2016年10月31日月曜日

身のまわりの草の実・木の実 

道ばたの実

秋らしい日、不順な天候が多かったので,晴れるとうれしい。
近所を小一時間もあるいたら、いろいろな実が目につきました。
庭先の柿はなかなかいい光景ですが、今回は野のものを紹介。ちょっと地味ですが。
               

 

つるのもの

気に入ったのは 灌木に絡みついた
 アオツヅラフジ  右の写真です。
 そこで一枝採ってきて、花瓶に飾りました。

よく目にするのは ヘクソカズラ    
どうしてそんな名前つけたのと、いつもいわれます。花もなかなかきれいだし、実も よく見ると味わいあるのに。 
 お地蔵さんの周りを囲っているのは ヘクソカズラの実です。
   
ヘクソカズラ  

絵手紙は小林生子さん
 この絵、もう20年も前のものだったかなあ・・



ノブドウ
ノブドウは写真がパッとしなかったので、絵で。
高尾山にトンネルを掘るという圏央道の計画に反対し裁判が起こされましたが、そのおり、支援団体の作った絵葉書の絵です。高尾山はミシュラン日本編旅行ガイドで、富士山と並んで三ツ星をいただいたと、このとき広く知られました。今、トンネルは開通してますが・・・
いかにも自然が好きな人たちらしい、小さな自然を切り取って描いた、植物などの絵がありました。

 どこにでもあるノブドウ。ノブドウの実には虫が卵を産んで、多くの実が虫こぶ状態だと聞きますが、はて、どれが虫こぶか・・・青や黄色がかった実は全部虫こぶだと書いてあったりしますが、卵を産みつける昆虫の名前も、本によって多少違ったりで、本当にわかっているのかなあ・・
 ある家具屋さん、店内の一輪挿しにいつも小さな野の花がいけてあり、見るのが楽しみという文章を読んだことがあります。たしかノブドウが載っていたような記憶。私も野の花を一輪挿しに・・と思いつつ、なかなか実行できていない。

くっつき虫

憎き くっつき虫 センダングサ
こちらは、秋の野の嫌われ者センダングサ。とにかく、服にくっつく。
「たかりもん」と呼んでいましたが、くっつき虫のほうがポピュラーかな。これ、空き地にいっぱいですね。

この仲間にもいくつか種類があります。
センダングサ・コセンダングサ・コバノセンダングサ・アメリカセンダングサ その他変種のシロノセンダングサ・コシロノセンダングサ 等。
ちょっと調べたら、知ったかぶりできるかも

      子供が投げて遊んだひっつき虫なら、これ。
                  オオオナモミ ➡
見かけなかったので、借り物の写真ですが。
これからマジックテープを考えついたという、自然の仕組み・知恵の利用の一つとして、有名。

他にもくっつき虫はいろいろあります。あまりありがたくない者たち。外来種も多い。でも、身近ですね。

ひらひら風に舞う

 小枝? いいえ、これが風に舞って、種子を運びます。
よーく見ると、葉っぱの付け根に小さな種子がついています。
ケヤキの種子です。
ちょっと地味ですが、今頃たくさん落ちているし、木にも、こんなのが下がっています。


  下はアオギリの実。風に乗ってフワフワ。
昔は比較的見かけ、我が家の敷地の隅にもありました。
広島で被爆したアオギリに実った種から増やされ、「被ばくアオギリⅡ世」として、各地で植えられているということです。安中でも植樹されたと、新聞で見たことありました木は右写真のように大きくなります。実がついています。茶色い部分です。

 


カエデは2枚ばねのプロペラで「飛ぶと思っている人が多いかもしれません。
左のように、1枚でひらひらクルクル飛びます。
山にあるメグスリノキの種子は大きいですね、
とりに行きたい、などと思うのですが、また今年もそのままかな・・

ムクロジ

 面白い実を一つ

お寺や神社などに植えられているムクロジの実。きれいで、つい拾いたくなります。中の黒い種子がカラカラ音を立てます。ペットボトルに水を入れ、この黄色い皮を入れて振ると、見事に泡立ちます。せっけんの代用です。これで衣服を洗うと、子供が清潔になって病気にかからないから
無患子と書くとか・・・俗説かな?
そろそろ、実のシーズンも終わりです。
群馬では野生のものは無く、人が植えたものになります。

