ソメイヨシノは咲き終わり、今は八重桜。種をまく時期を、
「ソメイヨシノの咲くころ」とか「八重桜の咲くころ」
などと指南することもあります。
今は穀雨の季節だとか・・種まきに適した時期といわれます。立夏は八十八夜の3,4日後。すぐにやってきます。
ソメイヨシノがはらはら散り始めると、里山の雑木林では山桜(カスミザクラなど)が咲きだします。私はこの頃の里山が大好きです。
毎日のように色合いを変えていく木々の葉、山桜の薄ピンクが霞み、赤いヤマツツジ、そして民家に植えられたハナモモをはじめとした美しい花々の色どり。毎日でもそこらをぶらついていたい気分。
ですが、ほんの短い時期なので、時期を逃す・・大慌てで出かけてきました。山桜はすでに咲き残りだけ。カエデやアケビの花も終わり。春の山を、一生のうちに何回見られるのかと思うと、毎年を大切にしたくなります。
テレビ番組の中で農家の方が言っていました。「稲づくりは1年に1回だけ。だから自分ができるのはせいぜい☆☆回。だから1回1回を大切に、工夫を積み重ねていくのです」。
テレビ番組の中で農家の方が言っていました。「稲づくりは1年に1回だけ。だから自分ができるのはせいぜい☆☆回。だから1回1回を大切に、工夫を積み重ねていくのです」。
高崎の裏山の観音山から富岡市方面には標高の低い丘陵が続きます。約800万年ほど前から1600万年ほど前の海の地層が丘陵を作っています。人にとっては大昔ですが、大地の歴史にとってはずいぶん若い時代で、地層も柔らかく、そこには、なだらかな丘陵ができます。雑木林の続く、まさに里山風景があります。
山吹の咲く小路 |
あちこちにあるキランソウ |
沢沿いの農地 |
なだらかな丘陵は畑になり、その裾に民家が並びます。沢筋は水田に利用されました。谷津田とか谷戸と呼ばれるこうした場所は、多くの生き物の命をはぐくむ場所にもなってきました。動物も植物も。イタチが水路にちょろっと・・・何年ぶりだろう、姿を見たの。
平地の田んぼや畑でも手入れをする人がいなくて困っている時代です、こうした手のかかる場所は、真っ先に耕作放棄地となり、あちこちでヤブが広がっています。
上の写真の場所は、きれいで、なんだか心穏やかになる風景です。
道にもタケノコ |
竹の秋 |
竹の葉が、サラサラ散っていました。竹は春に葉を落とします。「竹の秋」という言葉もあります。そういえば竹藪の竹の葉が、なんだか黄色っぽい 。竹の秋かな?
(なお、竹細工に使うマダケのタケノコは、6月に出ます)
見かけた花をいくつか紹介
もう少し見事な群落をお見せできればよかったのですが、ご勘弁を。
どこにでもあるカキドオシ |
クサイチゴ たくさんありました |
ウマノアシガタ キンポウゲですね |
クヌギの花穂 |
コナラの花穂 |
オトコヨウゾメ |
ムラサキケマン |
コバノガマズミ |
花はふわふわ マルバアオダモ |
どこにでもあるムラサキサギゴケ |
ニガイチゴ |
チゴユリ 里山の代表かなあ |
ニリンソウ |
アズマイチゲ 下仁田にて |
アマナ あまり見かけませんが これは藤岡にて |
富岡付近ではこんな感じの地層でした |
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里山に心奪われたのは40年ほど前。明石の北、神戸市の最も西部になる丘陵地帯をてくてく歩いていた時のことでした。当時そこは「西神ニュータウン開発」と称して、大規模開発が行われていました。南北に走る3筋の丘陵の一番西と真ん中の場所の丘が削られている時でした。
そこは大阪層群と呼ばれる200万年ほど前の砂礫の多い地層の分布域でした。泥の地層も。時々、火山灰がはさまれています。地球の歴史からしたら本当に新しく、まだ固まっていない地層です。淡水にたまったものがほとんどですが、時々海の地層が挟まるというものです。大阪市の地下には厚く堆積していて、地層にはさまる海水由来の硫酸イオンが硫酸になって、人が作った地下構造物に被害を与えたりというので、知られました。
茶色に削られた地面と、残された緑の部分…4月に出かけたそこは、ピンクのツツジに覆われていました。色の濃淡もあり、目を奪われる思いでした。思えばそれはたぶん、モチツツジというツツジ。木に絡んだ黄色い花はジャケツイバラだったのでしょう。小道を歩くと、たくさんのため池があり、スイレンが花をつけ、カメがのそのそ歩いていることもありました。黄色のちいさな花,キンランもひっそり咲いていました。少し開けた場所の大きなため池で岸辺が浅くなっている場所がありました。そこには、サギソウが一面に咲き誇っていました。園芸植物としては見かけますが、今、野生のものなど、いったい見ることができるのでしょうか・・・。大きな白いユリ(ササユリでしょうか)がたくさん咲き誇っていて、一抱え泊まっていたユースホステルに持ち帰ったこともありました。秋には少し這うような形のリンドウが咲き、紫色の大粒の実を付けた木が。野生のマンリョウもあります。キノコ採りの人も見かけました。
春から秋の里山の移り変わりを見続けることになり、しかもそれが、次々消えていくのを見たわけです。忘れられません。 現在、ここは神戸地下鉄の終点の地域です。
私が歩いた時、まだ木々に覆われていた東の丘陵はそのすぐあと開発され、その時、アケボノゾウというゾウの化石が見つかりました。「神戸の自然」というシリーズが作られ、大変ていねいに自然が紹介されており、今ではデジタル化されて、ネットで見ることができます。
ちょっとお日様で乾かしました 電子レンジで簡単には乾かないので |
春には紹介したいことがたくさん。サンショの葉っぱは佃煮にする人が多いでょうが、ほんのちょっぴりになってしまう・・・私は、葉をそのまま乾かして粉にして使うことにしました。電子レンジでチン(何度か)、パリパリになったら、すり鉢で粉に。
ざるとかクッキングシートに載せて 電子レンジへ。焦げるのに注意 |
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やがて雌花は・・・ |
フキノトウに雌花と雄花があるの、ご存知ですか。
雌花 |
雄花 |
こんなことを教えると、びっくりして、喜んでくれます。里の栽培されたフキをみると、み~んな雌花。きっと雌花のフキのほうが商品価値あるのでしょう。
身近な里山も、ちょっと標高の高い地域も、どちらも楽しですよ。