2019年12月24日火曜日

年の暮れに咲く花



もうじき新年ですね
自然災害の多い昨今、温暖化をひしひしと感じます。
寒い寒いと言いつつも、子どものころと比べて、冬がずいぶん暖かい。
子どものころと同じ町に住んでいるので、違いを具体的にもあげられます。
ちなみに住んでいるのは群馬県の平野部、川向こうは埼玉県です。JR高崎線の新町駅までそれほど遠くない場所です。

気候の違いの証拠をあげてみます。
  •  昔はつららが下がったなあ‥‥今、つららなんて見たこともない
  • お正月に飾った庭のスイセンの花・・・放っておくと寒さで凍って、茎が折れてしまうので、いつも稲わらで覆ったものです。まったく同じ場所の同じ品種のスイセンが、今は何もしなくてもきれいに咲いている。
前橋の人からは、庭で実ったミカンをいただきました。甘くおいしい・・子供のころミカンも植えてあったが、むしろなどで覆って、やっと生きのびている雰囲気で、酸っぱいミカンがなったものです。とはいえ、ミカンの品種改良も進んでいるでしょうし、単純比較はできませんが。 
 「気候変動」というと他人事のようですが、台風・豪雨などの災害がわがことになってきた今年でした。

ところで、今頃、どんな花が咲いていますか?
 え~っと・・・サザンカと‥あとは・・といったところでしょうか。
 でも、野の花も含めて、よく見ると、咲いているのですよ。
散歩がてら,目をとめてみませんか。
我が家の庭にあるものを紹介します。

     左は 冬咲クレマチス。 
 本当に冬咲くのです。何も手入れしていなくても。
今年、さし芽をして増やして庭に植えておいたのですが、草に埋もれてしまい・・・今度こそ増やして、欲しい人いあげようか、と思っているところです。

右はビワの花
 秋から冬に咲くのです。ビッシリと繁った葉と花は,陽だまりになってになってハチがぶんぶんやってきて,かすかな香りが漂います。
                         

鳥が落としていったフンからは、マンリョウが育っています。
子どもの頃はマンリョウなんてこの地域にあったかなあ?竹藪にヤブコウジはあったけれど。赤い実が数個つく、かわいいものでした。
40年も昔ですが、秋の神戸の丘陵を歩いていて、マンリョウが自然に育っているのをみて、「マンリョウって、こんなところで育つんだ」などと思ったのを覚えています。

スイセンは、早咲き種が咲いています。いい香が漂います。
いかにもスイセ。ンという日本スイセンは、今つぼみがたくさん立ち上がってきています。お正月には部屋に飾れます

ロウバイもつぼみを切って家の中に置けば、黄色い花を開き、芳香が漂います。



どうぞ、身近な花にも目をとめてみてください。
 よいお年を、という時期になりました。時のたつ速さを感じるこの頃です。



2019年12月19日木曜日

オルガニート オルゴール 

珍しい楽器にふれてみました。
ギターのような・・それともマンドリン?  
いや、丸い形って、バンジョーっていう楽器があったかな?  
 いいえ、よく見ると弦がない!!?
 
名前は
 オルガニート オルゴール

 ついているハンドルを回すと、オルゴールのような音色がこぼれます。まわしながら歌を歌うと、ちょっと気分がいい。

 もともとオルガニートという製品があって、それに新たにボックスを設計し組み合わせたものとか。
 つまり、この楽器を持ってきてくれた
山田幸男さん考案のオリジナル楽器。
今、全国で24台しかない、とか。

 ギターが趣味の山田さん、ライブでオルガニートオルゴールに出会い、いい音色だなあ、と。「ギターのボックスに付けたらもっと良い音が出るのでは」と。思いついたら即実行。あれこれ工夫。
定年退職後ということでしょうか、空き家になっている下仁田町の実家を工房にして、これから制作に本腰を入れるようです。

 ハンドルを回すと、紙が送られて音楽が流れます。
まわす手をとめると、曲も止まる…楽器なんて触ったこともない人が、演奏しながら歌う気分を味わえる、というわけ。
「回すだけで誰でも弾ける。特に高齢者施設や病院で楽器の癒しやリハビリで活用してもらえたら」とは山田さんのお話。

 広島のある施設から問合せがあって楽器を送ったところ、感謝の声が届いたそうです。どんな施設かも知らずに送ったのですが、そこは重度しょうがい者施設、まったく目が見えなかったり、耳が聞こえなかったり、手足がなかったりといった様々な人が入所している場だったそうです。そういった方のお腹の上にこの楽器を載せて曲を弾くと、その振動が体に伝わり、その刺激をとても喜んでいたと。音は聞こえなくても、楽しさを伝えられたわけです。
  いい話ですね。 多くの人に喜んでほしいです。
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ところで、この楽器の写真、ネコちゃんの顔のまわりに、穴のあいた紙テープのようなものが・・・これ、昔どこかで見たような・・昔の計算機? 織物の機械・・・?

