岩石についての話、一通り触れてきたかと思います。
お読みいただいた方々、ありがとうございました。
かんらん岩や蛇紋岩など、取り上げていない岩石もあります。これらはきちんと話をきいてからでないと書けませんので、また後ほどに。
ここでは、何となく疑問に思ったりすることを、いくつか書き加えてみます。
マグマが冷えて固まって、地上に現れるまで
地下で溶けていたマグマは,どれくらいの深さで、どれくらい時間をかけて冷え,固まるもの
なのだろうか
地下で固まった岩石のかたまりは,どれくらい時間をかけて,地上に現れるのだろうか
こういったことは、疑問に思っても、よくわからないことが多いもの。こういった内容に関わることを、あれこれさがしてみました。というわけで、目にとまった範囲ということですが、紹介してみます。
l 冷えるのにかかる時間
マグマはふつう、地下から上昇してきて、そのまま地上に出るわけではありません。噴火している火山のマグマでも、地下で”たまり場”、マグマだまりをつくっています。
直径数kmのマグマだまりの温度が100℃下がるのに約1万年かかり、完全に冷えるのに数万年かかるとか。マグマの塊が巨大サイズなら数百万年~1千万年かかるとも・・・もともとのマグマの温度は?・・・地上にあらわれた溶けている溶岩の温度は900℃から1,100℃くらいですが(実測値850℃~1200℃など)、地下では高い圧力がかかるので、もっと高くなるでしょう。
一般的に言ったら、地下のマグマが冷えるには数万年~数十万年かかる。さらに完全に冷えきるには、おそらく数百万年以上必要、ということになりそうです。
数百万年も温かいとしたら、その周りでは地下水があたためられて、温泉となっても不思議はない・・・・実際、閃緑岩(深成岩の一種)の近くに温泉があったりして、「熱源では」などと言われるのを聞いたこともあります。
マグマはふつう、地下から上昇してきて、そのまま地上に出るわけではありません。噴火している火山のマグマでも、地下で”たまり場”、マグマだまりをつくっています。
直径数kmのマグマだまりの温度が100℃下がるのに約1万年かかり、完全に冷えるのに数万年かかるとか。マグマの塊が巨大サイズなら数百万年~1千万年かかるとも・・・もともとのマグマの温度は?・・・地上にあらわれた溶けている溶岩の温度は900℃から1,100℃くらいですが(実測値850℃~1200℃など)、地下では高い圧力がかかるので、もっと高くなるでしょう。
一般的に言ったら、地下のマグマが冷えるには数万年~数十万年かかる。さらに完全に冷えきるには、おそらく数百万年以上必要、ということになりそうです。
数百万年も温かいとしたら、その周りでは地下水があたためられて、温泉となっても不思議はない・・・・実際、閃緑岩(深成岩の一種)の近くに温泉があったりして、「熱源では」などと言われるのを聞いたこともあります。
l ゆっくり固まるとは、急速に冷えるとは・・…まとめると・・・
①
花こう岩・閃緑岩・はんれい岩などができるときは「ゆっくり」冷えてかたまるといわれます。
完全に冷えきるのは、数十万年~数百万年といわれています。
例:丹沢の石英閃緑岩(深い所で固まった岩石)は数百万年かけて固まったといわれているようです。
② ガラス質の 黒曜石は数日で固まるともいわれます。
( 溶岩が水中に流れ込むと、表面は急冷します・・・ですから水中に流れ出してできる枕状溶岩の表面は急冷しています。
時には溶岩がバラバラに砕けてしまうこともあります。熱湯に入れたガラスのように。)
③ふつうの溶岩が固まる時間、あるいは地下の割れ目に入り込んで 固まるまでの時間・・・
安山岩や玄武岩ができるわけですが、どれくらいの時間がか かっているのかな・・・
ちょっとおまけ <前回の補足 : 安山岩溶岩の表面の写真>
右の写真:安山岩溶岩の表面に小さな穴がたくさんあります。マグマが冷えるとき、内部の気体が発泡して抜け出たあとです。前回、溶岩の表面に方解石の丸い粒がたくさんあるのを紹介しましたが、こんな穴を埋めたら、白い点々ができそうですね。今頃になって写真のあるのを思いだしました。石は多分、浅間山の溶岩です。
安山岩溶岩の表面 |
安山岩や玄武岩ができるわけですが、どれくらいの時間がか かっているのかな・・・
ちょっとおまけ <前回の補足 : 安山岩溶岩の表面の写真>
右の写真:安山岩溶岩の表面に小さな穴がたくさんあります。マグマが冷えるとき、内部の気体が発泡して抜け出たあとです。前回、溶岩の表面に方解石の丸い粒がたくさんあるのを紹介しましたが、こんな穴を埋めたら、白い点々ができそうですね。今頃になって写真のあるのを思いだしました。石は多分、浅間山の溶岩です。
l マグマが深いところで固まるというけれど、どれくらいの深さ?
