2013年10月22日火曜日

岩石④ 緑色岩・輝緑凝灰岩・枕状溶岩

緑色岩類・輝緑凝灰岩(きりょくぎょうかいがん)
青岩付近の川原でもたくさん見つかります 
  
<緑色岩>

緑色の石のこと?と、誰もが思います。緑色の石といっても、いろいろな種類のものがあるだろうに、とも思えます。ところが、緑でない緑色岩もあると聞くと・・・・・エーッ何それ??・・・・・・
じつは、私もあまり説明をしたくない気分なのです。 説明しにくいなあ・・と。 
下の写真の二つはどちらも緑色岩
  
左側は川原の石の観察会でよく目にする石。輝緑凝灰岩と呼んでいるものです。




緑色岩とは

玄武岩質の溶岩や火山灰、枕状溶岩や貫入岩が、熱(低め)と海水の作用で少し変質したと考えられるもの

・しばしば緑色になりますが、赤紫色などにもなり、これも緑色岩と呼びます。
  色を書いてみましょう : 暗緑・緑・黄緑 ・ えび茶・赤紫・青緑・赤紫を帯びた灰色・・・
・ややざらついた岩肌をしています
・なぜ緑色になる?・・・緑色の鉱物ができたから・・・鉱物の名前は 緑泥石、緑レン石など
                                                     (実務者のための岩石肉眼鑑定法 より)

輝緑凝灰岩は玄武岩質(苦鉄質)の火山噴出物がほんのすこし変質したもので、秩父帯のような古い時代のものがしばしばこのように呼ばれています
古い時代の地層でたくさん目にする、見かけに特徴のある石で、古くから使われた名称ですが、最近は緑色岩とよばれることが増えているようです。玄武岩質火山噴出物ともよばれたりします。
用語も時とともに変化していっています。どれが正しい正しくないというわけではなく、多くの人が使うようになった言葉が広まっていったといったところでしょうか。

名前には名付けられた歴史があり、流行もあり、少しずつ変わっていったりもするというわけです。定義・意味も少し変わってきたりすることもあります。
私たちの生活でも、「スポーツ選手」がいつの間にか「アスリート」になっていたり、料理の「作り方」が「レシピ」になったり、たくさん見かけますよね。










下仁田自然学校作成の「かぶら川の石図鑑」から、輝緑凝灰岩と緑色岩のページを載せておきます。(ページを開いただけのゆがんだ写真でスミマセン。先ほど思いついたといったことで・・) 参考にしてください。
緑色岩は三波川結晶片岩の分布する地域でみられ、
輝緑凝灰岩は秩父帯で見られると書かれてあるのがわかります。
地質調査をしているとき、これらの岩石は明らかに区別できたわけです。でき方が同じようだと、今ならいえるのかもしれませんが、そんなことは以前、わかっていたわけではありません。違う名前がついたのもうなずけます。

                            


<補足>

「ミカブ緑色岩類は結晶片岩の仲間だといったじゃないか」、といわれそう。
 ミカブ緑色岩は三波川結晶片岩の仲間で、変成の弱いものと紹介しました。
 2億年とかいった昔の海底火山の噴出物が変化してできた、弱い変質のものです。
 定義からいうと、これは緑色岩になりますよね。『これを結晶片岩っていうの・・・・!!」などと
 いうもいるくらいです。というわけで、わざわざ、緑色岩類などと言っているわけです。
 ミカブ緑色岩は三波川結晶片岩ができるときに同じはたらきでつくられたので三波川
  結晶片岩の仲間になりますが、緑色岩というものは、他の場所でも、あちこちでできている
  という関係・・・何だかゴタゴタしてきました・・・私もよくわからない・・・
どうでもいいような面倒くさい話ばかりして、ゴメンナサイ
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海の中にもたくさんの火山があるのはご存知でだったでしょうか。

 陸の火山と少し性質が違ったりします。
 この火山から噴出するのは黒っぽい岩石・玄武岩です。
    一方日本の陸上の火山だったら、灰色の岩石・安山岩が多いですね。

<補足>
黒っぽい火成岩の性質を表す言葉 3つ
  ・玄武岩質    ・苦鉄質(くてつしつ)   ・塩基性

 どれも同じような意味で使っていると思います。本にはどれも出てきます。
「塩基性」は化学の時間に勉強した「アルカリ性」になるわけではありませんので・・
色の濃い鉱物が多く含まれていて、鉄やマグネシウム成分が多いものになります。
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下仁田のどこにあるの?