  そうそう、ムクロジの中にはいっている実、羽根つきの羽の刺さった丸い部分に使いました。絵手紙では白くなっているので、これを黒くして、説明に使おうかな。

次は
やがて風に乗っていく小さな粒、袋の中で、今成熟中。言わずと知れたスギの花。

 左が花粉の袋…これが雄花。右の写真のまん中あたりの少し膨れたのが雌花かな・・・・ これがやがてスギの実になります。松ぼっくりみたいなものですね。中に種子が入っています。
花粉症の人、今ならまだ花粉大丈夫ですから、憎き相手を
まじまじとご覧あれ。



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なんだか図鑑解説のようになってしまいました。とりあえず、近所の道端付近にあるものです。     以前に紹介したものも、あったかも。

最後は絵手紙で、秋の気分を。絵手紙は小林生子さん  
  だいぶ前の絵で、書いた本人には申し訳ないのですが
 






 

2016年10月24日月曜日

トコロジスト・・・ある場所の専門家

トコロジスト って・・・

1か月ほど前だったでしょうか、朝日新聞の天声人語に、「トコロジスト、この言葉知りませんでした」といった出だしで、紹介の文章が載りました。
ご存知でしょうか、この言葉・・・・・普通、知らないですよね。
多分、十数年前に新しく勝手に作った言葉ですから。
    意味は・・・「所(場所)」+「ジスト(専門家)」…場所の専門家。

たまたま私は以前からこの言葉を知っていました。浜口哲一さんという、平塚市博物館職員の方が提唱したものです。地道に自然観察会を行っていた方で、この方の言葉に、「なるほどな」と思っていたからです。トコロジストについて2007年に書かれたのが、(ちょっと長いですが)、以下です。

「私が最も苦手とする質問は「あなたのご専門は?」と聞かれることです。仕事柄、いろいろな生きものについて広く浅く扱ってきたので、「鳥の専門家」とか「鳴く虫の専門家」と名乗ることにどうも躊躇を感じてしまうのです。
   中略

そんな気持ちでいたところ、ふと気づいたのは、何も学問分野や分類群だけが専門家の尺度ではないのではないか、「ある場所の専門家」という存在があってもよいのではないかということでした。私でいえば、「平塚の専門家です」と宣言したらどうだろうと思いついたのです。考えてみると、地域の現状を把握したり、その将来計画を立てるというようなときに、さまざまな分野の専門家の力はもちろん不可欠ですが、その土地について隅々までよく知っている人も大きな役割が果たせるのではないでしょうか。
 トコロジストは、その土地の専門家ですから、地形地質や動植物はもちろん、歴史・名所旧跡・民俗伝承などにも関心を持ち、さらには土地の所有関係や法的な位置づけ、行政による将来計画などについても積極的に情報を集めるとよいでしょう。何よりも、自分の足で常に歩き回り、実際の状況を把握するのが大事なことです。一人で何でも調べるのが難しいときは、得意分野を受け持ちながら、トコロジスト集団をつくっていくという発想も必要でしょう。
  埼玉県の自然観察指導員・小見寺公一さんは、会報特集の中で「地元のことは幅広く知っており、そうした視点から人に伝えたり、行政に意見を言う」と述べられています。これは、まさに私がイメージしているトコロジストそのものの姿ではないかと感じました。」   会報「自然保護」より

  
こんなことを紹介したのは、ジオパークガイドというのは、本来こういった役割を持つものではないかと、ふと思ったからです。観光客を呼びこんで地域活性化のお手伝いをするもの、と行政から見られているだけなら、数年もしたら、熱意も失せる?まあ、気の合った人でもいれば、それが楽しいから続く・・・。
でも、だいいち、今時そんなに簡単に観光客なんてやってこない。

下仁田という場所に行ってみて思ったのは、自然も人の歴史も、たくさんの財産のある地域なのでは、ということでした。でも、いくら財産があってもその価値を知り、伝え広めなければ、忘れ去られて埋もれてしまいます。現在の産業界にとっては、細やかな自然やら人の歴史には価値はないでしょう。平坦地で大都市に近いほうが利益を上げやすいことでしょうから、山がちの交通の大動脈からはずれた場所は、一般的には不利とみられるでしょう。どこからか仕事がまいおりてくることはめったなことではないでしょうから、知恵と努力が求められる・・・・頑張れ、です。

