが、安山岩と教わりました.ガラス質のためにとても黒く見えます。ガラス質だとどうして黒く見えるかは、以下に書いたことがあります。 岩石の色) 。かつて江戸幕府直轄とされた砥石の産地の石も見つかります。石のうまれ育ちがみえてきます。南に連なって見える、のっぺりした地形の山々には三波川結晶片岩が分布していて、その石もたくさんあります。学校のすぐ脇には、結晶片岩でできた緑色の板碑が立っていました。結晶片岩のある地域では、昔から、この石を使った碑がつくられています。 
      歩くと、いろいろ発見があるものですね。
    歩いて行けるところに、こんな場所があるのはいいなあ、と思うけれどでも、野外観察はなかなかできないのが今の現状のようです。

    ところで、学校から川までは、河岸段丘を歩きます。歩いていると、ぶどう畑がたくさんありました。「果物って水はけの良い場所が好き。ブドウ畑があるっていうことは・・・きっと水はけが良い場所・・・掘ったら石がごろごろでくるかも・・・平らなこの土地は、昔、川原だった・・・ここは段丘・・」

    前橋にも、平地に、梨の畑が連なり、あるいはブドウの巨峰の棚の並ぶ地域があります。梨は大島梨として知られます。巨峰の棚は我が家の近くで、利根川を渡ってすぐの場所の伊勢崎市です。梨やブドウの育つここは、段丘ではありませんけど、でも、昔、利根川の流れたところ・・流れのルートが少し変わって、水はけのよい場所は、今は果物畑。なるほど。

           授業プリント  しわになっていて、曲がっていて、ごめんなさい

     
    写真はあまり撮らなかったし、写真を載せる許可も取っていませんから、言葉ばかりになってしまいましたが、最後に、川原で見た、ちょっとおもしろい現象を。
     
    これはなんでしょうか。生徒に聞いたら
    1.  ●小さい泥の粒が集まって山になった
    2.  ●下から吹き上げてきた
    3.  ●石ころが砕けた
    4. いろいろ考えるなあ。特に、「下から吹き上げる」というのにはびっくり。地震の時、液状化して吹きあげたこともある・・泥火山というのだってある。でも、これは違う。よく見ると、経過の分かるものもある。物理的風化・・最近は物理的風化とか化学的風化とか言う言葉は教わらないようですが、この生徒たち、風化は勉強したばかりらしい。
    「吹き上げた」と答えた生徒、「おもしろい意見だね」、とフォローしておけばよかった・・・反省。私は、生き物が地下に穴を掘って、積み上げた土の塚、という感じもしたけど。モグラやアリを思い出して。
     崩れていく途中の石の写真をのせます。





    崩れている石は、富岡層群小幡層という、中新世、1600万年ほど昔の海にたまった泥岩(シルト岩)。こうしてたやすく崩れています。石が泥にかえっていく、土の元にもなっていく・・・

    はるか昔、小学校の頃、「全国学力テスト」というものがありました(その後このテストは取りやめに。全国テストは今また話題になっていますね)。その中に、土はどうやってできる、だったか、土にはいっているものは何かだか、そんな設問があって、田んぼや畑に囲まれて、毎日土とはつきあっているのに、まるっきり分からなかったのを、なぜだか覚えています。考えたこともなくて、印象に残ったのでしょう。ついでに書けば、この種のテスト、テスト中に先生が、テスト用紙の上を何となく指さしたような・・ふっと気づくと、間違っている・・・といった記憶があります。なんだか不思議でした・・・・大人になって、よくわかりました・・少しでもいい点数をあげねばならない、という事情・・・普段、テストもやらないし、通知表もなかったという学校でしたけど、でもきっと、学力が特に低いということはなかったと思う。というより、同じメンバーで学んだ中学校からの高校受験では、とてもいい成績でした。
    この学校、この先生方はとても熱心な人たちでした。勉強では、ガリ版を切って(ガリ版ってわかる人、何歳以上でしょうか。印刷物を作るのは、今と違って、大変なことだったのです)印刷した短編の文学を使って、たくさんの学習をしたり、作文をせっせと書かせたり、外部から(玉村町の人)合唱指導の方を定期的によんで、みんなで歌ったり、野外観察にも出かけました。私たちは、野外に遊びに出かけたという気分でしたけど。
    音楽は楽譜を教わったりしなかったし、今でも楽譜も読めない人間ですけど、でも音楽は「音が楽しい」の、音楽。音楽を「音が苦」とよぶ子どもがいると聞いたのは、いつのことだったかなあ。
     いろいろ思うところのある話でした。

    これからは、下仁田の話・地質の話というわけでなく、もうちょっと広い範囲で、自然のお便りにしようかと。タイトルも、「下仁田ジオパーク・・・・」から変えた方がいいですね。