 じつはこの楽器、この紙テープを取り換えると、いろいろ違った曲を演奏できるのです。紙テープはその命令を出すパンチカードとのこと。
パンチカード?? コンピューターの発達で忘れ去られていますが、
初期のコンピューターでも使っていたのではないかな…アニメなどで科学者が紙テープを読んでいるようなところ、あったような気もする。


 紹介のチラシを載せます。

今後は材料に、下仁田産の間伐材の使用も検討しているといいます。
広まってほしいですね。


 




2019年12月10日火曜日

クマだな 今年はたくさん

クマだな

野生動物の出没がニュースをにぎわせています。

今年の実りは少なそう。クリの実は見けなかったし、ドングリもみかけない・・
先日出かけたみなかみ町の大峰山では、大きなミズナラの木にたくさんのクマ棚が。
木の下には足の踏み場のないほど折られた枝が落ちていた。もっと小さなミズナラの木も枝はバキバキ折られていた・・・
植林された杉の木の皮ははがされ(くまはぎ)、
 ところどころに残る雪には熊の足跡が。   
   残念ながら、どれも写真を撮っていなかった・・・何ということか・・・
   ちょっとした作業に気をとられてはいたのですが・・・・

仕方ないので、11月初旬の同じ場所の写真を載せます。まだ葉が残るなか、折られた枝の熊だながたくさん、この時、木に絡まっていたクマだなが13個。木の下にも、ひし折られた枝がたくさん落ちていました。  
11月2日 ミズナラには枯れたような塊
クマがへし折った枝、クマだなです。

12月には葉も落ちて、たくさんのクマだなが枝に見え、下は足の踏み場もなく枝が。
枯れたような塊「熊だな」が
たくさんありました。

12月より写真映えしないなあ・・・・
12月の写真の無いのが、
 返す返すも残念!!



実りの少ない年には熊棚がたくさんできると聞いたことがあったけれど、本当なのかな?
あらためて山に詳しい人に聞くと
 「そういう人もいるし、そうでないという 人もいる」 
 つまり、よくわかっていないのか・・・
                                      






クマのフンです

木の下にはへし折られた枝がたくさん落ちていました。本当はもっとたくさん落ちていたのですが、ちょっとしたことに使おうと、運んでしまっていました。

付近にはクマのフンもあちこちに。


何年前だったか、山の実りが豊作の年、たくさん落ちていたクリの実が(野生の小さな
クリの実ですよ・・・)きれいに食べられてたことがありました。ナイフで切ったように半分にきれいに割れて、きれいに中身がない。クマが食べたと教わりました。あの大きなクマ、あの爪のある到底繊細とは見えない手で?!
私よりはるかにきれいに食べている!! もう、びっくり。
その写真、ちょっと探したけれど見あたらない…削除しちゃったのかなあ・・・またいつでも見られると思ったのが間違いでした。たしかに、そのあとも見たことあるわけで、見られないわけではないだろうが・・・しばらくは食べた殻をとって置いて、人に見せたりしたのですけれど。
 「また後で」とか「いつでも見られるだろう」などというのはダメだとつくづく感じたクマの話でした。
   以下は、冬眠から覚めた春のクマ、木に登って若葉を食べているのでしょう。
    (私がとった写真ではありませんが)




今回、12月には、カモシカに会いました。
カモシカって、じっと立ち止まってこちらを見つめるんですよね。
山の少し小高い場所で、民家のある所でした。

60年近く前にはもう絶滅寸前で、に「自然のアルバム」という番組で、幻の生きものが撮影できたと、放送していたのを、なぜか覚えています。
カモシカには時たまこうして出会います。


今、鹿の増加が問題となっています。
野生の生きものと、どう付き合うか、ますます問われていくのではないでしょうか。





2019年11月30日土曜日

もう冬 書き忘れた秋の風景

書き込みはすっかりお留守に。
理由は・・パソコンの扱いの基本を知らないままでいると、簡単なことで困ったりするもの。
今どきはAIなどといわれて、ついていけない…いえ、私にとっては、ついていく必要もないか。

愚痴を書きましたが、秋の風情をいくつか
    近所のイチョウ畑です。銀杏をとるために栽培しています。

さざんかも咲いて ~~~
この花は昔からの品種。農家の庭先にはこれの大きな木があったりします。昆虫の羽音が聞こえて、なんだか、のどか。
かくいう私の育った家にも、庭先にこの花がありました。
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   こんな歌、歌ったことありますか?

