灼熱の日
空に どこかで
演説会がある 石が
真夏の正午 音を立てて乾いている
人間には聞こえない声を
万物が
しーんと聴いている 高見 順
暑い・・暑い・・・ きっと人間が作り出した猛暑なのだろう。
詩人は暑さも、的確に表現してくれます。
春と秋をあまり感じられなくなってきていると思いませんか。
このままでは日本の情緒ある自然・四季がなくなってしまいそう。
雨の降り方も変わってきているようです・・・雨を表すたくさんの語彙がある日本語
でも苛烈な雨ばかりみていると、雨から感じる情緒も失ってしまいそう
雨を表す多くの言葉からは、生活の中で自然を良く見つめた人々のまなざしが伝わってくきます。 小雨 小糠雨 通り雨 村雨 時雨 五月雨 氷雨 慈雨 梅雨 霧雨
白雨 凍雨 秋霖・・・・・まだまだたくさんあります。
山道で、木からときおり落ちるしずくに少し濡れながら歩いていた時、これを
「樹雨きさめ」と呼ぶと教わったことがあります。ぬれるのはそれほどうれしくはなかったはずですが、一緒にいたみんな「いい言葉だねえ、感激!」と大喜び。
最近のゲリラ豪雨などは、情緒とは縁のない言葉でしょう。いえ、防災のためには役立つ言葉かもしれません。
真夏のオリオン座
数日前のこと、朝の4時過ぎに目が覚めました。
窓から外を見ると、太った三日月といった形の 月が見えました。そのすぐ近くに、やけに明るい星が見えます。何?
気づくと、よく知った形の星座が。何だと思いますか・・・オリオン座。そして明るい星はシリウス、少し離れてスバルも見えます。言わずと知れた「冬の星たち・星座たち」。
真夏にオリオン座を見ちゃった!!
えっ、夏にオリオン座見えるの??と思った方もいらっしゃることでしょう。
電気のない時代、陽が落ちれば夜は暗く、人々は月や星をよく見たのは想像に難くありません。おのずと月や星の動きはよく知っていたのでは。
学校で学ぶ星の日周運動や年周運動など、こうして夏のオリオン座を見たりしたら、理解も進むのでは。むづかしく見えてしまいがちな天体の動きも、こうした事実を見てから考えると、案外親しみが持てて、理解につながるかも。
ところで、昨年からオリオン座のベテルギウスが急に暗くなったと話題になっていました。超新星爆発を起こすのではないかなどと、話題沸騰。最近では、放出された塵が原因なのではという話が出ているようです。はるか遠くの星のこと、難しいとはいえ、それなり、調べることができるということにも、驚きを感じませんか。
マツバボタン
マツバボタン 改良品種かな? |
最近のような夏の暑さには夏バテしてしまう。でも、そんなことはものともせず、庭のそこらにいつの間にかはえ、いっぱいの花をつけていたマツバボタン。日差しに負けない真夏の花。たっぷり光が当たらないと生きていけない植物。
昔、農家の庭先には、あちこちで咲いていた記憶があります。
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作家・灰谷健次郎さんの随筆に
マツバボタンが登場していました。
(児童文学者。2006年逝去。内容の一部を紹介します)
麻里子ちゃん、筋肉マヒが進行してその表情すら読み取れない子…
道を歩くにもはげしい踊りを踊っているように歩かなくてはならない。
「あんな子、生きとって何の楽しみがあるんやろうな」
などと心無いことを言う人もいる。
でも、朝、養護学校へ行くためのスクールバスまでの数百メートルの道のり、麻里子はたくさんの生命を見つけ、そしてそれと交換しているのです・・・
マツバボタンにも朝の挨拶をする。
「おはようさん」と一本のおしべに触れると、触れてない他のおしべまで真理ちゃんに向かてあいさつする。この生命の豊かさ・・・
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マツバボタンのこんな性質、知りませんでした。午前中,雄しべは触れた方向に向かって動くのです。やってきた虫に花粉をくっつけるために。午後になると、雄しべは自分から真ん中にある雌しべに近づき自分の花の雌しべに花粉をくっつけます。もし虫が来なくても、何とか種子を作ろうということなのです。なるほど、あんなに咲き誇っていた花も、午後、早々と花をしぼませていました。
草におおわれると育てなくなってしまうので、この花が咲いていたというのは、どなたかが目をかけて世話をしていたということなのでしょうか。
最近は八重咲のマツバボタンが広まって、雌しべも雄しべも、よくわからないかも。性質もいろいろ変わっているかも。
園芸用の様々な花が広まり、「あちこちにマツバボタン」という光景はなくなりました。
庭の花にも流行があります。最近は似ているけれどちょっと違う花が植えられています。ポーチュラカと呼ばれます。一昨年は植えていたけれど、今年は植えていないなあ。そういえば、これも雄しべが動くのか、やってみたことなかったなあ。じりじりとした暑さのなか、咲いている花を探しに行く気にもなれず、写真なしで。すみません。
何でも興味を持って、ちょっとやってみる、こんな姿勢が若さを保つ秘訣かもしれないですね。
いつもいつもコロナと雨・水害の話になってしまうので、夏の点描を書いてみました。
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