コロナの感染状況は、災害級と専門家が訴えている。
インドで広がったラムダ株は、その感染力の強さで多大な感染者をだし、伝わるンドの状況に戦慄を覚えたほど。多くの死体を焼く光景、呼吸困難に必要な酸素が手に入らず、混乱する様子・・・
ところが人口当たりの感染者数を見れば、東京はもう、インドと同じ状況だと専門家が警鐘を鳴らしているのに、「あおらないで」などと言って、「大丈夫」と思わせようとばかりしている人たちがいる。そして、政府は何も対策を打たない。腹がたつ。
身近に感染者を見ることがない、病院のようすなどわからない・・・自分はかからないと思っている人が多数・・・
そんな状況じゃない、水害だって、数年前には思ってもいなかった事態が、あちらでもこちらでも起こっている・・・災害の少ない時代がしばらく続き、科学技術のおかげで世の中次々”よくなって”、出来ることが増えていくのが当たり前、なんて思っているのは、世の中を見る目が曇っている。
あまりのことに、一言書かずにはいられない。
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こんな時に花の話をするのも、何だかそぐわないかなあ。
大雨が降っていて、九州や広島、いえ、もっと広く災害が心配される状況。毎年こんな状況、これは地球温暖化の影響としか言いようがない。
かつて氷期が終わった時、北方系の生きものは北方へ逃げるか、山を登るかして生き延び、山に登った植物は高山植物として美しい花を咲かせて、私たちの目も楽しませてくれる。でも、これから気温がどんどん上がったら、しかも、気温上昇のスピードが速すぎるわけで、生きものが環境に身体を合わせて進化する、適応する時間がない・・・
生き延びられない者たちがたくさんでてくるのでは…何とかしてそんなことのならないように・・・
自然を見る目を養うと、自分のことしか考えない為政者の姿を見抜く力を養えるかもしれない。コロナに感染しませんように、そして、こんな自然を気持ちよく味わえる世の中になりますように。
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三国山とその周辺の植物たち
サワグルミ |
*三国峠から登山道を登り始めると、ひんやりした沢の水の流れと大きな木が迎えてくれます。少し登れば水場もあり、冷たい水がのどを潤してくれます。サワグルミやトチノキの大木が見事な森をつくり、水場近くにはカツラの大木も育っています。
(写真は三国山以外で撮ったものもあります)
サワグルミ |
ブナの芽生え |
双葉を開いた芽生えの中に、種のはいっていた殻斗(栗のイガのようなもの)を頭に載せた、まるで帽子をかぶったような芽生えがありました。
山道を登りながら |
*三国権現からさらに登り始めると、視界が開け、気持ちの良い光景が広がります。背の低いツツジの仲間などがはえ、お花畑となる草原やチシマザサの原が広がります。岩盤に張り付くように育つツツジは、水にも肥料分にも乏しい環境に育ちます。私たちにとっては周囲が見渡せて気持ちの良い場所ですが、そこに育つ植物にとっては,厳しい環境に生き抜けるものだけが育つ場所となっているようです。
オノエラン 岩陰にひっそりと |
*多雪で知られるこの地域、冬には大量の雪に閉ざされます。
雪は斜面をずり落ち、植物の生育に大きな影響を与ます。
この付近は冬の季節風が山を越えるでしょうから、この風も植物たちに大きな影響を与えるでしょう。そういう意味でも大きな木は育つのが難しく思えます。目の前にはササや草原の光景が広がります。
標高1600mほどの三国山は、標高から考えたら山頂に大きな木がはえても不思議はないでしょう。大きな木が育つことのできないわけのある山と言えるのではないでしょうか。
三国山から北方向に続く平標山(たいらっぴょう)で、低い背丈の草や木の山の姿を見てください。標高は2000mないのに、背の高い木は育っておらず、稜線を伝う登山道が見えます
美しいお花畑もそこここに見られます。
*三国山の山頂付近は石のガレ場が見られます。ガラガラと崩れる割れた岩石片は常に移動し、植物のはえるのを困難にしています。限られた植物たちがところどころに見られます。
平標でも同様な場所がみられます。
ジョウシュウオニアザミでしょうか? |