1番 かきねの かきねの まがりかど
   たきびだ たきびだ おちばたき
                「あたろうか」「あたろうよ」
歌詞、             きたかぜぴいぷう ふいている
覚えていました!               

でも、最近は「焚火はしちゃいけません!」  2番 さざんか さざんか さいたみち
農家でも、庭の木の枝など燃やしていると     たきびだ たきびだ おちばたき
クレームが来たりする              「あたろうか」「あたろうよ」
あの焚火の匂い、赤い炎、素敵なんだけどナア    しもやけ おててが もうかゆい
焼き芋もできない。さみしいな。
防火上許されないというわけか・・・
たしかにそうかもしれないけれど、炎のない電気なら安心というわけではないのは、先ごろの沖縄の首里城火災を見てもわかります。電気ストーブの火災って、案外多い。火がないから安全と思いこんでいる人が多いわけです。火事の原因第一位は、放火とか。
マッチも生産がほとんどなくなったようだし、オール電化で調理すれば,日本に住んでいれば火を見ることなく生活が成り立つわけ。もっともそんな人は世界では一握りでしょう。
 ファラデーはゆらめくろうそくの炎を見つめて「ろうそくの科学」を書きました。そうして科学の世界の広がりを伝えました。そんな世界がなくなってしまいそう。



← 何の写真だかわからないですよね
  真ん中あたりに、けものがいます。
たまたま双眼鏡を持っていて、見ました。
川辺をトトトと歩き回り、何か見つけて食べたり、ぽかぽかとした秋の日差しの中、気持ちよさそうに川原に寝そべったり。残念ながら近くをとるのに適したカメラしか持っていなくて、こんな画像しかありません。あまりにおだやかに安心そのもののような情景に、しばし眺めていました。
ところでこの生き物、なに?やせこけた犬のように見えたのですが、首輪のない犬がそこらをうろつくなんて、あまりないのでは。では、キツネ? でも、ふさふさした毛のキツネの面影はない。もしかして、病気にかかって、毛が抜け落ちたりしている?そんなタヌキをテレビで見たことがあります。
穏やかで気落ちよさそうな生き物の姿に、「元気でいてね」と声をかけたくなりました。 
                    
ミツマタ 
春に咲く花のつぼみがもうあるのですね


11月20日には、まだサフランも咲いていました。 秋咲きクロッカスという風情です。  赤いめしべを集めて黄色い色をだす香辛料、サフランにするとか。とても高価なものとか、当然でしょうね。

道端の野菜売り場で、こんな大根を見つけました。
「下がダメになってしまって、切り取りました。これでもかまわない人はどうぞ」というわけで、安く売っています。
どうしてこうなったか‥‥畑を見ればわかります。大根が何やらまばら。出荷したからではありません。10月の台風による大雨のせいです。畑から水がいつまでもはけず 腐ってしまったのです。農家の方はすぐに柵の間を掘り、なんとか大根を助けようとしていたのですが。
近所の人、今年はホウレンソウがはえなかった、と。自家用ですが、こんなの初めてと。80歳代の農家の人、自家用ですが、ホウレンソウを4回も蒔いたと話していました。
ちゃんと芽だしをして蒔いていたのに、と。こんなことはじめて、と。
  今年の気候は、いつもと違うのではと、みんな感じているようです。
温暖化と言いますが、ひしひしと感じるこの頃です。



2019年11月13日水曜日

災害支援

大水害をもたらした台風19号の襲来から1か月たちました。
はやいものですが、被災者には長い1か月だったことでしょう。

 災害支援
先日玉村町でチャリティーコンサートが開かれました。
えッ、もうチャリティー,と思いますよね。
 でもこれは
  「東日本大震災復興支援チャリティーコンサート」 今回で9回目です。

津波の年、2011年から
毎年開催しています。

コンサートの収益の送り先は、女川町。今まで
531万円を送ったとのこと。
お金は主としてソフト事業に使われ、被災者の心のケア、地域づくり、観光振興などに役立っているとのことです。

