2017年4月10日月曜日

サイカチの木

  校庭の木

 子供のころ、学校の庭に植えられていた木,覚えていますか?
ある時サイカチの木について話題になったとき、私の住む玉村町の玉村中学校の校庭にサイカチがあることを聞きました。
 サイカチってご存知ですか?幹には大きなトゲが束になってはえ、見れば誰でもわかる木です。
トゲはどこにあるの?と聞かれそうなので、一番右に、トゲの写真を載せます。


 葉はアカシアのような形、マメ科の木ですが花はあまりマメ科っぽくない形。
大きなさやの実をつけますが、それを水に入れると泡立って、石鹸の代わりに使ったという話は、今回初めて知りました。
 宮沢賢治の風の又三郎の中で、子供たちが川で遊ぶ場面で、サイカチの木の所から川に飛び込んで・・とかいった場面があって、この木の名前を覚えた記憶があります。
サイカチは川沿い、沢沿いによくはえるのです。

 八ッ場ダム関連で道路建設となった時、予定地にサイカチがあり、大学の先生などから、貴重なので切らないでほしいと要望があったと、地元の人が言っていたそうです。
八ッ場ダム地域が故郷で、地域の自然をよく知り、都市部で中学校の先生をしていたという方が、「玉村の通知表はサイカチという名前だよ」と言っていたとも聞きました。
「へー、そうなのか」さっそく知人に聞くことにしました。
 玉村在住でこの地域で先生をした人に、親しい人が何人かいます。女性ばかりで、60歳代の人(Aさん)、80くらいの人(Bさん)、91歳?の人(Cさん)。皆さん、玉村小学校か中学校に勤務したことがあります。電話でちょっと聞いたけれど、はっきりしないので、Aさん,Bさんと3人で集まっておしゃべり。

  • Bさん「通知表じゃなくて、学級通信じゃないの?Aさんのお母さん(やっぱり教師をしていた)が出していた学級通信の名前がサイカチだったような気がするけど。だいいち、私が勤めていたころ、通知表はなくて、それぞれの考えでいろいろ出していたのだし」

 ーーー通知表がないってきいたら、びっくりするでしょうね。実は私も小学校では通知表はなかった。うそでしょう、なんていわれるけど、ホント。ーーー

  • Aさん「母の出していたものは知らないんだけど‥でも、うちの息子の時は(玉村小学校に通った)通知表はあって、たしかサイカチだったと思うけど」 

 現役でないから、今の学校の通知表なんて知らないわけで、まだるっこしい話をしているわけです。

  • Bさん「あの木、本当は大きい木だったの。それがあるとき、夏休みが終わったら、途中からばっさり切られてた。教室が暗くなるから、だって。でもね、あの木の一番近くの教室は私のクラスだったし、暗くなんかなかったのに。教師に何の相談もなく、校長とPTA会長で決めて切っちゃったんだから。」 
    指折り数えると、どうやら33年前のことらしい。なお、今の校舎は、少し離れたところに作られている。

   私は、樹勢が衰えて切ったのかと思いました。違ったんですね。
   最近なら、「教師に相談もしないで」なんて、「何言ってんの。そんなの当たり前じゃない」と言われるのじゃないかな・・

  • Aさん「それどころか、10年位前なんか、切り倒すという話だった。予算までつけていて。なぜかというと、トゲがあって危ないから、と。係の人にその話がいったとき、その人から”ねえ、あの木、明治のころからあったとかいう人もいて、ああやって植えたのだから、何か由来があるんじゃない?切っていいんだろうか”と相談があってね。校長に言ったら”Aさん、あのトゲ、危ないじゃないですか。目でも突いたらどうするんですか”と。でも、学問に関係した言い伝えがあるとか何とか調べてきた人がいたりで、いつの間にか立ち消えになったんですよ」