・花こう岩や閃緑岩ができるときは、「深いところ」で固まります
・深さは地下10km~15kmほどか・・5kmほど・・でもできそうです。
・どうしてわかるのかといえば・・
マグマによってまわりの岩石がやけどしますが、そのときできた鉱物から温度圧力条件が推定できるときがあります。これらの数値から推測していきます。掘って調べるなんてできません。
結晶片岩は地下15km~30kmに岩石が押し込められ、溶けずに変化してできた石といいます。花こう岩より深い所で、しかも溶けずにできた・・・地下の世界も単純ではなく、いろいろあるのですね。
マグマによってまわりの岩石がやけどしますが、そのときできた鉱物から温度圧力条件が推定できるときがあります。これらの数値から推測していきます。掘って調べるなんてできません。
結晶片岩は地下15km~30kmに岩石が押し込められ、溶けずに変化してできた石といいます。花こう岩より深い所で、しかも溶けずにできた・・・地下の世界も単純ではなく、いろいろあるのですね。
l 深い所でできた花こう岩が、どうして今、地表でみられるのか
もちろん地下から上昇してきたわけですが・・・
もちろん地下から上昇してきたわけですが・・・
どうして上昇できるのか
・花こう岩は密度が低い(軽い)ので、浮き上がっていく、つまり上昇します。
・温度が高いと、やわらかく流動性があり、また周囲の岩石も温まってやわらかく、可塑性が高く(変形しやすい)上昇しやすくなります。
・日本列島は太平洋側から押される力がはたらいていますが、こうして押されてずり上がるとい
うこともあるのでは、という人もいます。
うこともあるのでは、という人もいます。
単純ではないでしょうし、説明も難しそうです・・・・・・
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下の写真、磨かれた花こう岩(ちょっと黒めなので閃緑岩かな)の表面に、なにやら黒っぽいかたまり・・・
これ、花こう岩が上昇するとき、まわりの岩石を取り込んだもの
捕獲岩といいますが、何か地下の情報を持ってきてくれるかな。
けっこう見かけますから、ちょっと目をとめてみませんか。
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下の写真、磨かれた花こう岩(ちょっと黒めなので閃緑岩かな)の表面に、なにやら黒っぽいかたまり・・・
これ、花こう岩が上昇するとき、まわりの岩石を取り込んだもの
捕獲岩といいますが、何か地下の情報を持ってきてくれるかな。
けっこう見かけますから、ちょっと目をとめてみませんか。
l 花崗岩が地上まで出てくるには、どれくらいの時間がかかる?
下仁田の平滑花こう岩は6500万年前のものです。日本にはこの頃の花こう岩がたくさんあります。でも、日本にはもっと若い花こう岩もあります。量も分布場所も少なめですが。
約1400万年ほど前の花こう岩の仲間が、日本列島の西のほうに点々と見つかります。ですから1400万年あれば間違いなく地上に出てきているわけです。
例: 屋久島の山頂 、南アルプス甲斐駒が岳、奥秩父の金峰山(1000万年前?)