現代社会は次々新しいニュースに目を奪われ、
興味関心も移り変わっていきます。
そんな中で、最初から、「10年は続ける」と決めて始めたとのこと。
今では玉村町での恒例行事として定着しているのかもしれません。

客席数914席のホールは満杯のようす。500円の入場料で楽しめ、寄付にもなれるという、参加者にとっても、お得感のある催しなのです。
近郊の市民合唱団4つの発表、プロのソプラノとバリトン歌手の歌(野崎由美さん、猿谷友規さん)、そして前橋東高等学校吹奏楽部の発表。


























前橋東高校吹奏楽部は今59人のメンバーが在籍という校内人気の部活、コンクールでも良い成績をおさめているようです。
曲目も、オーソドックスのものから「日本民謡メドレー」、「日本レコード大賞、栄光の昭和50年代」北の宿から・北酒場・ルビーの指輪・勝手にしやがれといったものまで、お客様を喜ばせるものも(地域の年配者がたくさん来ています)。高校生による着物姿の踊りやら、ドレスをまとってのダンスやら。
高校生のエネルギーを感じ、彼らにもいい経験なのだろうな、とうれしく思います。
 10月の水害の人たちにも、皆の支援が届くよう、これからの生活が成り立っていけるよう、願わずにおれません。

近年、次々と起こる自然災害、多くの人がわがこととして感じ始めているのでは。
一過性ではなく、こうして支援を続ける意味も感じます。
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どうしたら災害を減らせるか、専門家の意見もたくさん出ていることとおもいます。
昔から、「水を収めるものは国を治める」と言われてきているわけです。
それくらい大切なことなのです。強大な科学技術を手に入れ、人はあまりにおごってきているのかもしれせん。

前回紹介した下仁田町の鏑川の青岩公園付近では、たとえば、川岸でこんな様子がありました、というものを紹介します。

青岩公園からも見える川岸の崖、下の方は青岩(みかぼ緑色岩)。草が張り付いてる崖の上の方は、砂岩でしょうか、とにかく全く違う岩石。境目はほぼ水平な断層。これって、下仁田の地質で有名な、くりっぺ現象。下の緑の岩の上に、上の地層が横滑りしてきた部分でしょう。
今まで誰も気づかなかったということは、草などに覆われていたからでしょうか・・・
私たちが野外で観察している自然現象は、こうした自然の営みの中でちらりと顔を見せてくれているものなのだと、感じたものでした。





こちらは公園内、洪水の時川の水がぶつかった崖の部分です。
川岸の崖の(青岩の石)が、崩れて下にたまっています。
後ろの方には、はっきりと滑り台のような部分が見えます。これ、断層でしょう。
今までこんなに見えていたっけな・・いや、そんなことない・・・などと。
普段、よく見ていないわが身を恥じる気分でした。





我が家は利根川のすぐ近く。
川に行くと、重機の音がして、川辺で働く姿が見えました。さっそく、川の整備を始めているようです。下の写真。
*あとから気づいたのですが、この川の整備、もともとの計画ですね。被災地でもないし、そんなにすぐに河川整備を始めるわけない。
11月の町の広報を見たら、利根川改修計画の住民説明会のお知らせがありました。「利根川の河川改修事業をを進めています。この度改修計画を見直しましたので・・・11月26日に実施」と言った説明。今回の水害で、見直しがあったのかな・・




河原には、ヤナギがたくさんはえています。かつては河原の木などはすっかり取り去っていました。水を早く流し去るためです。川は曲がったところはまっすぐにし、まるで排水路。しかし、これは生き物のすみかを奪うことになりました。その反省から、川の生きもの、生物多様性を守る方策も考えられ始めました。人と生き物の共存はどうしたらできるのか。
 河原の木は、あまりに増えすぎると、水の流れに影響します。洪水への備えも必要。
昨年、回覧板で、河原の木を伐採して利用したい人を募集するお知らせがまわってきました。とはいえ、薪にする人はなかなかいないでしょうし、どれだけ利用価値のある木があるものか・・・

今回、木をそれなり整理することになったのか、目印のピンクリボンが付けられ、数か所でブルトーザーが木を取り運んでいました。

川と人と野生の生きものと、知恵を集めねばならないことが、たくさんあります。

2019年11月5日火曜日

大雨 川の水はどこまで上がったか 


やっと秋晴れ。 ひどい天候の10月でした。

ニュースは次々移り変わっていきますが、
水害被災地の方々は、まだこれから大変な日々を過ごされることと思います。
今日のニュースでは、長野の被災者避難所に霜が降りた、と。
  寒さに向かい、暖かくお元気に過ごせるようにと願わずにおれません。
 
