下仁田町にある石灰の工場をみんなで訪ねました
工場全景 |
石灰石を原料に、炭酸カルシウムを製造している工場です。
この企画は白石工業の皆様のご理解とご協力により実現しました。ありがとうございました。参加くださった方は47名で、この皆様にも感謝です。
町はずれにある、なんだかよくわからないそれほど大きくもない工場・・・・・?
つくっているという炭酸カルシウムって何? などといった調子で、どうにも馴染みがない・・・
それが、お話を聞いて「へえ~」という気分に変わったのです。さらに、昔の施設も残されていて、それを見るのも興味深いものでした。
地元出身の方は「いつも見ていたのに、知らなかった」と。ここで働いていた方のお話もうかがい、懐かしむ地元の方々もいらっしゃいました。
そんな声の一部は、以下のブログ、「ひとりごと~気の向くままに」に
紹介されています。
ここは1932年(昭和7年)操業開始といいますから、長い歴史を持つ工場です。斜面に立つ工場は、その背後の山と向かい側の石灰岩の山を崩し原料として利用してきたわけです。
古い施設も残っています。炭酸カルシウムの粉を乾燥させるための建物など。
今と違って、昔は自然の力に任せる天日乾燥です。下仁田町の気候は乾燥に適していて、それがこの地に工場が立てられた理由のひとつです。まずは、その写真を紹介します。
乾燥施設の前で、みんなで記念撮影
こんな建物が100棟を超えてあったということです。
奥にある木組みの見えている乾燥棚は老朽化で危険なため、
今年取り壊すとのこと。
昔は吹きさらしの木枠の棚に、木箱に入れたぬれた炭酸Ca(カルシウム)の粉の塊を、人の手で運び上げて乾燥させたわけです。重労働だったことでしょう。
こういった施設が今後保存されるかどうかもわかりませんので、写真をいくつか載せてみます。
トタンで囲った施設は、建物の下の部分は広々とした空間になっていました。内部が物置にでも使われたのでしょうか。
工場敷地の外に向かうと、石灰の岩壁が見えてきます。昔はこの山の下を通る道は石灰岩の岩が覆いかぶさっているようで、子供たちが「こわいから、さっさと通り過ぎよう」と言っていたそうです。
工場では石灰岩の山を発破で崩し、使いました。浅間山が小噴火をしていたころには、
「発破の音か、浅間の噴火の音か?」などと言いあった、そんな思い出もあるとか。参加者の方が話されていました。
なお、工場の敷地は許可なく立ち入ること禁止です。
道路から、下のような乾燥棚の姿が見えます。
現在稼行している工場内を案内していただきました。貯水池や脱水設備・乾燥設備など説明していただきました。
なお工場内は撮影禁止ですので写真はありません。
外を見れば、かつて電力を得るために作った水力発電の跡なども見えます。興味のある人には「ワクワクする」ものでしょう。発電のための水の流れのあることも、この場所が工場立地に選ばれた理由の一つです。
建てるにあたり、製品運搬のできる鉄道があるなど、いくつもの条件を考えて、この場所を選定したとうかがっています。
今回、最初に炭酸Caの説明や、ちょっとした実験をしていただいています。
石灰といえばセメント、コンクリートが思いうかびますが、ここの製品はもっといろいろなものに使われているのにびっくり。
「生活に欠かせない、いつもお世話になっているモノじゃん」という投稿が、それを一言で表わしていますね。
一番みんなの印象に残ったのが、「食品に使われている」ということかもしれません。飲み物、ビスケット、カップラーメン・・・それから、以前伺った話では、グミにも、またカマボコのあの弾力を作るにも・・。他にも様々、タイヤのゴムを硬くするのに使われ、紙、インク、プラスチック、シーリング材等々・・・。知らなかったなあ。
細粒の粒子を作る技術を持っていて、国内で生産を続けています。石灰岩は、今、国内で自給できる地下資源なのです。
ちょっと実験を ・ 炭酸カルシウムの性質を知ろう |
ここで働いていた方、堀越明子さんのお話も伺いました。工場のすぐ前で生まれ育ち、昭和24年から37年までここで働かれたそうです。当時の写真も整理されてお持ちで、いくつかを資料として紹介させていただきました。
工場には石灰の製造過程で発生する熱を利用したお風呂があり、いつでもお風呂にはいれたとか。従業員の方はもちろん、周囲の家の人たちも、顔パスで入っていたり。
旧青倉小学校に二宮金次郎像や書籍を寄贈したりと 地域貢献も |
ご家族が働いていらしたという方からも発言があり、昔の写真を披露してくださる地元の方もいて、貴重なお話を聞くこともできました。工場主宰の運動会もあり、楽しみにしていたという方もおられました。
小沢岳 写真を撮らなかったので 以前の写真です。当日はよく晴れて、 青空で、もっと素敵に見えました |
下仁田自然史館からこの工場まで、2kmちょっとの距離は、正面に「群馬のマッターホルン」と呼ばれる小沢岳が見え、道脇にある石垣には植物も育ち、それを見ても楽しいものです。植物の研究者、里見哲夫氏のお話も聞くことができました。道沿いには青倉川が流れ、地元の方は「ここには水車がまわっていたんだよ」など、あれこれお話がありそうです。
よく晴れた日、多くの方々のご協力で、楽しい時間を過ごさせていただきました。ありがとうございました。
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