先日、鶏冠石の鉱山・西ノ牧鉱山のある場所に住んでいる方に、たまたま出会いました。
厳しいお仕事の合間に、山を歩き、渓流釣りを楽しみ、また子供のころは鉱山付近は遊びの場。昔は金色や銀色の鉱物が散らばっていて、金かと思ったとか(黄鉄鉱でしょうね。これ、騙されるんですよね)、楽しいお話も。銀色は輝安鉱?
この方はクリッペのすべり面も見に来られていて、町のことにも子育てにも自然の保護にも、話がはずみました。ですが、鶏冠石が群馬県の石に選ばれたことをご存じなかった!!「我が庭」のことなのに!
「下仁田の西ノ牧鉱山は、鶏冠石の解説で、産地として全国で最初に名前の出る場所ですよ」と伝えたら、「あんな場所が・・・」と、びっくりされていました。
地域をご存じで、自然も好き、子供も好き・・・「難しいことは何もわからないから」とおっしゃっていたけれど、トコロジストにぴったりかも。
「県の石」に選ばれたことを、こんな方が知らないのは、町の手落ちです。町には一言連絡しておきましょう。
権威ある所からお墨付いただいたわけでそれを町民に知らせ、町で盛り立て、町の誇りとしなければ。

浜口哲一さんは博物館定年後、大学で講義することになりましたが、その直後、惜しくも亡くなりました。
本棚にあった著書を、取り出してみました。書名は
   「地域と市民を結ぶ博物館 放課後博物館へようこそ」

平塚博物館のHPをのぞいてみました。オギとススキの違いについて、解説が載っていました。「しぜん探偵 オギを語る」などと題して、オギ・ハギ・ススキ・ヨシなどを解説していました。
前回このブログでも紹介した話。なんだかうれしいですね。同じことを考える人がいるというのが。


秋が近づく荒船山周辺

 山が色づき始めました。妙義をはじめ奇岩の峰のそそり立つ山々は、モミジが映えます。
西上州にはモミジが種類も量も多くあります。一山超えた碓氷峠近く、今は廃線の信越線の横川駅近くで、車窓から見た紅葉の美しさからつくられた、と言われている歌が、あの有名な童謡「もみじ」。 
    「秋の夕日に 照る山紅葉(もみじ)
     濃いも薄いも 数ある中に
     松をいろどる 
     山のふもとの 裾模様  

モミジ目的で出かけたわけではありませんが、この山すそで見たものを少し紹介。

下仁田から佐久に抜ける道路わきから見上げる荒船山
 
荒船山周辺は少し色づき始めていました。

マムシ草の赤い実。 草全体有毒です。
 
木の実・草の実

知らないものは口に入れないで。
毒のものもあります



紅葉の始まった山道には、もみじやクリ、ミズナラなどの落ち葉も散っています。
ミズナラのどんぐりを拾いたかったのですが、まるっきりなし。今年はクマの出没が多く、ニュースによると、クマの食料ミズナラが不作だとか。そういうことか・・

何に見えますか?
炭焼き釜






    
 
 
 
 
 
 
 


 
岩を抱いた木の根はなんだか、お尻みたい。
炭窯は、きれいに残っていますね。たいてい、天井が落ちています。私が下仁田でこうしてきれいに残っているのを見たのは3個目です。
キノコ・・・縞模様がきれい
 



まん丸ですねえ・・・どしてこんなに丸く??







