下仁田自然史館に展示しているものをぽつぽつ紹介してきましたが、
今回は 小さな化石などの紹介を
以前に解説したこともありますので、再登場もありますが、悪しからず。
化石整理をやっていたとき・・・
化石整理作業中 |
下仁田自然史館の校庭には、風にクルクルと落ち葉が舞っていました。
そう、校庭・・・ここは以前は
「青倉小学校」でした。
校庭に舞う「小さな小枝」、それと同じものが、整理中の化石の中にありました。
小さな小枝・じつはケヤキの実がついている |
ケヤキの実 |
兜岩層産出のケヤキ化石 |
茂木伊一さん(故人)が集められ、寄贈してくださった兜岩化石コレクションは、昆虫も含め保存状態のよいものが多数あります。
今、頑張って、同定・リスト作成中です。
小さな化石 ・・・・自然史館にあるものの紹介
顕微鏡を見た時、「面倒くさいなあ」と思いますか、「何が見えるか、ちょっとワクワク」と感じますか? 今年、ノーベル医学生理学賞を受賞した大隅良典さんは、「顕微鏡をのぞいていた時間の長さは誰にも負けない」と言っていたなあ。
自然史館には「顕微鏡で見てね」というものがたくさんあります。顕微鏡の下にあるのは生き物ではありませんが、小さな化石、火山灰の中の鉱物などが見られます。
顕微鏡で小さな化石を見ます |
火山灰に含まれる鉱物を見ます 透き通って宝石のようにきれいですよ |
有孔虫・・・虫? どんな虫?
有孔虫 1650万年前 |
虫眼鏡で見たら、何やら模様が。 有孔虫でした。
小さいからってバカにしてはいけない。
有孔虫は、地層の時代を決めるのに とても役立ちます。
写真の有孔虫について 詳しいことは私にはわかりませんが、海の地層からでています。写真もわかりにくくてすみません。
小さなカタツムリ風に見えました。
フズリナ
とても有名な化石です。これも有孔虫の一種。進化スピードが速く、時代を決めるのに本当によく利用されてきました。古生代という、はるか古い時代に生きていました。
フズリナ(みどり市 小平のものです) |
この仲間は下仁田町でも見つかりますが、数は少なく、きれいなものが手元にありませんので、今はみどり市大間々町小平のものを展示しています。
石(石灰岩)を切って、ガラスに張り付けて、薄くすり減らしたものです。米粒のような形のものの、内部の模様がよく見えます。
虫眼鏡でも結構よく見えます。 ちょっと大きめなので、大型有孔虫。 小さいけど、有孔虫にしては「大型」なので。
みどり市小平のものです |
有孔虫はアメーバが殻をかぶったようなもので、この殻の小さな穴から、アメーバ本体が手足を伸ばして生きていた・・などと説明しているのですけど。
ですから、虫ではなくて、原生動物になりますね。
有孔虫の仲間は5億年ほども昔から生息していて、今でもいる、という”つわもの”。石垣島のお土産で知られた「星砂」は今生きている有孔虫です。石灰質の(炭酸カルシウム)の殻をもっているので、なるほど、石灰岩のもとにもなったというわけ。
フズリナの説明で以前に書いたのは、以下です。
http://geoharumi.blogspot.jp/2014/05/blog-post_11.html
レピドシクリナ
これも大型有孔虫。これも、出てくると時代が決まり、当時暖かかったこともわかるので、とても有名。時代は新第三紀。 ここに展示してあるのは すべて下仁田産です。顕微鏡で見ると、右下写真のように見えます。大きさは、写真のはちょっと小さめかな。3㎜くらいの大きさのものも たくさんあります。
レピドシクリナ 下仁田町産出 写真 中島啓治さん |
黒いのがレピドシクリナ |
化石の入っている石を切って 磨いたものです。石は、石灰岩。
フズリナの入っていたのは古生代の石灰岩ですが、こちらは新第三紀の石灰岩。石灰岩といっても、砂っぽい石です。
レピドシクリナの解説は、以前、のせたことがあります。
http://geoharumi.blogspot.jp/2014/05/blog-post.html
沖縄のビーチの砂。矢じるしの所にあるのは・・・ |
す。関東周辺の海岸とは、ずいぶん違います。
顕微鏡でのぞくと・・・砂粒ではないものが・・
この「砂」に塩酸をかけると、泡を出しておおかた溶けてしまうのです。
さらに顕微鏡で見ると・・・とげとげの付いた粒や、アンパンみたいな形で表面に模様がついているのがあったり(写真の矢印など参照)
小さな巻貝のようなのもあり、これは本当に巻貝かもしれませんが、とげとげのものは、星砂のようだし、きっと有孔虫。”アンパン”も。
サンゴのかけらや貝殻のかけら、それに有孔虫などが混じって「砂」になっているようです。これを見ながら、太古の昔に思いをはせたら、ちょっと身近になるかも。