甲武信岳(1100万年前?)
例: 屋久島の山頂 、南アルプス甲斐駒が岳、奥秩父の金峰山(1000万年前?)
甲武信岳(1100万年前?)
屋久島の例で、ちょっと考えてみます
屋久島の宮之浦岳は花こう岩でできていて、標高は2000mほど。
この花こう岩は地下12kmで固まったといわれます。
1400万年で14km上昇とすれば、1年間に約1mmの上昇となります。地上に出れば雨風で削られるので、上昇スピードはこれよりもう少し大きいはずです。
屋久島の宮之浦岳は花こう岩でできていて、標高は2000mほど。
この花こう岩は地下12kmで固まったといわれます。
1400万年で14km上昇とすれば、1年間に約1mmの上昇となります。地上に出れば雨風で削られるので、上昇スピードはこれよりもう少し大きいはずです。
もっと若い花こう岩も見つかっています。
北アルプスにある花こう岩で、地表に露出する深成岩で「世界で一番若い」、というのが発表されています。北アルプス主稜線の西斜面、上宝村滝谷の花こう岩です。ここのものは200万年~100万年前の花こう岩だそうです。地下ではまだ冷え切っていないかもしれない・・
200万年かからずに地上に出てくることも可能ということになります。
ガダルカナル・ブーゲンビルといえば第2次大戦での悲惨な戦闘で忘れることのできない地名ですが、そこにも200万年・300万年といった若い花こう岩があるとか。
海外のことまで触れましたが、群馬県では谷川や水上付近にも花こう岩の仲間がみられます。奥利根地域とよばれる群馬県北東部には花こう岩がかなり広く分布しています。古い年代のものもありますが、数百万年前といいう新しいものもあるようです。
正確に年代を測定するのはけっこう大変なので、意見が分かれることもあり、なかなか大変な世界のようです。
でも、みんな地下から上昇してきたんだ・・・
というわけで、まだまだわからないことがたくさんある世界、まだまださまざまな話が出てきそうです。
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<季節の便り>
今年は野菜が高値です。
ニュースで、鍋物に必須の白菜の高騰が報じられていました。群馬県は白菜生産量は多めの県です。
そこで、我が家の近所の白菜畑の写真を載せます。葉がきれいにまとまるように、一つ一つ
丁寧に上の方を結わえています。これだけの数、結わえるのは、けっこうな手間だったろうな
あ・・・腰も痛くなる・・・・感謝して食べねば。
私が子供の頃は、まだ田植えは1本1本手で植え、刈り取りはひとつかみずつ鎌で刈り取り、それを手作業でまとめて結わえ、運び、脱穀・乾燥と、まさに八十八の手間の世界でした。それを知っていると、やはり、食べ物を粗末にする気にはなれませんね。
それにしても、枕草子にも出てくる田植えの姿が、私の生きている時代にみられなくなったのか・・と、あらためて思いました・・
この場所は利根川べりで、浅間山・天明の噴火の際の泥流もつもっている場所。水はけのいい場所になります。昔はほとんど桑畑でした。キャベツ、ネギなどは水はけのよい場所が適していたと思いますが、白菜はどうだったかなあ。そういえば、コンニャクは、相当の水はけのよい場所に育つもののようですね。下仁田のネギも、下仁田という場所を選んで、高品質のものが育ちます。気候と土、それを充分に活かして作物を作り、それで生産者の生活が成り立っていけるようになれたらと、つくづくと思います。
今年もそろそろ終わり。皆様にとっては、どんな年だったでしょうか。
来年がよい年でありますように、また、よい年にするべく皆で力を合わせたいものです。
正月が明けたら、今度は「地層の見方」についての解説から始めます。
地層についた縞模様などの話です。
来年もよろしくお願いします。