アカウライワタケ

イワタケって知っていますか。
乾燥した岩壁にくっついている、丸くぺたんとしたもの。地衣類です。珍味とされ、これをとろうとして転落事故があったり・・・でも、そんなにおいしいかなあ・・洗ったりの手間が大変だし・・  写真のものはアカウライワタケ。湿った沢沿いの石の上なんかにあって、「イワタケ??・・・」と思たものです。生えてる場所が湿っていて、イワタケのはえるようなところに思えない・・・種類が違いました。荒船風穴付近にもありますよ。

平地の秋
 
 どこにでも生えている
セイタカアワダチソウ。

日本の景色になじんだのかも・・

かつて花粉症の原因と言われ、悪役のイメージが定着してゆきました。セイタカアワダチソウ撲滅作戦がお役所を中心に行われたりもしたのです。でも、虫が花粉を運ぶのに、花粉症?変じゃない?と思いました。風で飛ぶ花粉が花粉症を引き起こしますからね。間違いです。今でも花粉症の原因と思っている人、けっこういるかもしれません。
 このセイタカアワダチソウという花、北アメリカ原産で明治時代に観賞用に日本に持ち込まれたそうです。その後庭から逃げ出し、空き地、河原を一面に埋め尽くすまでに広がっていきました。
 高度成長のころ、日本中にできた埋立地、空き地をこの草が猛烈に埋め尽くしました。北九州では炭鉱の閉山が相次いだころ、その一帯にはびこりだし、「閉山草」と呼ばれていたといいます。
 あっという間に広がるのは、一株が数万個も種子をつけることもさることながら(そんな草はたくさんあります)、地下茎が広がって増えることにもあります。根っこのように地下をはう地下茎、この地下茎が他の植物を育ちにくくする物質を出すというのです・・・ちょっと怖い感じ・・・一時はすべてを負かし、占領したように見えるのです。
ところが増えすぎると自家中毒症状を起こし、自分が滅びてしまうのです。
 自分の出した毒で自滅・・・・思わず、人間社会のことにこじつけて考えてしまったものです。

 今この草、一時ほどはびこっていない印象があります。事実、減少してもいます。
高度経済成長の中で、悪役に仕立てられてきたこの草、はて、日本の生態系の中で、ちゃんと位置を得ていけるのでしょうか。日本の自然と折り合っていくのでしょうか














2016年10月13日木曜日

 ドーソン石  白い脈

 
下仁田自然史館にあるもの 

ドーソン石   あまり見かけない鉱物らしい・・
      藤岡市 産出



 写真は研究者からご寄付いただいたコレクションのなかの一つです。
絹糸光沢の針状結晶が放射状の集合体を形成していて、花のよう。
 この鉱物、名前を聞いたことさえありませんでした。
添えられたメモには
「産出の大変珍しい鉱物で、
この産地は日本で2番目に発見された」
とありました。藤岡市の産出です。
では、一番目は?と聞きたくなるのが人情です。ネットで調べてみました。
一番目は、大阪府泉佐野(いずみさの)市大木(おおぎ)、1972年のことです。それまでに確認されていたのは世界で9カ所だけだったとか。ということは、大阪は世界で10番目?いや、もっとあとかな?
そんなこともあってか、「県の石・大阪府の石(鉱物部門)」は、このドーソン石。
 最初に発見されたのは100年以上も前で、カナダモントリオールのマクギル大学の構内の岩石からとか。現在、世界でどれくらいの場所で見つかっているのでしょうか。

 大阪のものは、和泉(いずみ)層群下部(白亜紀後期)の畔ノ田泥岩層にあります。
泥岩の中に普通に見られる細くて白い脈に、これがありました。白い脈でよくみられるのは 石英、方解石、沸石。 その他にもあるというわけです。
ドーソン石ができるのはアルカリ性冷泉からの沈殿だったりですが、他の成因もあります。成分の化学式の中にCOがあって・・NaAl[(OH)2CO3] ・・塩酸をかけると溶けてCO2(二酸化炭素)が出てきそうな感じがしませんか。実際に、酸に溶けるといいます。もったいないから、塩酸をかけたりは、もちろんしません。

大阪のものについて書きましたが、藤岡のものは、どんな地層で、どうやってできたのかな?改めて調べないとわからない・・これこそ書かねばいけないのですけど・・・


ところで、標本を最初に手にしたとき、「どれが鉱物?」

とりあえず、よく目立つ左の写真の鉱物かな、と。よーく見たら、違うのもあって、やっと「これだ!」。
左の写真の結晶は、沸石でしょうか。方解石かな・・?鉱物を見分けるのは難しいものですね。右上の写真の円錐形に尖ったものもドーソン石?違うかな・・



