下仁田町の西隣の南牧村、最近は高齢化率日本一としてとりあげられたりしますが、たくさんの滝があることでも紹介されることがあります。「滝巡り」として観光紹介もされています。町のホームページにも紹介があります。
線ヶ滝 |
これからはじまる暑い夏の日、清冽な水の流れ落ちる滝の姿には魅力があります。
三名瀑の1つ、線ヶ滝は、すぐ脇まで車で行けて駐車場も完備しているので、ごらんになった方も多いかもしれません。じつは私も、三名瀑のうち、この滝しかいったことがないのですけど。岩壁は固いチャートからできています。水が硬いチャートを削ったわけです。
もう一つの名瀑・三段の滝もチャートの岩壁で、赤いチャート。
最後に象ヶ滝、この滝の岩壁はチャートと頁岩(けつがん)だといいます。
これらの滝の水は南牧川に流れこみ、南牧の谷を流れて下仁田にいたり、西牧川(さいもくがわ)と合流、鏑川となり、流れ下っていきます。
新たに見つけたよ、
石器の石材になった石のふるさと
下仁田では、川原の石の観察会がしばしば行われています。鏑川の川原にはたくさんの種類の石が転がっているのです。
南牧川の川原の石を見てまわった人がいます。でも、目的が違います。ある1種類の石をさがしながらの観察です。探した石の種類は頁岩(けつがん)。
頁岩なんて、泥が強く固まってできた石ですから、どこにだってあるでしょうと言われそう。たしかに、あちこちにある石です。英語で言えばシェールですから、最近はシェールオイル、シェールガスを取り出す石として、名前も有名になりました。ですが、頁岩といっても、場所によって顔つきが違ってきます。
ここで探したのは、石器に使われた石です。
見つかる石器 |
役に立つ石としてみつけだし、使った石です。黒曜石のような非常に優れた石器の材料は、遠くまで運ばれ、使われていますが、ふだん使っていた石器で、大量に使われた石は、きっと地元の石でしょう。
下仁田周辺地域は昔から人がいた地域で、石器もたくさん見つかります。それらの石器の中で右写真のようなものがあります。よく見ると小さな化石が含まれていたこともあり、堆積岩だとわかります。この石は頁岩。頁岩というと、真っ黒の黒色頁岩が思い浮かびますが、こういったものもあるわけです。この石器の原産地を求めて、河原に転がる礫を見て回ったわけです。
南牧川をさかのぼると、本流に沿って、ずっとこの石が見つかったといいます。そして、上流の象ケ滝までたどって、ついにこの石の産地を見つけたわけです。私はここには行っていないものですから、写真がありませんが・・・
図の中の線は、すべて川をあらわしますです。左下に続くうねった線が南牧川です。
川沿いに石器の石材と同じ石が見つかっています(黄色丸 数字は見つかった礫の数)。支流では見つかっていません(白丸は、調べたけれど見つからなかったところ)。なお、三角は石器の見つかった所です。
原図は堀越武男さん 礫の調査をされました。石器も集めておられ、その比較をされました。 |
象ヶ滝は本宿層などのもっと新しい時代の地層との境目付近にありますから、見られる岩石も何種類かあるようです。
八風山と荒船山は以前から知られていた石器石材原産地で、特に八風山は、盛んに利用されました。どちらもマグマが冷えて固まった石で、「黒色安山岩」などとよばれています。(図が鮮明でなくて、すみません)
下仁田自然学校作成の書籍「下仁田町と周辺の地質」より、紹介を載せてみます。
象ヶ滝は、熊倉字日向の集落から歩いて30~40分のところにあります。林道もありますが狭い上、荒れているので歩くのが無難です。滝は高さ約30m、チャートや粘板岩(ここでは頁岩としています)の岩壁を数段になって流れ落ちています。滝の上流部や左右は内山層や本宿層です。象ヶ滝の名は、流れ落ちる滝を、象の鼻に見立てて漬けられたものといわれています。石器に使われたこの石は、肉眼で見ると鑑定が難しく、違った名前で報告されている場合もあるとのことです。粘板岩・頁岩はほぼ同じようなものですが、流紋岩(これはマグマが固まってできた石)というのもあったと聞いたような気がします。石を見極めるのは、なかなか難しいものです。
*補足です
2010年から2013年にかけての鏑川調査で、石器の80%~90%が象ヶ滝の頁岩だった
そうです。
この頁岩は内山層の頁岩の可能性が高いと見られます。安山岩などの貫入で、
熱変成、珪化作 用を受けたと推定されます。
内山層:
下仁田と長野県との境、内山峠に近い地域にみられ、下仁田層(1800万年前)と同時代の地層と考えられる地層。砂岩、泥岩などの地層です。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
ネギぼうずの季節がやってきました |
ゆずの花 |
下仁田でも、昔植えられてそのままになったようなゆずの木を見かけることがあります
我が家の近所では、最近ヤギを見かけます。そのうち太陽光発電パネルの敷地の退治部隊に、出動するのかな? 近所の草のはえた空き地で、草を食べている姿を見たこともあるし・・・
ずっと昔ですが、我が家でもヤギを飼っていました。
その乳を搾るのが兄たちの役割で、みんなでそれを飲んでいました。大切な栄養補給源だったわけです。
何だか懐かしいヤギ。童謡やら児童文学、アニメで たくさん取り上げられるヤギ
歌ったり読んだり、子どもたちが大好きなヤギ
・ メエー、メエー 森の子ヤギ 森の子ヤギ 子ヤギ歩けば小石にあたる
あたりゃあんよがああ痛い ・・・
・ しろやぎさんから おてがみ ついた くろやぎさんたら しらずにたべた ・・・
・ アルプスの少女 ハイジ ヤギたちがたくさん出てくる・・
でも、本当のところ、ヤギって気が荒くて、足のける力なんて強かった。目も何だかかわいくなかった・・・牛の目は、大きく黒くしっとり潤んだようで好きでしたが、ヤギは薄茶色の細い瞳が寄りつきにくい雰囲気だった・・・などと思い出しつつ、でも、またこんな所でヤギに会えるのが、おもしろい。
乾燥地帯での羊・ヤギの過放牧は砂漠化の最大要因になっていると伝えられています。彼らは草を根こそぎ食べる、根まで食べつくすので、自然の回復ができなくなると。日本では、過放牧にはならないし、根元まで食べてくれれば、除草にはむしろありがたい話になります。
これからの夏、元気に働いてくれるのかも。
今年はまだ5月の前半なのに、もう30度を超える日が何日かあります。そんなわけで、もう夏のことが頭に浮かんで来たこの頃です。
0 件のコメント:
コメントを投稿