沖縄の砂も、顕微鏡で見るようにしてあります。沖縄まで行かなくても、有孔虫はみられるかもとは思いますが、具体的には見たことはありません。なお、サンゴや有孔虫は波に洗われて砕けてしまい、小さな白いかけらだけで、元の形がわからない砂浜もあります。
他には、放散虫という、これも小さなかけらのような、とても小さい化石もあります。これは塩酸では溶けず(ガラスのような成分)、時代決定では大活躍のものです。
地球の歴史を解明する小さな化石たちの「実力」、すごいものですね。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~八ッ場ダムの見学に行ったときの話
前回、遺跡発掘の話を書きました。発掘事業団の人に丁寧に説明していただいて、貴重な経験をさせていただきました。この見学会は、群馬の県議会議員が出かけた時に、一緒に参加させてもらうという機会を得たものでした。午前は遺跡、午後は本体工事の始まったダム建設場所の視察でした。
国土交通省としてはあまり来てほしくないメンバーだったことでしょう、入れる場所については、最初からすったもんだの末の当日だったようです。案内は1時から30分間だけといわれていたとかで、ぴたり1時に国交省メンバーは待ち合わせ場所に到着。ぴったり1時半には終わりにしました。入れる場所は、ゲートの中ではありますが、現場を上から見下ろす場所で、普通の人でも入れてくれる場所のようでした。
じつは、ネット上には、ダム工事中のまさにその現場に一般の人が入っていて、岩盤を磨いたりして、「誰でもいけるよ」などと、自称ダムライターが写真付きで楽しそうに紹介しているものが投稿されていました。議員が同じような場所に入ることを希望していたわけですが、「それは特別の時で、工事も中断している時だから入れた」と。
たしか、以前、ダム骨材の砕石を運ぶベルトコンベヤーが通るトンネルの中を視察したいと、これも別の県議だったと思うが、要望しても、あれやこれやで、結局は入れなかったことがあったと聞いた記憶があります。でも、先のダムライターは、そのトンネルにも入って、写真付きで紹介していた・・・露骨なもんですね・・・当然か・・・
国交省の説明は、人当たりの良い陽気なキャラクターの人がにぎやかに説明していたのですが、他に何人か後ろに1列に並んで黙って無表情に控えていました。
めったにない経験をしました・・・
地域の神社
ダムの下流にある神社、松谷神社に立ち寄ったとき、灯篭に、張られた半紙に、墨で黒々と文字が書かれているのを見ました。それぞれ思いを込めて、地域の方々が書かれているのでしょう。
春、秋で貼り替えているのでしょうか。地域の方々の誠実な姿が見えるようでした。
この神社に伝わる踊りは、文化財として大切にまもられているらしく、解説が書かれてありました。
松谷ささら獅子舞 です。
「文化財 一に観賞 二に感動 三に進んで保護しよう」
と書き添えられていました。これを見ただけで、ここの氏子の皆さんのファンになりそう。息づいてきた文化の香り、日々の暮らしを大切にし、生きてきた方々なのでしょう。
灯篭には墨で黒々と書かれた句や言葉が貼られていました。
いくつかを載せましょう
春、秋で貼り替えているのでしょうか。地域の方々の誠実な姿が見えるようでした。
この神社に伝わる踊りは、文化財として大切にまもられているらしく、解説が書かれてありました。
松谷ささら獅子舞 です。
「文化財 一に観賞 二に感動 三に進んで保護しよう」
と書き添えられていました。これを見ただけで、ここの氏子の皆さんのファンになりそう。息づいてきた文化の香り、日々の暮らしを大切にし、生きてきた方々なのでしょう。
灯篭には墨で黒々と書かれた句や言葉が貼られていました。
いくつかを載せましょう
春と秋には張り替えられるらしく、
季節の言葉が書かれてありました。
メモしてあったいくつかを紹介すると
陽春 柏餅 薫風 立夏
天地皆春
「農のうた 詠みつつこの地に老いゆかむ
浅間隠しに日沈みゆく」
「山菜を届けてくるる友ありて
夕餉の卓にあふるる春の香」
季節の言葉が書かれてありました。
メモしてあったいくつかを紹介すると
陽春 柏餅 薫風 立夏
天地皆春
「農のうた 詠みつつこの地に老いゆかむ
浅間隠しに日沈みゆく」
「山菜を届けてくるる友ありて
夕餉の卓にあふるる春の香」
八ッ場ダムのすぐ下流の地域にある神社・・・・貼られた中にある言葉・・・・ ここは残ると 安堵す ・・・こんな気持ちがわいてくる地元の方々、これからも地域の文化を守っていってください。
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