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岩石の中の白い脈 

  
岩石の中の白い脈って、けっこう目にします。でも、あまり話題にならない。

岩石の割れ目に後から入り込んだりするものですから、学術研究では取り上げられることも少ないのでしょう。
でも、一般の人にとっては、「これなあに?」「きれいだね」「面白い形してる」など、目を引くものです。
下仁田の川原には、白い筋の入った石が、たくさん転がっています。

展示室には、白い脈の入った石と大きなクギが置いてあります。
このクギ、「ためしてみよう・白い脈に傷がついたら方解石、つかなかったら石英」と、置いてあるのです。
時折見ると、けっこうすり減っています。気づいた時には交換します・・・こうしてみると、石をこすってみるの、けっこう人気あるのかも。
もっとも、ついている傷を見ると、白い筋をこするというより、石全体をこすっている感じもしますが。

 石をクギでこする、なんていう単純なことですが、なんだかやってみたくなるのでしょうか。もう少し工夫して、こすりやすくできないかなあ・・・いいアイディア ありませんか。

多くみかける白い脈は、方解石と石英です。
下仁田の大桁山には、沸石が脈になって産出しますので、沸石も取り上げて解説してあります。ですから3種の鉱物の見分け方が書いてあります。
(大桁山の産地は閉鎖した採石場で、立ち入り禁止です)。
注意していれば、他の場所でも沸石らしいものは見かけます。もしかしたら、他の鉱物もあるかも。ドーソン石ではなくても。

一番普通にみられる石英と方解石の見分け方は、①固さと②塩酸に溶けるか、です。
塩酸・・・ウーン、そんなの手入らないよ、
という人のための情報・・・・
ホームセンターで売っている、トイレの洗浄剤サンポールには塩酸が9.5%も入っていて、これをかけると(薄めてもOKです)方解石は泡を出して溶けます。方解石はCaCO3ですから、いかにもCO2が出てきそう。ちなみに、方解石の成分からできているのが石灰岩です。どおりで、石灰石は二酸化炭素を出して溶けるわけ。きっと学校の実験でも、溶かしてみたことあったのでは。はるか昔で、忘れちゃった、かな。

  子供だけではあぶないですが、大人の指導のもとなら、楽しめます。
   「さあ、どっち?」で すぐに正解をたしかめられるのは、楽しいです。

この実験は、以前、「岩石の中の白い脈」という題で、このブログにのせたことがありました。
https://www.blogger.com/blogger.g?blogID=481530670025045050#editor/target=post;postID=1342131586390110134;onPublishedMenu=allposts;onClosedMenu=allposts;postNum=110;src=link

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急に秋、ついこの間まで半袖姿で暑がったりしていたのに。
そこで秋の風情の一端を

 ススキと思いますよね。でも実はこれ、オギなのです。
川原にゆれる銀色に輝く穂、放置された田んぼの畔に群生する銀白の穂。

オギは荻と書きます。
荻原さん・萩原さん ・・名前の由来、ご存知でしたか。 
オギとハギは秋の風情をかもし出します。

ススキとオギの違いは下の図です。でも、ピンときませんね。  湿った場所に銀白色にゆれるのがオギ。乾いた場所で少し赤っぽいのがススキ。
川原にゆれているのはオギ、かな。
ススキに比べて、知名度が低いですね。








穂についた種の一つの写真です。
左がオギで右がススキ。うっかりして左の絵と逆になってしまいました。


左の絵、秋らしいですね。高崎染色植物園のパンフレットです。高崎の裏山、観音山にある、草木染の植物を集めた植物園です。

黄色く色づく葉、赤いイチイの実、ふわふわとした毛におおわれたウサギ。。。
ところで、下の方に咲く、白い花は何でしょう。 秋に向かう今、咲きだしています。清楚な花。
  とても身近な植物   お茶です。探してみませんか。

いよいよ秋です。            
       

2016年10月4日火曜日

水準点・三角点を見る

 

最近、「地図」を見ましたか?