日本海側と太平洋側の植物
*雪の多い日本海側地域には雪国に適応した植物がみられます。日本海要素とよばれます。大雪に適応して背丈が低くなったり、太平洋側の植物と似ているものの少し違っていたりと、いくつかのタイプがあるようです。群馬県では大峰山から草津白根を結ぶ線よりも北側がこの植物の育つ地域になります。ですから、みなかみ町では大峰山付近を境にして、日本海型・太平洋型の両方の植物が見つかります。
この境は、積雪50㎝以上、あるいは積雪日数100日以上にひかれています。
ミヤコザサが育つ境目付近をミヤコザサ線とよんでいて、境目は、ほぼこの付近になるそうです。
三国山は日本海型。ていねいに見ていくと、いくつもの日本海型植物が見つかります。三国山周辺に見られるものを少しあげてみます。
スミレサイシン 春早く咲きだします |
ナエバキスミレ かな? |
オオバクロモジ ハイイヌガヤ エゾユズリハ
ケナシヤブデマリ スミレサイシン
ナエバキスミレ タニウツギ シラネアオイ サンカヨウ イワナシ
オオイワカガミ チシマザサ
なお、ブナも太平洋側のものと比べ、葉が大きくなっています
エチゴキジムシロ かな? |
他にもいろいろあるでしょう。日本海型には エチゴキジムシロ オオコメツツジ
エゾアジサイ オクノサワフタギ などの名前もあげられています。三国でみられたキジムシロやコメツツジ、サワフタギは日本海型なのでは。確認したいですね。
須藤志成幸さんのまとめた 日本海要素の植物
いくつかのタイプがあり、たくさんの種類がある
①かつて広く日本に分布していたものが、多雪条件に適応して変種や独立種になった
日本海側多雪気候に育つ(太平洋型気候に育つ)の順で書きます
スミレサイシン(ナガバノスミレサイシン) ヒメミヤマカラマツ(ミヤマカラマツ)
タニウツギ(ニシキウツギ) エゾアジサイ(ヤマアジサイ) チシマザサ(スズタケ)
オクノサワフタギ(サワフタギ) トウギボウシ(オオバギボウシ) オオバキスミレ(キスミレ)
ナエバキスミレ(キスミレ) エチゴキジムシロ(キジムシロ) オオイワカガミ(イワカガミ)
トリアシショウマ(アカショウマ) イワウチワ(カントウイワウチワ) その他
エゾアジサイ ブルーが鮮やか |
タニウツギ 園芸種かと思うような鮮やかなピンク色 |
オオイワカガミ かな・・ |
②多雪で木が圧伏型になった
エゾユズリハ(ユズリハ) ハイイヌガヤ(イヌガヤ) ミヤマナラ(ミズナラ)
オオバクロモジ(クロモジ) ハイイヌツゲ(イヌツゲ) ケナシヤブデマリ(ヤブデマリ)
ツルシキミ(ミヤマシキミ) マルバマンサク(マンサク)
など
③近畿以西では日本海・太平洋両方に分布するが、東日本では日本海型気候区に限られる
クロズル アカミノイヌツゲ アクシバ タムシバ など
④古いタイプの日本固有の植物が、多雪条件で残った…雪は布団のようになって冬の寒さを防いでもくれるので
シラネアオイ イワナシ サンカヨウ オオバツツジ など
オオバツツジは三国峠や清水峠にたくさんあるそうです
*その他 北方系の生き残りとか、いろいろ
カラスシキミ ナンブアザミ コバノフユイチゴ オニシモツケ
ナガハシスミレ モミジカラマツ ベニサラサドウダン オオイタドリ
カラスシキミ |
コバノフユイチゴ(マルバフユイチゴ) |
コバノフユイチゴ(マルバフユイチゴ) |
コバノフユイチゴはとても美味しいですが、
カラスシキミは有毒です。
一部をあげただけですが、たくさんありますね。
山に行っていつも普通に見ているものが、多雪地の適応種だったのかもしれません。見ていても、写真撮ってないものもあり、写真にあげただけでなく、もっとたくさん目にします。
ナガハシスミレ |
ナガハシスミレは花の後ろの筒が
長いですね。
群馬では三国付近にしかないようです
こんな花たちと、いつまでも会いたいですね。
高山植物を取っていく不心得者もいます。努力して環境に適応して生きる場所を確保して生きているわけです。やめてください。
いつまでも、こうしたステキな光景が壊されずにありますように。
長い歴史を、厳しい環境を必死に生き抜いてきたものたちなのです。
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