仁田では、輝緑凝灰岩とよばれるものは古い時代の岩石の分布する下仁田の南の地域(地質の秩父帯)にたくさんあり、南牧川(なんもくがわ)の河原の石にもたくさん見られます。
赤紫色のものが多いですが、緑色混じりのものもみられます。南牧川と西牧(さいもく)川が合流した川・(かぶら)の礫にも、もちろんたくさん見られます。
緑色岩は三波川結晶片岩の分布地域ですね。
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 枕状(まくらじょう)溶岩   

岩石名ではなくて、岩石の産状についていう言葉です。
枕状溶岩を形づくる岩石はもともとは玄武岩で、古くなると緑色岩に変質しています。
下仁田の枕状溶岩は、古い時代のものなので、緑色岩になっています。


水中に流れ出した溶岩の表面が急冷されて表面が固まり、内部のかたまっていない部分がさらに流れ出し、ソーセージ状になって積み重なってできたもの。枕を積み重ねたような形に見えるということで枕状溶岩と名付けられました。でも枕といっても、私の使う枕とはずいぶん違うなあと、いつも思っていたものです。

太さは数10cm~数m。断面には放射状の割れ目が見られたりします。ハワイの火山で、海に流れ出した溶岩から形成される様子が撮影され、テレビで放送されていたこともあります。

    というわけで、現在つくられているものから、はるか昔のものまであるわけです。

地層の中で見つかると、そこはかつて水中だったことがわかるし、その形から、地層の上下(どっちが海面方向だったか)がわかることもあります
 

● 下仁田で見られるもの 

茂垣((もがき)の枕状溶岩  
写真 堀越武男さん
秩父帯という古い時代の岩石の分布地域にあります。
ですから、非常に古い時代のもので、そこはかつては海底火山だったわけです。
この枕状溶岩も緑色岩でできています。

*先ほど、上の写真の枕状溶岩の分布地域を、「ミカブ緑色岩の分布地域」と書いて公開してしまったのに気づきました。間違いです。既にお読みになった方、ゴメンナサイ。正しくは秩父帯です。
なお、ミカボ山を通るスーパー林道はミカブ緑色岩の分布地域で、ちょっとわかりにくいですが、ここでも枕状溶岩が見られます。



























房総半島・鴨川の枕状溶岩  (上と下の写真)
  
今は火山のない県、千葉県でみられる昔の「海底火山」の溶岩です。
古い時代のものです。


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緑色岩も庭に飾られます。
下仁田の青岩のような石は三波石としてずいぶん愛されてきているでしょうが、もう少し違った感じに見えるものも、お庭で見かけます。
 「 あの学校の玄関近くに大きなのがあったなあ」とか、「あそこの庭にあったのもこれだったかなあ」などと今頃そんなことを思い出しているところです。
  
                            
下仁田町の文化ホールの前に置かれた石にもあったかな・・と、以前にとった写真を見てみました。上の写真は緑色岩かな?
日本庭園に使われた石には何があるか・・・チャートなども使われていますよね。
石と松、これらが主人公の世界でしょうか。
あらためて、お庭に飾られた石など、眺めて見ようかと思っているところです。
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中国の上海近郊の世界遺産の庭園を見学したことがあります。水と、とにかくたくさんの石が使われた庭でした。風雨にさらされて奇妙な形に削られ溶かされた石灰岩が大量に使われていました。遠くから運河で運んだものとのことです。高価な石を、財力のある人たちが競って使ったようです。日本とは少し違った感覚も感じられます。また、石を敷きつめて、さまざまな模様をつくりだしてもいました。   昔から人々は石を愛でてきたのがわかります。
            


   蘇州の名庭 
   獅子林  
周囲の岩石は石灰岩(太湖産出の太湖石)
水によって奇妙な形に
溶かされています

この地域は水路が張り巡らされていて、庭にも水が多く、蓮が一面に育っていました



足元にはきれいにデザインされた小石が敷きつめられて、たのしませてくれています。
もっとすてきなのがあったのに、写真を撮っていなかった・・残念



 

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