 遅くなりましたが、川の増水について、下仁田町のようすを少し報告してみます。
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鏑川にある青岩公園。写真まん中の木(2本)は川の中の岩山に育つ。
増水では木の下半部は水に埋まるが、それでも育ち続けている。
よくまあ、流されないでいるなあ

台風19号、関東には10月12日にやってきました。
その日からもうじき1か月もたつのだと、あらためてびっくりでした。

下仁田町は降水量473㎜。
それって多いの?
すぐにはピンときませんよね・・・すごい大雨です。
ニュースでは、緊張感を持って、「鏑川の増水」を伝えていました。
その後、長野や東北の状況が伝わり始め、伝えられるニュースはそちらに移っていきました。

 たまたま14日に下仁田に行く機会がありました。水は濁っていましたが、水位はだいぶ下がっていました。
10月26日に、子どもたちと青岩公園で川の学習をする予定。
まだ増水、実施できるかな・・・でも、自然の力、水の力を感じ、災害を考え、自然に触れるチャンスでもあります。
  
どこまで増水したかの証拠を探すことにしました。
1階は浸水

左写真、右下に川が見えます。
このお宅では、1階は物置で、すっかり水につかったとのこと。荷物を外に出していました。
「鉄骨で柱をしっかり作ってあったから流されなかった」とおっしゃっていました










前回も紹介した、床上浸水のお宅。
大きな木が家のわきに流れついていました(右は14日の写真)。
玄関の戸は、下の色が変わっていて、水の高さがわかります。


「これは記録として残せる!!」

私のお勧めは、これ。
この電柱、よく見ると、水の達した跡がついています。
電柱の上り下りに使う横棒、一番下の棒の付近を見てください。
色が変わってみえませんか。

 北向き方向(写真の裏方向)を見ると、これを境に、上の方にうっすらと地衣類のようなものがついています。
下にはありません。水に洗われたのでは。

写真奥には川の水が見えています。あの水が、ここまで達した!!






近くの桜の木にひっかかったゴミを見つけた子もいます。発泡スチロールのゴミですから、水の表面に浮いていたものでしょう。


木の上の方にもゴミが・・




写真はみな、公園の駐車場近く、ほとんど同じ高さの場所です。ここまで水が達したことがわかります。
他にも、砂が積もっていたり、木の枝の葉っぱがなくなっていたりと、いろいろ目にしました。

石垣の下からはきれいな水が流れ出ていました。子供たちは喜んで触っていました。
14日には石垣の途中からも水がでていました。こうした、普段と違ったことがあったら、要注意です。



地元の方が、大雨について話してくださいました。
この公園のすぐ近くにお住まいの方です。




手に持っているのは、お酒の入っていた空き瓶。
寸胴型のワンカップの瓶に目盛りを貼ったものです。いっぱいになると100㎜の降水量。
12日にこれを外に出しておいたところ、4回いっぱいになり、さらにまだ降る・・約5回ぶん、500㎜近くの降水量とわかりました。。
危険な雨のようすに避難所に避難していましたが、一日いたわけでもないのに、とても疲れたといいます。
  ワンカップでの雨量計測、以前紹介したことがあります。以下です。
    実践しているのは青岩公園のすぐ近くにお住まいの方です。
https://geoharumi.blogspot.com/2017/10/blog-post_3.html


自動で雨量測定しています
自分で測っていると、こんな雨なら何㎜、と、肌でわかるようになります。
この感覚は自然を見る目を養い、自分の身を守るのにも役立つはずです。
 
 地元の方から、公園近くにある雨量測定所を教えていただきました。ここの測定データは電波で送られるそうです。
 科学機器で測定した値と、自らの手と眼で確かめる値、どちらも意味があり貴重です。

スマホを見ているだけでは、生の、本当の自然の姿はつかめないし、自然と語り合う関係にもなれないのです。




青岩公園は、川の合流点にあります。南牧川と西牧川(こちらを本流として、鏑川とも呼びます)。
2つの川の色が違っていました。
濁った手前が南牧川の水。少しきれいな上半分が西牧川。水はなかなか交じり合わないようで、2色に分かれて流れていました。






子どもたちが帰った後、
支流付近に行きました。すると、ここにも床上浸水のお宅が。
橋に多くの木が引っかかり、小さなダムのように水をせき止め、水位が上がったといます。