 地図に接する機会が増えたと思いませんか。
カーナビ、スマホ、グーグルアース・・・・ちょっとボタンを押せば、各地・各種の地図が出てきます。今まで地図にあまり縁のなかった人も、地図が身近になったのかも。どんな地図を見ていますか?
 国土地理院発行の2万5千分の1の地形図は重要な地図ですが、多くの人にとって、あまりなじみがないかも。この地図、以前は登山の人などもけっこう買っていたと思いますが、今、書店でもあまり見かけなくなってきました。ネットから多くの地図・ガイドが入手できるようになりましたからね。
 地図を見るときは「上が北」・・・でも若者は、「上は自分の進行方向」なのでは。常識が変わってきているかもしれない・・・

 日本は世界でみても、古くからきちんと測量が行われた国です。江戸時代、日本地図を作った伊能忠敬には敬意を表したいですが、明治に入ってからも地図作成の努力が続いています。これによって積み重ねられたデータは、貴重な遺産です。
宇宙からも眺め、詳細な地図がつくられる現在でも、いえ、そんな時代だからこそ、地を這うようにして地図をつくった先人の苦労を知ることが大切に思えます。
 前書きが長くなりました。そんなわけで、地形図を見ながらの話。

水準点・三角点

学校で勉強したことがあるはず・・・でも、実際に見たこと、ある?
水準点は全国に16,941、三角点が109,884あるそうで、これだけあったら、近所にもあるかも、と思いませんか。国土地理院発行の2万5千分の1の地形図を見れば場所がわかります。地図記号で、四角の中に●があるのが水準点で、三角の中に●が三角点。
学校の授業で、水準点・三角点の記号を地図の中にさがし、そのあと近所にある実物を探しに行ったことがあります。散歩感覚で楽しかった。

水準点 高さの基準点
主要国道に沿って、約2㎞ごとに設置されたということで、古い歴史のある街では見つかりそう。下の写真は、高崎市倉賀野町の水準点、1等水準点です。倉賀野は宿場町で、また江戸からの水運の最上流の河岸のあった町です。水陸輸送の拠点だったことでしょう。 
なお、1等水準点は群馬に129カ所あるとのこと。近くにありませんか?

JR高崎線倉賀野駅近く 九品寺入口にある
水準点 花崗岩で作られています
倉賀野は中山道の通る町で、中山道巡りかな?といったリュックを背負って歩く人やサイクリングスタイルの人を 時折見かけます。
なお水準点は、現在の道からは少し外れた場所になります。

ところで、この写真、実は20年ほど前のものです。
先日、改めて現地を見て、びっくり!!


右隅の白いプレートに、 「大切にしよう  水準点  国土地理院」 と書かれてあるのが見える

植込みの裏に、水準点がありました


右下の植込みの下を裏に回て見ると、標石が見つかります。
 以前よく目立っていただけに、植込みの下に埋まるような姿は、落差が大きいなあ。壊されてしまった場合もあったようですから、まあ、良しとしましょう。




三角点  位置の基準
三角点は、周囲からよく見える所につくるとのことで、山の上で見たことも何度かありますが、はて、どこで見たっけ?
「位置」というのが具体的にはわかりにくいなあ・・・デジカメに緯度経度が記録できますが、あれを正確に決めていく・・・地道な作業でしょうね。
    写真は藤岡市にある三角点。これも、20年ほど前の写真ですけど。

花こう岩の上に+マーク
藤岡の神社にあります。
 














そういえば、我が家の近くにも三角点マークが・・でも見たことなかった。探しに行きました(近くなのに・・)。
地図で見る限り、田んぼの真ん中。いったいどこに?と、黄金色になりかけた稲穂の揺れる中、ちょっと探しました。
 ありました! お墓の敷地内でした。
 見つけると、なんだかうれしい。
     2等三角点です

 

玉村町の三角点




ものを集めたがるのが人間。ポケモンgoも大人気。
というわけで 、ネット上には、水準点・三角点を探し、写真を撮って公開している人たちがいるの知りました。
何の目的もなくそこらをフラフラするわけにはいかないけれど、なるほどこれなら、地図片手に、大手を振ってどんなところにも行けるよね。なかなか見つからない時もあるし、宝探しの気分も味わえて、楽しいのでは。ほとんどポケモンgoの世界かも(これなら迷惑もかけない)。

