下仁田ネギの季節がやってきました。手間をかけて育てられたネギの王様。全国に知られたネギ。
下仁田自然学校では、里見哲夫さん執筆のネギの本を出版しました。ネギの本は以前にも 作りましたが、新たな資料をくわえた新版です。古文書をしっかり読みこんでいて、
コンニャクも下仁田を代表するものです。里見さん執筆のコンニャクの本もあります。
絵手紙:小林生子さん
磁鉄鉱
ふるさとセンター入り口には,写真のような大きな鉄鉱石の塊が置かれてあります。マグネットがぺたぺたくっついています。
鉄をたくさん含むこの鉱石は,小さなものでもずっしりと重く感じられます。同じ大きさの別の種類の石と比べてみると,その”重さ”がよくわかります。
磁鉄鉱(マグネタイト)・・・・パワーストーンというわけではないけれど、磁性を持つ鉱物。
(磁石にくっつく。方位磁針が狂う)。
(磁石にくっつく。方位磁針が狂う)。
たまに、石そのものが天然磁石になっているものがあり、クギなどがくっつきます。昔の人はとても不思議に思い、地球のどこかに磁石の塊があり、近づいた船は鉄のクギがすい取られ、ばらばらに壊れてしまう、などというお話をつくりました。
天然磁石はロードストーンとよばれます。天然磁石が羅針盤(磁気コンパス)として目的地まで導いてくれるという意味のリードストーン(leadstone)に由来するとのことです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・岩石には、小さな磁鉄鉱の結晶が普通に入っています。火山灰の中からも見つかります
富士山麓の青木が原は、磁石が使えなくなるなどという俗説で有名ですが、これは溶岩に含まれている磁鉄鉱のために、方位磁針が狂うという話です。実際には狂いはわずかのようです。
・雷が落ちる場所などでは、磁鉄鉱が天然磁石にかわります。
磁鉄鉱=天然磁石ではありません。磁鉄鉱は磁石に吸い付きますが、天然磁石というほどには強く磁化されていません。ですから、クギがくっついたりはしません。
天然磁石になるには強い磁界(磁石の力)の助けが必要です。落雷で地上に大電流が流れると周囲に強い磁界が生じ(コイルに電流を流したら電磁石になります。ですから電気と磁石は大いに関係があることがわかります)、磁鉄鉱が強い磁気をおびて天然磁石になるといいます。さらに詳しく言えば、磁鉄鉱が風化して少し変化した場合に天然磁石になるそうです。
(以上、TDKの”電気と磁気のはてな館“より
磁鉄鉱=天然磁石ではありません。磁鉄鉱は磁石に吸い付きますが、天然磁石というほどには強く磁化されていません。ですから、クギがくっついたりはしません。
天然磁石になるには強い磁界(磁石の力)の助けが必要です。落雷で地上に大電流が流れると周囲に強い磁界が生じ(コイルに電流を流したら電磁石になります。ですから電気と磁石は大いに関係があることがわかります)、磁鉄鉱が強い磁気をおびて天然磁石になるといいます。さらに詳しく言えば、磁鉄鉱が風化して少し変化した場合に天然磁石になるそうです。
(以上、TDKの”電気と磁気のはてな館“より
荒船山の山頂の岩(艫岩)で方位磁針がすこし振れました。ここは雷の落ちそうな場所ですから、雷によって石の中の磁鉄鉱の磁力が強くなっていたのではないでしょうか。記憶では、赤城山の地蔵岳でも方位磁針が振れます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
近所の利根川の水辺,砂がたくさんたまる場所に、いつも砂鉄が黒いすじを引いて
集まっています。砂鉄の主成分は磁鉄鉱です。
集まっています。砂鉄の主成分は磁鉄鉱です。
「あなたたちは 上流のどの石の中からやってきたのですか?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
鉄はすぐにさびます。砂鉄はどうしてさびないの?・・・砂鉄は”鉄”ではなく、”磁鉄鉱など”だから。
鉄の原子は酸素やイオウなどの原子と結びついて,さまざまな違った鉱物をつくります。
赤さびはぼろぼろになりますが、南部鉄びんの鉄はボロボロになんかならないし,色は黒、。これだけでも,違った顔つきです。
< 鉄の入った鉱物をちょっとにわか勉強してみました。記号がイヤでない人は、化学式をごらんになったらいかがでしょうか。案外、関係がよくわかるかもしれません >
ただの鉄はFeで
黒い色の磁鉄鉱(マグネタイト)はFe3O4 、
古代の人たちも使った赤い顔料・ベンガラにもなった赤鉄鉱(ヘマタイト)は Fe2O3 、
縞状鉄鉱 |
層の部分は赤鉄鉱。右の写真はオーストラリアの縞状鉄鉱。
スケールが入っていなかったのですが、縞の幅は1cmより
狭いものです。)
天然の鉄サビともいえる褐鉄鉱(リモナイト)は FeOOH
Fe2O3 ・H2Oと書いても同じことで こちらの方がイメージがわくかも。
鉱物名としては、針鉄鉱という、とのことです
(群馬鉄山の鉄さび色の鉱石は,これが主成分)
それでは普通の鉄さび・赤さびは?・・・
これが何とも難しそう・・すこしずつ結びつき方を変えながら,
いろいろ混じっているようです。
Fe(OH)3 FeOOH などのようです。
南部鉄瓶の黒さびは?・・・・・・・Fe3O4 のようですね。これって、磁鉄鉱ですよね。他のものも少し混じるようですが。