    大学の先生とかに、サイカチは大切な木だとか言ってもらおうか。切ったりしない方がいいよ、って・・・などと話していました。でも、あとから聞いたところでは、今、玉村小学校では、子供たちはこの木が大切な木だとみんな知ってるよ、とのことでした。確かにトゲは危ないし・・・周りに生け垣を植えていますね。
  • Bさん「私の子供のころなんて、カラタチの生け垣があって、そこで遊んでたよねえ」  そうそう、サイカチどころじゃない、それこそ防犯に役立ちそうなトゲの藪のような木だよね。北原白秋の詩、山田耕作作曲の「カラタチの花が咲いたよ・・白い白い花がさいたよ・・」なんていう優雅な感じじゃないよね。
ここにはハルニレの大きな木もありました。水上などまで行けばありますが、この辺りにはない木です。きっと昔、木や生き物が好きな先生がいて植えたのではないかな。大切にしてね。なお、ハルニレはエルムとも言います。北海道大学のキャンパスにたくさんあって有名ですね。「エルムの森」なんて言います。そういえば何年か前、老木となったエルムを、危ないから切り倒すか、切らないかと、問題になったことがありました。
玉村小学校のハルニレ 

ハルニレの花

 Cさんのお宅にサイカチの木があった。大きくなっていてトゲトゲで、なんでこんな木を植えるんだろうと思っていた。その木は、中之条の道端にある県天然記念物の大木の子供だと聞いたことがある。
CさんはAさんのお母さんとも知り合いだし、サイカチという学級通信なども本当にあって、サイカチという木に愛着を感じたのかも、などと想像しました。
お会いして聞きたいなあ。





ところで、サイカチは群馬県では絶滅危惧種。しかも、調べたら絶滅危惧Ⅰ類で、ランクが高い。私はもっとランクの低い準絶滅危惧種と思っていた。
絶滅危惧等に関係している方に聞いたら、八ッ場ダム関連で切ったサイカチは、挿し木をしているという話。
サイカチは性が複雑で、雄花雌花があるのですが、雄木雌木になってしまうこともあって、八ッ場の木は、雄木で種をつけないため、挿し木に頼るのだとか。
サイカチの実
「玉村にはえてますよ」と言ったら、「見に行きます!」と。小学校校庭のものでなく、河原にはえているもの。あらためてよく見たら、すぐに8本見つかりました。種も落ちています。大切にしましょうね。

なお、私の小学校にあったみんなが覚えている木は大きなサルスベリ。記念写真はいつもその木の前でした。学校が別の場所になった時、わざわざ移植していました。でも、老木は移植難しかったろうな。あまり目立たなく、小さくなって、とにかく生きています。

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下仁田の川沿いに、早春の花が咲いていました。
早春の可憐な花たちです。
コミヤマカタバミはあっという間に散っていしまうので、出会えてよかった。昨年はもっと早い時期でも、散ってしまっていました。

コミヤマカタバミ

コミヤマカタバミ

ヒゲネワチガイソウ
エイザンスミレ

アオイスミレ
    ミヤマキケマン


    3 件のコメント:

    1. 「サイカチの木」見たことある様な、ない様な、自信がありません。今度、探しに行って見たいです。川の近くに住んでますので、すぐ見つかりそうな気がします。と思っていたら、今日は一日中雨降り、、、最近雨が多いなー、これも温暖化の影響かと私の思考回路は固定されています。
      カタクリの花を食べる地方もあるとか、日本人は季節感を大事にして暮らして来たのですね。
      ー地歴好きおばさんー

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    2. サイカチ、残念ながら近所では 見つけられませんでした。次はもう少し遠くまで行ってみたいです。今日の夕方、今年初のコウモリ飛んでいるの見ました。暖かくなって出て来たようです。

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      1. サイカチって、群馬では絶滅危惧Ⅰ類ですから、すごく少ないと思います。国では指定されていないので、全国ではそれなりあるのかな。もし見つけたら、博物館や大学などに報告したら喜ばれると思いますよ。植物や動物が絶滅危惧種かどうかは、「日本のレッドデータ検索システム」で調べられます。

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