畳をあげて乾かし、床下も乾かしていました。





2日ほど前、車運転しながら聞いたラジオにびっくり、というより、気分の悪い思い。

インタビューのアナウンサーが「スーパー堤防が話題になっているのだそうですね」
 スーパー堤防は、高規格堤防と言い、幅広い堤防です。その効用をとくとくと話していました。決壊しない堤防、水が来ても、その上に避難できる、などなど。
 ちょっと待ってください。江戸川などに着手され始めた堤防、これには強力な反対意見、反対運動があります。★つくるためには、多くの人に2年から3年、家の場所から立ち退いていただき、そのあと戻ってきて、家を建てて住む…これって本当にいやですよね。それに出来上がるまでに大洪水が来るかもしれない・・・・。
★膨大なお金がかかる・・・そんなお金誰が出すのですか・・・どこかを削らないと無理でしょう。削ったって無理?★堤防って、隙間が空いたら役立たないのでは・・★計画立てたって、いったい何年かかるかわからない・・・・などなど・・
  それに、前回紹介したように、堤防強化のためなら、安価ですぐできる方法が確立されているというではありませんか。新聞に、長野だったかで、危ない場所に鋼板を打ち込む手立てをしたと、つい先日、書かれてありましたよ。

今回の水害では、中小河川の人にとっては、ダムなんて関係ない、堤防さえ切れなければ・・・・そこで、立派な、丈夫な堤防を、と言い出したとしか思えない。
ダムはもう作れる場所もそんなにないるだろう、そこで、これからもたくさんお金のかかるスーパー堤防、これには高額のお金がかかるから、もうけも多い・・・・・
 いい金ずる・・・・
ダムの次の金儲けは堤防で。
 そんな魂胆が見えてくるような気がする・・・

金儲けのことばかり考えていないで、もっと大切なことにお金を使ってもらいたい。
つくづくそう思った次第です。

 

2019年10月24日木曜日

堤防決壊について

続く台風、明日も雨
 ・・・・被災地の皆さんの疲労はいかばかりか・・・
もしわが身なら・・・疲れきって動くこともままならないのでは

先ほどのテレビニュースでは遊水地が大きな役割を果たしたなどの報道が流れていました。
 もともと関東平野などは、川が氾濫しながら流れを変え、土砂を堆積してできたもの。自然に任せれば、川は気ままと思える動きで、流れる場所を変えていくはず。
それを、決まった場所を流れるようにと人が手を加えて生活をしているわけです。
簡単な話ではないはずです。

 「ダムができたからもう安心」というイメージを振りまくのは危険でしょう。
自然はそれに従ってはくれないでしょう。
様々な知恵を集め、様々な手法を駆使していかねばならないはずです。

2015年の鬼怒川水害を覚えておいででしょうか。

4つの巨大ダムをつくった鬼怒川、そのうちの一つ湯西川ダムは2012年に完成したばかり。それなのに、大規模水害が起きました。

2015年の水害では、下流では堤防の決壊がおこり、大災害を起こしていました。

この時いただいた資料を紹介します。

ダムに依存するのでなく、堤防の整備を先ずするべきという主張、こうした主張は何度も繰り返されてきているといいます。

 堤防の強度を高める技術があるのに、国交省はそれを放棄しているというのです。
 資料では「水害で最も恐ろしいのは 堤防の決壊です」と述べています。
まるで、今書いている文章のようですが、そうではなく、数年前のものです。

決壊しにくい堤防技術、その方法は、堤防をコンクリートブロックやアスファルトで覆う、堤防に土とセメントを混合したソイルセメントを注入して連続地中壁をつくる、鉄鋼版を打ち込むなど。最近の土木技術は、確かにすごいものがあるようですが、それをどこに使うかが大問題。)
(嶋津暉之氏「千曲川や那珂川(なかがわ)などで堤防決壊が起きていますが、既に堤防決壊しにくい堤防技術ができているのです。その技術を国交省はなかなか認めようとしない。認めてしまうとダムを作りにくくなるためと(私は)見ていますが、(その技術開発は)国交省自身が始めたものですが、それを途中から否定して進めなくなった。これも大変な問題だと思います」)




