火山灰の中の鉱物結晶を見たことありますか?
赤土の中から鉱物結晶を取り出す作業は単純なのですが、なぜかみんな喜びます。私の経験では,小学生も中学生も高校生も,そして大人も。
そこで、やり方をのせることにしました。
お椀に火山灰の入った赤土を入れて、水を加えて、指でこすりながら上澄みを流します。この作業をみんなが楽しそうにやるのです。今どきの女子高校生なんて、「泥で汚い、爪が汚れる」などと言いそうですが、そんなことなく、喜々としてやります。お椀の底に、砂粒のような物がわずかに残るようになってくると、注意深く、真剣になってきます。
泥遊び・・・本当は誰もが楽しいものなのかもしれません。
残ったものを顕微鏡で見ると・・・・鉱物結晶・ガラス片・岩片などが見えます。
火山灰には、火成岩(安山岩など)に含まれる造岩鉱物と同じ鉱物が、ばらばらの粒・結晶になって含まれます。磁鉄鉱やチタン鉄鉱も見られます。
顕微鏡で見ると、きらきらして、きれい。しばしば見られる結晶面は、真っ平らで,光を反射して輝きます。
カタクリの咲くところ 自然の歴史とカタクリ泥遊び・・・本当は誰もが楽しいものなのかもしれません。
残ったものを顕微鏡で見ると・・・・鉱物結晶・ガラス片・岩片などが見えます。
火山灰には、火成岩(安山岩など)に含まれる造岩鉱物と同じ鉱物が、ばらばらの粒・結晶になって含まれます。磁鉄鉱やチタン鉄鉱も見られます。
顕微鏡で見ると、きらきらして、きれい。しばしば見られる結晶面は、真っ平らで,光を反射して輝きます。
どんなものが含まれるかは火山によって違いが見られ、それでどこからやってきた火山灰かがわかったりします。
浜島書店 図説地学よri |
顕微鏡で見た鉱物
・セキエイは透き通った
無色透明
無色透明
・長石は透明感に少し欠ける 白
・カクセン石・キ石は四角ばってちょっと似て見えます。
・カンラン石はころころした感じ、風化しやすい鉱物です.
・磁鉄鉱は黒光りします
・ガラスは風化しやすいもので、粘土になったりしてしまいます。
見られる場合には、形はいろいろです。
こうやって説明すると区別は単純そうなのですが・・・・
まず,岩片などと結晶を区別しなければならない。さらに上の図でみるように、角閃石と輝石が似て見える。大きさが大きいときと小さいときで,透明感が違い、色も少し違って見えてくる・・
風化で見かけがかわってくる・・・
でも、それほど厳密に見る必要がないなら、何となく区別できたりします。
ルーペや顕微鏡で見て,楽しめます。
どこからやってきた火山灰か同定できるようになりたかったら、たくさん見て、詳しい方にしっかり教わって下さい。
以下の写真も参考に。
磁石にくっつく鉱物
もちろん、磁鉄鉱。
磁石にくっつく性質は弱くなりますがチタン鉄鉱というのもあります。
上の写真の10番のもので、コロコロした形で、光を反射して反射してキラッと光ります。正八面体だそうです。もっとも、幾つかがくっついたりして、いろいろな形にみえたりもしますが。
下仁田に降り積もった浅間山の火山灰の鉱物はたくさん磁石にくっつきます。ですから、ころっとした鉱物がたくさんあるかと思って見ると・・・・たしかにそういうものもありますが、多くは長細い鉱物・・・?同定のリストを見ると、輝石がおおいようです・・・一緒にすくいあげられてしまった??それとも、輝石や角閃石も磁石にくっつく??・・・ますますわからなくなってきます・・・
じつは小さな磁鉄鉱の結晶が輝石にくっついている(取り込まれているのも?)ということだそうです。浅間山の火山灰の結晶、磁石を近づけると、大量にくっついてきて、見事なほどです。
火山ガラス
風化しやすいので、早めに無くなるかも。でも、鹿児島からやってきたAT(姶良丹沢火山灰)は、光が当たると、たくさん含まれるガラスがキラキラ光ります。
前回紹介した金剛萱で、人類の痕跡を求めて発掘したときのことです。ATがたまった付近の地層を掘り出したわけですが、足元の地面が、日の光を受けて一面にキラキラとしていました。
感激です。「これがあの有名なATか」と。小袋にせっせと集めました。
降ったばかりの火山灰は灰色で、赤土のような赤い色はしていませんね。火山灰からできたはずなのに、どうしてあんな色になるの?昔の火山灰は赤っっぽかった??