酸素と水がくっついたり離れたりしながら、なんとまあ、いろいろと顔つきを変えているものです。
ついでに、イオウの結びついた場合の代表は 黄鉄鉱(パイライト) FeS2
金と間違いそうになるくらいの見かけの、金色にキラキラした鉱物です。
鉄の原子の入った鉱物には、他にもたくさんの種類があります。
次々姿を変えていくのをみると、「鉄の七変化」、といいたくなります。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
下仁田の林 照葉樹林
サザンカが木いっぱいに咲いています。寒さに向かって咲く花のまわりには、暖かい雰囲気が漂います。
華やかな園芸品種が植えられていますが、野生種は群馬県にはありません。四国・九州・沖縄といった地域には自生し、花は白だそうです。
左の写真には、昔から見られたサザンカを選んでみました。自生種に近い花かもしれません。
季節をちょっと先取りしすぎたツバキの花が咲いていました。こちらは春に向かって咲く花。正式名はヤブツバキ。
これは群馬にも自生しています。
植物学の世界では、「ヤブツバキクラス」という言葉があります。ヤブツバキが生えている林で、「照葉樹林」といわれる林になります。
木々は冬でもつやつやした葉をつけ、光にあたって「照る」ように光る・・・そんな林です。
でも、照葉樹の林の中は薄暗く、人にはあまり好まれないようにも思えます。
下仁田付近の照葉樹林は、下の図のような感じです。植物、いくつご存じでしょうか。
カシぐねに利用し、どんぐりの実るシラカシの木もこの林の代表です。
右下の日本列島の図を見ると、照葉樹林の分布がわかります。西日本一帯に広がります。
下仁田は分布のギリギリのところですね。
人が住んでいない頃、関東にもこんな森がたくさんあったはずです。人はこの森を切り開いて住みつきました。
そのため、照葉樹の森は、今は全国どこでもほとんどみられません。
神社の「鎮守の杜 」などに残されている程度で群馬県内でも数か所だけです。
富岡貫前神社・下仁田不通渓谷・安中湯沢鉱泉付近・桐生泉竜院 など
不通渓谷(とおらずけいこく)は、下仁田にあります。険しい場所で人が手をつけなかったから残ったのでしょう。この地域本来の植生の大切な「証人」となる場所です。
東京にもし人が住まなくなったら、ヤブツバキや
シイ・カシのしげる照葉樹の森になる、というのが、この図からわかるのです。
ヤブコウジ
日本の照葉樹林の分布 赤は下仁田
「群馬の自然100選」に選ばれていたのですが、今でも解除されずにいるかなあ・・・
左はヤブコウジ。下仁田のホタル山公園付近でも赤い実をつけていました。玉村では昔、竹やぶの中にあちこちあったので、気楽に、「写真を撮ろう」と思ったら、なんと「無い!」。間伐された明るい竹やぶの中で、やっと見つけました。放置された竹のぎっしりはえた場所では、なかなか育てないのでしょう。
お正月に飾る千両や、庭に植える万両に対して、実が少しなので,十両といわれるとか。でも、かわいくて、素敵ですよね。どれも照葉樹・ヤブツバキクラスの地域に育ちます。
照葉樹の森は日本を超えて、さらに中国南部まで見られます。この中国の森に、茶の木がありました。茶はツバキと親戚です。下仁田でも昔、茶の栽培をしたとかで、山裾の林のなかあちこちに、茶の木がはえています。照葉樹の地域だから、茶も育ちます。もっと寒い地方では、もう茶の木は育つことができません。
下仁田では、ちょっと山の方面に行くと、常緑の照葉樹はなく、冬に葉を落とす木が育っています。
本当に、分布のぎりぎりの地域なんですね。
地形の専門家の方に、不通渓谷の植生を、「「照葉樹森」と説明したら、「エッ?」という顔をされました。もう照葉樹の林はないと思われたんでしょう。
ヤブランやジャノヒゲに実った丸い実で遊んだこと、ありませんか。
ジャノヒゲの実の濃い青色の皮をくるりとむくと、白い半透明の実が出てきます。これを地面にぽんとほうると、ポンとはねます。
単純だけれど、楽しい気分になります。
< 不通渓谷・・・一年中緑の葉・常緑のシラカシの木が見られます>
ツバキ
|
サザンカ
|
花はカップ状
|
花は平らに開く
|
花びらがくっついていて、 丸ごとポトリと落ちる
|
花びらはバラバラに散る
|
おしべの下半分がくっついている
|
おしべはバラバラになる
|
めしべの下方(子房)に毛が無い
|
めしべの子房に毛がある
|
葉の縁はなめらか
|
葉の縁がギザギザののこぎりの歯状
|
葉の柄に毛が無い
|
葉の柄に毛がある
|
花は10月から12月に咲く
|
花は12月から4月に咲 く
|
これで「もうわかる!」・・・・と言いたいところですが、園芸種では必ずしも当てはまらなかったりするので、単純じゃないかも・・・・
さらに、日本海側豪雪地域にはユキツバキというのが見られます。演歌の世界で聞く名前ですが、1947年に発見された種類だといいます。普通にみられるのですけどね・・・ウソみたいな話に感じられます。誰も注目しなかったということか。
この花は平らでサザンカみたいだし、めしべにも毛があるといいます。違った環境で長く生きていれば、性質だって違ってもくるでしょう・・・・・・深い雪に埋もれて、なんとか冬の寒さを耐えしのんで生き延びたわけですから・・・・でも、頑張れユキツバキ!といいたくなります。
0 件のコメント:
コメントを投稿