お金が関わる・・・・
利権が関わる・・・
巨大工事ほどうま味がある・・・
 
 鬼怒川のダムの場合の、ダム予算と河川改修予算の違いを、グラフで見てください。


もう一つの洪水対策は浸水警戒区域を指定し、建築許可等に制限を設けるというものです。

新幹線車両基地での多数の車両の水没を見ると、自然災害への緊張感の不足も感じてしまいます。災害なんてめったにおこらないと思っているうちに、最近の日本は大地震も大水害もおこっている・・・・災害をわがこととして感じる昨今になってきました。
私の身のまわりでも、子どものころと比べて,いえ、もっと最近の方が顕著に、1990年代から明らかに気温は相当に上がっています。温暖化により、大気中の水蒸気が増え、降水量が増加…こう聞きながら、まさに身をもって感じるこの頃です。

科学者はもうとっくの昔にこの事態を予想し、公式見解として国際的に公表してきているというのに・・・

なんだか中学生高校生のレポートのようになってしまいましたが、それにしても、今後も心配です。
自然をなめてはいけない。思いもかけないつながり、影響がある。何でも管理できると思ってはいけない。 あらためて思うこの頃です。











2019年10月22日火曜日

台風とダム

台風被害に心が痛みます。

 秋の風情を届けようかと思いつつ,さぼっていたら、各地での水害の情報・・・
 伝えられる情報に、それを見るばかりの日が続きました。


 今頃と言われそうですが、左は私の家のすぐ近くの利根川の10月13日のようす。右岸は玉村町、左岸は伊勢崎市といった場所です。前橋県庁から15㎞ほど下流でしょうか。
台風一過の秋晴れの日でした。

子どものころ、もう50年以上昔、小学校の先生が、洪水に備えて堤防を強くする必要を話していたのを覚えています。まだ戦後すぐのカスリン台風の記憶の残るころのことです。


 こちらは14日の下仁田町鏑川の青岩公園。左に川の流れ。右は公園で、増水で運ばれた砂が積もってます。右の石垣の上には、民家もあります。

下写真は民家の庭先に転がる木のようす。
 


台風が苛烈さを増し、雨の降り方も強くなっていることを、肌感覚でも感じるこの頃。





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 こんな折、「八ッ場ダムのおかげで利根川は氾濫を免れ、首都圏は助かった」といった言葉が飛び交っていました。私の身近でも(近所、ちょっとしたグループ、たまたま話をしていた人など)「八ッ場ダムができていてよかったね」という言葉を何度も聞きました。ネット上では炎上状態・・・

 やんばダムに反対している市民団体をこき下ろし、ダムに感謝しろ、ダム建設中止を一度言った民主党を批判し、といったものは、人の不幸を利用して自分たちを宣伝して、気に入らない人たちを攻撃しているようで、イヤなものです。
「市民団体や市民への集団ストーカー行為」と表現していた人がいましたが、そんな感じもあったようです。

 事実はどうなのか、これは科学の世界で検証しなければならない話。水害をどうやって防いでいくか、どこにに優先してお金を投入するか、これは政治の話でもあるわけでしょう。
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 1952年に建設の話が始まったという八ッ場ダム、この八ッ場ダムは、10月1日から試験湛水を開始したところでした。まだ38㎝の水位だったとか。空っぽのダムは、わずか1日半で満杯になりました。
もともと3か月かけて水をためる予定で、それも間に合うか、といった程度の水量の川と聞いていた場所なのですが。
 12日に様子を見に行った人がいました。午前午後の水位変化に驚いたと。次の日の朝・・・「まさかの満水」と。
 そこで13日にも出かけて、写真・動画を撮影。
帰り際「ダム放水中」の掲示板があったと、写真を送ってくれました。

 満水のダムがもし緊急放流をすると、どんな心配があるか・・・これは昨年の四国のダムで経験済み。野村ダムではダム放流で5名が、鹿野川ダムでは3名の命が、急な増水で命を奪われています。ゆっくりの増水なら逃げる時間があるわけなのに・・どうしてそんな放流をするかと言えば、ダムが壊れてしまえば、大水害になるわけで、それを防ぐため。
 この間、各地のダム管理の方々は、命の縮む思いで対応していたのではないでしょうか。

ダムは満杯になるまでなら川の増水を減少させ、洪水対策になるかもしれないが、それ以上になれば、凶器になるかもしれない。
ダムがあるから大丈夫というイメージを振りまいていくのは、非常に危険な行為と言えるのではないでしょうか。大金を費やすダム事業のために、切り捨てられたものは無いかといった観点も必要です。
 ずっと前からそうしたことを言い続けてきた人達もいるのに・・・
 そんな紹介も、次回載せてみようかと思います。










2019年9月28日土曜日

マンガンの鉱石

身近にありました 
   マンガンを掘った跡

部屋の整理をしていて、黒い石を手に取りました。

これ、昔、下仁田町で掘られた鉱石のかけら。
マンガンの鉱石
下仁田町で採集

ところでこの石、磁石を狂わせるのです。
それと知らずに写真を撮っていたら、GPSがちゃんと働かず、位置情報がとれなかった・・と。

「 それじゃ、磁鉄鉱だろうさ、
 下仁田町では、昔、近代的製鉄所まで
  造られたのだから 」
と、誰でも思うことでしょう。 
でも、違うのです。
 採掘目的は、鉄ではなくて、マンガン

この鉱石は磁鉄鉱ではない!!
 