じつは火山灰の主成分はガラス。この中には成分として鉄が含まれています。風化していくうちにこの鉄が酸化して、鉄さび色が出てくるというわけ。降ったばかりの火山灰が赤かったわけではないと思います。 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
こうやって説明すると区別は単純そうなのですが・・・・
まず,岩片などと結晶を区別しなければならない。さらに上の図でみるように、角閃石と輝石が似て見える。大きさが大きいときと小さいときで,透明感が違い、色も少し違って見えてくる・・
風化で見かけがかわってくる・・・
でも、それほど厳密に見る必要がないなら、何となく区別できたりします。
ルーペや顕微鏡で見て,楽しめます。
どこからやってきた火山灰か同定できるようになりたかったら、たくさん見て、詳しい方にしっかり教わって下さい。
以下の写真も参考に。
答
1 チタン鉄鉱
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2 石英
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3 磁鉄鉱
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4 シソ輝石
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5
斜長石
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6
黒雲母
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7 シソ輝石
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8 普通輝石
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9 火山ガラス
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10 磁鉄鉱
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11 シソ輝石
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12 カンラ石
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13 石英
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14 普通角閃石
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15 斜長石
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16 普通角閃石
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17 斜長石
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18 シソ輝石
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19 斜長石
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20カンラン石
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21チタン鉄鉱
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22 普通輝石
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23火山ガラス
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火山灰分析の手引き (地学団体研究会) より
なお、最近、シソ輝石という分類名称は使わなくなるようです。輝石といっても成分によって数種類に分けられますが、幾つかをまとめて一つの名前にしたようです。学問的な基準なので、私には詳細はよくわかりませんが。
シソ輝石は頑火輝石という名称になるとか。魅力的な名前とはいえない感じ・・・・
なお、最近、シソ輝石という分類名称は使わなくなるようです。輝石といっても成分によって数種類に分けられますが、幾つかをまとめて一つの名前にしたようです。学問的な基準なので、私には詳細はよくわかりませんが。
シソ輝石は頑火輝石という名称になるとか。魅力的な名前とはいえない感じ・・・・
磁石にくっつく鉱物
もちろん、磁鉄鉱。
磁石にくっつく性質は弱くなりますがチタン鉄鉱というのもあります。
上の写真の10番のもので、コロコロした形で、光を反射して反射してキラッと光ります。正八面体だそうです。もっとも、幾つかがくっついたりして、いろいろな形にみえたりもしますが。
下仁田に降り積もった浅間山の火山灰の鉱物はたくさん磁石にくっつきます。ですから、ころっとした鉱物がたくさんあるかと思って見ると・・・・たしかにそういうものもありますが、多くは長細い鉱物・・・?同定のリストを見ると、輝石がおおいようです・・・一緒にすくいあげられてしまった??それとも、輝石や角閃石も磁石にくっつく??・・・ますますわからなくなってきます・・・
じつは小さな磁鉄鉱の結晶が輝石にくっついている(取り込まれているのも?)ということだそうです。浅間山の火山灰の結晶、磁石を近づけると、大量にくっついてきて、見事なほどです。
火山ガラス
風化しやすいので、早めに無くなるかも。でも、鹿児島からやってきたAT(姶良丹沢火山灰)は、光が当たると、たくさん含まれるガラスがキラキラ光ります。
前回紹介した金剛萱で、人類の痕跡を求めて発掘したときのことです。ATがたまった付近の地層を掘り出したわけですが、足元の地面が、日の光を受けて一面にキラキラとしていました。
感激です。「これがあの有名なATか」と。小袋にせっせと集めました。
降ったばかりの火山灰は灰色で、赤土のような赤い色はしていませんね。火山灰からできたはずなのに、どうしてあんな色になるの?昔の火山灰は赤っっぽかった??
