コロナ禍の中、医療関係者の方々の大変さには頭が下がります。
医師たちがテレビにも頻繁に登場して訴えるようになりました。
・倉持仁医師、言葉以前に、TVの向こうから緊張感と怒りが全身から立ち上って伝わってくる。
診断の流れができていない。PCR検査はやる気があればもっとできる。
間に保健所を入れるシステムは早く切り替えよ。国や自治体に危機感がない
・岡田晴恵氏、もうずっと以前から、「発熱外来を作って、医療関係者には早くに
アビガン投与をして」等、言い続けている。彼女の言うことが少しづつ認められてきているどうしてこんなに実現が遅いのか。やると言っても実現しない、あるいはできない理由をあれこれ言う。それより何とかしてよ、と言いたくなる。
どんな国のどんな政府を持っているかで、死ぬか死なずにすむかが変わってくると、つくづく思うこの頃。
こんな中ですが、自然の豊かなこの時期、気分を変えるにも、身近な自然の様子などを紹介してみようかと。
スナヤツメをはじめて見ました
知り合いが我が家に来ました。(コロナによる外出自粛の前です)
「ナナツメ持ってきたよ」
「ナナツメ?」
水の中にいるのは、うなぎのようにひょろっと長い、長さ15㎝弱のもの。
「ヤツメじゃないの?」
なにしろ、頭の先はすっぱり切れたようになっていて、吸盤のように壁に張り付いている。
目の後ろにはいくつか穴のようなものが見える。ヤツメウナギが頭に浮かぶ。
「いいや、ナナツメだよ」
穴のようなものは、たしかに7つ。でも、眼を入れれば8つ。
右の写真、お目眼パッチリなのですが、調べたら、実はこれは産卵期になるころのおとな、
それまでは目は閉じているのだそうです。
7つの”目”の時期が長いのでしょう。だから、見つかるのは”目”が7つ。
目の見えない生活を送ってきたのかあ・・・不思議。
目が開いたころからは、食べ物も食べず、産卵したら命は終わりなのだそうです。
ところで、ガラス越しに「口」を見ると・・・
口と言っても閉じることもできない形で、円形の中に歯が見えます。
これって、閉じることができない「口」。
なにしろ顎(あご)がないのです。だから無顎類というグループに分類されます。その中の円口類という仲間のはずです。
丸い口は閉じられない 歯が見えている |
ずっと以前ですが、ヤツメウナギの干物をもらったことがあります。この時、口をしっかり見ました。ですから、こんな丸い口、馴染みがありました。ウナギとついているけれど、ウナギの仲間ではないのです。
無顎類ってすごく原始的な魚の仲間で、はるか昔に地球上に現れて栄えたはずですが、今では円口類以外すべて絶滅。ちょっとネットで見たところでは、5億2000万年から5億5000万年ほど前に出現したとありました。細かい数字には異論もあるでしょうが、とにかく、古い。「魚の仲間じゃない」という人までいるようです。
まさに「生きている化石」。
鰓穴が7つ |
仲間のほとんどが絶滅した中で生き残ってきた円口類、現在に至るまでに、どんな大変動の中をしぶとく生き延びたのだろうか。
人類は今、ウイルスの脅威にさらされていますが、こんな脅威もきっと何度も受けながら、命をつないできたのでしょう。がんばって生きていってね。
ところでこの魚、すごく減少していて絶滅危惧種に指定されています。環境省で絶滅危惧Ⅱ類、群馬県で絶滅危惧Ⅰ類。川に返した方がいいよね、というわけで、県の絶滅危惧調査の魚に関わ人っているを紹介してもらって、話を聞かせていただきました。
最近スナヤツメは2つの種類に分けられることがわかって、群馬には両方いるのがわかってきたのだそうです。とはいえ肉眼ではわからない差。分布が混乱するので、必ず元の場所に返すようにしてくださいとのこと。もともと冷たい水に住むので、夏になったら我が家では生きていけないだろうな。それよりなにより、産卵したら命は終わりとのこと、目の開いたこの子は産卵期のはずで、もうそれほど長くは生きないのでしょう。
うれしいことに、最近増えてきたそうです。私の住む玉村町にもいるとのこと。
魚を持ってきてくれた人も、昔は玉村でも見たことあるよ、と。もともと、昔はけっこういたよ、と。
この地域に一緒に生きている生き物のこと、新しく一つ知りました。
元の場所に返してあげました。どうぞ子孫を残していって下さいね。
写真は返した場所です。
「また見つけたよ」という人がいたそうです。「大事なものだから、食べたりしちゃだめだよって言ってね」と言ったら、「あれは苦くて食えねえんだよ」。
昔、食べてみた人はいるんだろうな