2020年1月21日火曜日

オリオン座が大変?

オリオン座の中の星のひとつが、
  今、天文ファンの間で、話題沸騰だそうです

星の名前は ベテルギウス
今、この星が急に暗くなっているのだとか。
 2019年の10月以降の話です。まさにホットな話題。
 さっそく空を見上げたものの、普段の明るさがどの程度かわからない・・・1等星だったと思うけれど、という程度の認識なので、どれくらい、暗くなったのか、わからないのです・・・
 12月には10月の半分の明るさになり、全天で10位の明るさだった星が21位の明るさになったなどと、ネット上には書かれてありました。(日本で見える星で21位?世界中で21位?…そんなことも知らないけれど、調べるのも面倒で、まあ、いいか・・・)
  ところでこの星、もともと明るさの変わる星ではあるのです。でも、今までにないほど暗くなっているとか。いったい何が起こっているのか・・・

 この星は膨張したり縮んだりを繰り返していて、それで明るさが変わる星なのだとか。何だか不安定な感じ。縮んだとき明るくなり、膨らんだとき暗くなります。なるほど、”やがて爆発か”も納得。
 

 「もしかしたら、爆発する?  超新星爆破か」と、目が離せないという人たちがいるようです。天文学者は、「爆発するのは明日かもしれないが、何万年もあとかもしれない、それくらいのスケールで考える話」と、冷静のようです。
どうやら爆発する運命にあることだけは、確かのようですが。
  さすが宇宙、時間スケールも大きい。

超新星爆発? 星の大爆発です。有名なのが「かに星雲」誕生の時の爆発。その記録は日本や中国の文書に書き残されています。
 1054年、藤原定家の記した明月記に「客星が現れ、昼でも輝いていた」といった記述があるとのことで、そんな話、たしか高校の時、授業で聞いた。
そうか、星雲というのは星の爆発した後の残骸なのか、などと思ったわけです。
天文ファンにとっては、いえ、誰にとっても、「もし見られたら、すごい」といった天空の大事件に間違いない話なのです。

右側の4つの星とその中に並ぶ
3つ の星がオリオン座の星。
天高く、南の空に見えるときの姿
ところで、オリオン座って、超有名な星座です。小学校の理科の教科書にも、中学校の理科の教科書にも載っているし、とてもみつけやすい星座で(3つの星が並んでいる)、冬の澄んだ空気の中で明るく輝くので、よく見えるわけです。
とはいえ、皆さん、本物の星座をよく見たことあるでしょうか。ベテルギウスがどの星だか、わかるでしょうか。
「バカにしないで」と言われるかもしれませんが、でも、案外知らないかも。私も、あれ、どれだっけ、などと思ったり。
中学校の理科資料集の図を載せてみます。
最近のものを持っていないので、もう20年も前の本の図ですけれど。

 12月や1月なら、夜の早い時間に東の空を見れば、オリオン座が地平から昇ってきています。シリウスも輝いています。夜中になれば同じ星が天高くに見えます。太陽と同じように東から昇って西に沈むわけです。子どもたちもこんな経験をすれば、「星の動き」などという理科の話も、すぐに理解できるのでしょう。

以下は、東・南・西の空の、星の動きの図です。
   これは星が動く軌跡をなぞったものです。星は矢印方向に動いて見えます。
一番左が東の空、真ん中が南の空、右が西の空。オリオン座の形を書けばいいのにと言われそうです・・・
自分で描ければいいのですが・・・
東の空に見えるときは、オリオン座はちょっと横に寝ていますね。

こんな機会に、オリオン座を見てみませんか。

 ベテルギウとリゲルという星が有名で、赤みがかって見えるのがベテルギウス、青みがかって見えるのがリゲル。星の色は重要な情報で、温度がわかるし、そこからさらにいろいろなことがわかってくるというのです。
大人の人も、きっと昔勉強したのですが、そんなこと、忘れてしまいますよね。
下の図は、中学生の参考資料集に載っていました。
へ~、中学生もこんなこと勉強するのだ・・
 図がぼけていますが・・・赤い星ベテルギウスは大きくて、表面温度3000度くらい(グラフの横軸は、右に行くほど数字が小さいので、要注意)。これ、星の中では低温。赤色巨星というグループ名までついている。
一方青い星リゲルは小さくて、温度は1万度を超える高温

グラフでは、いろいろなタイプの星が何やら意味ありげに並んでいる。
これ、星の一生を表しているという図です。


もう少しわかりやすそうな図が以下です(高校の教科書からとった図)。星の一生をタイプ別に表しています。
これを見ると、星の一生は重さによって決まってくる。重い星(質量が大きい)ほど、最後が派手に大爆発をするような・・・で、ベテルギウスは大きくて重い星のタイプ。
今のところ、脈動変光星というステージにいるとのことで、0等星から1.3等星付近で明るさを変えるとか。(ちなみに、数字が小さいほど明るくて、太陽は―26.7)。