最近は電子基準点という、衛星を利用した基準点もつくられているそうで、全国に1300ヶ所あるとのこと。写真で見るまで、どんなものか形も知りませんでした。

 だいぶ昔、水準点を探しに行って、道路に面したその位置に金属製の丸いプレートがあって、「?」と首をかしげたことがありました。金属で代用?でも、金属って温度による伸び縮みも大きいのでは・・・などと思ったり。でも、今はこんなのも多いはずです。主要国道のすぐわきに、花崗岩の石ころのようなものがあったら邪魔にされるでしょうし。
    近所の水準点・三角点、探してみませんか。

原三角点

下仁田には、日本の三角点の起源のといえるようなものが残っています。

原三角点 明治15年10月
明治15年10月〈1882年)設置の三角点です。
 
内務省実施の三角測量でつくられた基準となる三角点
50カ所のひとつです
内務省地理局と記されています
2006年、下仁田自然学校の運営委員の案内で、
        この場所を訪ねました。


測量の仕事はのちに陸地測量部に移りました。新たに事業がはじまり、三角点も設置しなおしたりして、原三角点の標石はほとんど残っていません(残っているのは3カ所だそうです)。場所も動かされたりしています。
そんな中で下仁田のものは動かされることもなく、設置当時そのままの姿で残されています。別の場所に三角点がつくられ、内務省のものは、忘れ去られたようなのです。場所もわからなくなっていました。

この原三角点は探しても見つからずにきましたが、2000年(?)、探し当てられました。
山の高いところにあり、今でこそかなり高くまで道路があり、車までかなりの距離行けますが、当時は山里の低い場所から、この石の塊を、道なき道を担ぎ上げたことでしょう。
  これこそ貴重な文化遺産大切に守っていかねば

みなさん、もしここを訪ねることがあっても、ほんのちょっとでも動かしたりしないでくださいね。「位置」が重要なものなのですから。  
ましてや、傷つけたりは、もってのほかです。


大地の動きの記録  

群馬県内を通る国道17号線は、古くからの重要国道。というわけで、水準点も早くから設置されました。そこで、明治からの記録も残されています。
下図は17号線高崎から三国峠を超えて新潟側への上下の動きのグラフです。100年以上測っているんだ!!
  
下の図はたまたま見た図で、1972年までの記録です。もっと最近のまで入れなさいよと言われそうですが・・国土地理院のHPには生のデータが載っているわけですが、それをまとめるのもかなり大変・・・できるかな・・ 
 というわけで、飯川さんのをご覧ください。ちょっとお勉強的ですが・・・

三国峠付近は10㎝ほどの上昇(上の部分のグラフをご覧ください。横線の上にあれば
上昇、下にあれば沈降です)。三国峠は年間平均1㎜上昇といったところでしょうか。とにかく上昇し続けています。
  山は上昇し続け、平野は沈降しているなどと聞きます。ほんとうだなあ。

飯川健勝 1991年 より
高崎、三国峠、湯沢・・といった地名のある線は、水準点のある場所の標高を描いた図です。
三国は山ですから、高くなっています。

地道な記録の積み上げって、大事な財産ですね。地震の多い日本は、大地の変動も相当ある国です。大地震の後は、地面が上下左右に移動したりします。東北の大地震では相当大きく動いていました。
 

それにしても、緻密な世界。標高を決めるのに、平均海面の高さをゼロにしてというけれど、海には波もあるし、うまく測れるのか、とか、世界各国でのゼロmと日本のゼロmはどう関係づけるのかとか、世界では海面の高さだってでこぼこしているはずなのだから、それはどうなるのかとか、考えるとあれこれ疑問がわいてきます。でも、それを突き詰めたことは無し。こういう緻密な世界とは、どうもちゃんとお付き合いできない・・

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下仁田自然史館の展示室
 
物を手に取って、「ためしてみよう」というコーナーがあります。
下写真は、「磁石にくっつく?くっつかない?」で、ほとんど同じに見える黒い石2種類が置いてあります。頁岩と緻密な玄武岩で、ぶら下げた磁石に、玄武岩は見事にくっつきます。そのほかの石もありますから、くっつくかどうか、ためしてみませんか。
ためしてみるコーナーがいくつかあったら、見学者の感想に、
   「触ってためす場所には同じマークを置いたらどうでしょうか」と。
そうですね!さっそく写真のようなかわいいキャラクターが「ためしてみよう」と呼びかけることになりました。
みなさん、ご意見、どしどしお寄せ下さい。