じつは火山灰の主成分はガラス。この中には成分として鉄が含まれています。風化していくうちにこの鉄が酸化して、鉄さび色が出てくるというわけ。降ったばかりの火山灰が赤かったわけではないと思います。 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
南牧村六車はカタクリの咲くところとして知られています。
みんなから愛されるカタクリ
スプリング エフェメラル
春のはかない妖精
こうよばれる春の花たちの代表
雑木林の林床に光が差し込む早春に芽を出し光合成をし花をつけて種子をつくり、木々の葉が茂る頃には姿を消して眠りにつく植物たち。
フクジュソウ、アズマイチゲなど、春早くの魅力的な花々たちです。
ところで、東京近郊や西日本にこのカタクリが分布しているのは、じつはとても不思議なことなのだそうです。
そこで、その話を紹介します。
小泉武栄さんの「自然を読み解く山歩き」から
六車のカタクリ |
東京のカタクリは、寒冷な氷河期から生き延びてきた 「生きた化石」
分布の背景には氷河期以来の自然の歴史がある
そんなに深い歴史がある・・と、びっくりです。
一面に咲きほこりカタクリは、雪国の光景です。本来は涼しい気候を好む北方系の植物。たしかに、片栗粉にするほどとっても大丈夫なほどのカタクリは、ここらでは見られません。
40年近く昔、札幌近郊のスーパーマーケットで、カタクリの花の束が売られているのにびっくりしたことがありました。食用です。食用の菜の花の束と同じような感じでした。
かつては雪に埋もれた長い冬が終わり、地面に萌え出た緑のものを食べる喜びの一つだったのでしょう。とはいえ、毎年収穫できるようにと、採り方を考えていたということです。里山の情景を映したテレビ番組で、そんな地元の方々のカタクリ摘みの情景が撮されていました。
今では、食べるというより、カタクリの生息地の保存のほうが重視されることかと思います。
カタクリの生きてきた歴史を見てみます。
2万年ほど前、地球は最終氷期のピークで、当時の東京は現在の十勝平野と同じくらい寒くなったと推定されています。1万年ほど前に氷期は終了、太平洋側の気候は、カタクリには暖かすぎるようになりました。カタクリは、北へ移住するか、山に登るかしました。ところが一部のカタクリは、低地でも特に涼しい場所を見つけて生き延びたというのです。その生育条件があげられていました。
- 雑木林の林床 光合成をするためには、春先の光が必要。落葉の木の下なら、春早くは光が当たる。
- 北斜面 夏に日が当たらず、涼しいから
- 扇形に広がる小さな扇状地のような地形(沖積錘)や、段丘崖の下、地滑り地など・・・土壌が常に地下水で湿っているような場所、つまり夏に気温が高くなったとき、水分が蒸発して熱を奪い、地温が一定以上上がらない。この温度は22℃とのことです。
六車の条件はどうでしょうか。たしかに北斜面です。雑木はあったりなかったり・・・斜面は何の斜面かなあ・・・
日本で最初に旧石器の見つかったことで知られる岩宿遺跡のある場所でもカタクリが咲きますが、そこはこの3つの条件にぴったりです。
吉井町小串に咲くカタクリは下仁田から続く上位段丘の北向き段丘崖の雑木林の中です。
水上方面のカタクリは・・・これは本来の生息地でしょう。雪国の山、山里です。
こんな歴史を背負っていたのかと、可憐なカタクリが、なおいっそう いとおしくなります。
種が落ちて花が咲くまでに7年から8年かかる、小学生に入学した子と同じ年齢だとか、種を運ぶのはアリだとか、カタクリにまつわる話はたくさんあります。そこにカタクリの歴史の話も加われそうです。
六車では、最近、鹿の食害が増えて困っているとのことです。周囲を網の柵で囲ったり、苦労されているようです。
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