写真がマンガンを掘った跡です。黒い部分が目的の鉱石  


黒い部分が帯のようにみえます   
小規模ですが 


まわりの岩石は、層状チャート 
薄い層がたくさん見えています。
                             


昔、こうした採掘跡で遊んだという、この山の持ち主に、この場所を教わりました。
磁石が狂う、という話も、もちろんご存知。

ところでマンガンって何?

 「マンガン乾電池」 とあります。
 最近はいろいろな電池がありますが、いちばん古くからあるタイプの乾電池、この中に入っている黒い粉が二酸化マンガン。
 ここで、「どこかで聞いたような・・?」と思った方もいるかも?
小学校や中学校の理科の実験で酸素をつくるとき、過酸化水素水に入れた黒っぽい小さなかけらが二酸化マンガン、きっと「触媒」なんていう言葉がテストに出たはず。

鉄とマンガンの合金は硬く、鉄道のレールや橋などに使われ、ビール瓶のあの茶色っぽい色もマンガンだとか。鋼の強度・硬度に重要なもので、実は産業界にはとても大切なものとか。 

磁性を持つ理由を、鉱物に詳しい方にうかがいました。この鉱石にありそうなマンガンをふくむものいくつかを教えていただきました。

 ★軟マンガン鉱(パイロルース鉱) MnO2 が主成分   黒い
           これはまさに 二酸化マンガン。
   マンガン鉱物が風化などで酸化してできたりするとか。他の成因もあるようです。

 ★ヤコブス鉱  MnFeO  黒くて磁性を持っている  
     磁鉄鉱のFe2+  をMn2+で置き換えたもの。  磁鉄鉱はFe3O4
        (磁鉄鉱とは固溶体をつくる)

  そうか、これが入っているのか

★鉱石に何やら白っぽい
     ものが    
 菱マンガン鉱(ロードクロサイト) 
   MnCO3
  
これをピンク色と説明されて、ピンク? と聞き返してしまいました。
ま、いいか。「赤土」も、赤というより茶色だものね。
バラ色から赤の美しいものもあるのだとか。

他にもマンガンを含んだ鉱物としていろいろな名前が本に載っていますが、まずは満足。

こうした小規模な採掘は、戦後、海外からの安価な輸入品に押されて、皆、廃業となっていきました。多分、あまり利益にはならなかったのでは。
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 阿寒・摩周湖を訪れたブラタモリ 
「マンガン鉱物が水の流れる陸で作られている貴重な場所」
   
オンネトーの滝の水の流れる岩に、黒っぽいものが張り付いている。
 ノリ?コケ?・・もうちょっと自然のことを知っている人なら、ランソウ?  というかもしれないような見た目。
 マンガン鉱物って、どこで生まれる?

 深海の底にマンガン団塊というジャガイモかお団子のようなものが転がっているそうです。マンガンのたくさん入ったものが、どうやら海の中でできるらしい。軟マンガン鉱でできているとか・・・いろいろ複雑で難しそう・・・
 とにかく、私たちの目の前でマンガン鉱物のできるのが見えるのは、とても珍しいことなのでしょう。

深海に放散虫というプランクトンが降り積もってできた岩石がチャート。
ここで見たマンガン鉱石は、見事な層状チャートの間に挟まっていました。
中古生層のチャートにはさまれた小規模な層は日本全国に見られるそうです。
チャートの生まれる深海底にマンガン団塊が転がっていて、それが今、脈状のマンガンの鉱石になっている・・・なんだか、つじつまの合う話に思えるのですが、どうなのでしょう。海底火山噴出に伴う海底熱水活動に関わるなどと説明しているものもありましたので、なかなか複雑なのでしょうか。
マンガン鉱床は他にもいろいろな成因があるようです。

ちょっとした山あいの岩からも、過去の自然の営みの神秘が感じられました。
こんな場所を教えていただいて、ありがとうございました。