それにしても、よくまあ、こんなことがわかるものですね。そのことにも、感心してしまいます。



幼い頃(小学生)の、こんな記憶があります。
 夜、父と外にでたとき、父が「あ、北斗七星だ」と、空を指さしたのです。
一緒に空を見上げた夜空には、のびのび大きく描かれた北斗七星が輝いていました。星座の勉強はしていたはずですが、実際の夜空を見ておらず、星座の図を見て、なんだかごちゃごちゃしたもののイメージしかなかったわけです。「北斗七星ってこんなに空に大きく描かれているんだ」と、心に残ったのでした。
 多分、小学生でも低学年ではない頃のことでしょう、そんなことも知らなかったのと言われそうですが、知らなかったのです。その時の広々した印象がこころよく、こうして今になっても思い出せるのでしょう。

星の動きなど理解するのは難しいけれど、夜空を仰ぎ見てロマンを感じるのは、誰でも味わえることで、どこにいてもできる話。お金もかからないし。
1月も半ばを過ぎた今、夜7時前に、もう、オリオン座は地平を離れて、東の空を飾っています。
~~~~~~~~~

ところで、こんな歌、歌ったことありますか。
今の若者・子供たちは、聞いたことあるのだろうか・・・
 冬の夜空を、とても素敵に描いていると思うのです。
   「舞い立ち」「さざめく」「北斗の針」 「星座は巡る」
         こんな言葉が、星たちに命を与えています。

  オリオン座やスバルを探してみたくなりませんか。

冬の星座

1.木枯しとだえて さゆる空より
  地上に降りしく 奇(くす)しき光よ
  ものみないこえる しじまの中に
  きらめき揺れつつ 星座はめぐる

2.ほのぼの明かりて 流るる銀河
  オリオン舞い立ち スバルはさざめく
  無窮をゆびさす 北斗の針
  きらめき揺れつつ 星座はめぐる
  

2020年1月15日水曜日

ぐんまの自然の「いま」を伝える 展示会が開かれています



自然に親しもう、自然を調べよう
       ということで、
群馬県内で自然にかかわる人たちが、毎年の活動のようすを発表しようという催しが、今開かれています。会場は群馬県立自然史博物館です。

「へえ~、こんなことがあるんだ」といった自然情報がポスターなどで展示されています。「サクラなどの幹にはいりこんで枯らしてしまうカミキリムシの情報」とか、「シカやイノシシが畑を荒らすというけれど、被害は?」「クマの生息状況」などちょっと身近に感じるものもあります。高校生も参加していて、頑張って発表しています。
1月11日は基調講演や口頭発表もあって、発表者の多くが参加していて、交流もあるといった趣向でした。

レース模様のキヌガサタケ、
一度見たことがあるなあ
子どもづれや
ふらっと来られた人たちに人気は、たくさんのキノコ。前橋にお住まいの方がつくられたものとのことです。

作者はキノコの専門家ではないけれど,実に精巧につくられているとのこと。キノコのテーブルには、キノコのお絵かきコーナーもあり、子どもたちが喜んでお絵かき。記念の写真撮影コーナーもあって、喜んで撮影する姿が見られました。
描いた絵は壁に貼るわけです。

とにかくたくさんのキノコ
楽しませていただきました。
     




今年は「巨大キノコが発生!」とテレビのニュースで見ていました。
そのキノコの写真と、実物を標本にしたものも展示されていました。標本にすると大きさは2/3ほどに縮んでいるといいますが、それでも大きいものでした。
  下の写真です。

 
子どもたちに人気の動物たちのはく製も置いてあります。


熱心に発表ポスターを見る方々 




    私たちも紹介発表をしています。
下仁田町で見つかったチャツボミゴケについてです。

展示のようす

鉱山から流れ出す水から鉄分が沈殿し
葉やコケにびっしりとくっついています





鉱山の坑口から流れ出す水にチャツボミゴケが育っています。この水がと同じくらいの酸性度の水というものです。
ここには鉄分が沈殿して、周囲は鉄鉱床の始まりといった現象が見られます。鉄分にまみれた木の葉やチャツボミゴケが見られました。
 ところが、秋の台風19号の大雨で、なんと、流されてしまった・・・また復活するに違いないと、これからも観察を続けようというものです。

自然に親しむことで、自然を大切に思うようになります。自然を伝える博物館を、皆さんもを訪ねてみませんか。
私も、少しは紹介を続けようかと、あらためて思った次第です。

なお、この会場は無料で入れます。本館の展示は入場料が必要です。