2014年8月26日火曜日

モンゴルの自然  大草原の香り

 
たまたまモンゴルに行く機会があり、日本とずいぶん違う風景に接しました。
 海外に出かけるのはかなり一般的になった今ですが、日本と違う自然ということで、少し報告を。 

韓国上空から中国・内モンゴル自治区の上空が飛行コースのようです。内モンゴル~モンゴルは乾燥地帯。眼下は茶色の光景の広がりです。
緑のない光景、砂や岩山、山の連なりがよく見え、それぞれの地形模様を描いていました。
                  写真がたくさん撮れたらよかったのですけどね・・・

延々と続く人を寄せ付けない大地に、「日本の核廃棄物を埋めたらいい」と 数年前にまじめ?に言った人たちがいます。ここなら地震もないし、最適だと。   
 ずいぶん失礼なことを言うものです。手に負えないものを他人に押しつけて、目の前からなくなれば、もう忘れて、また金儲けにはげむという人たちなのでしょう。

乾燥地帯に点在する湖
所々に湖が点々とみえる場所もあり、雨の降ったときだけ流れるのだろうと思われる流路模様もたくさんみられました。残念ながら写真ではよく写っていませんので、ご勘弁を。

緑滴る風景を見慣れた日本人の私には、なんだか火星表面でも見ているような気分です。

ウランバートルに近づくと、うねった川が流れて、さすがに水のある場所に都市ができていることを感じさせます。
 ウランバートルにはトール川という川が流れ、これが水源に。

どうやら汚染もあるようで・・・他の川と合流しながらロシアのバイカル湖に注ぐようなのですが・・世界一きれいと言われるバイカル湖・・国際問題にならないのかなあ・・・

飛行場からの光景です
モンゴルに降り立つと、草原におおわれた山々が。  

市街から少し離れると、草原と家畜の群れが普通に見られるのには、さすが、の思いです。
牛・馬・羊・山羊。

道路の脇にひろがる草原に入って散策。ちょっと驚くのは、乗っているマイクロバスがそのまま草原に乗り入れるのです。馬で草原を走るのと同じ感覚なのかも・・・
馬と車ではダメージがまったく違うでしょうから、どうなのかと・・・・

いくらでもあると思っていたものが、ある日気づくとなくなっていた・・・アメリカ大陸で空を埋めつくしていたリョコウバト、おいしい鳥で、大量にとっていて、ふと気づくと、いなくなっていた・・・
鳥類史上最大の数がいたと言われた鳥は、20世紀初頭に絶滅・・・・先進国といわれる国々の過ちを繰り返してほしくないものです。


ウランバートル北東50kmほど(?)のTereljは観光用に開発を進めている場所らしく、草原と山々の姿が美しいものでした。
宿泊施設には普通の建物以外にモンゴルの住居・ゲルもたくさん見られました。
山は花崗岩質の岩山です
 





ゲルに住んでいる人たちもいます。この地域では観光宿泊用もみられます


松の実
針葉樹は何かなあ・・市場には松の実がたくさん売られています。チョウセンゴヨウでしょうか。日本でも松の実は売っていますが、ここでは日本と違い、殻付きです。
殻をうまく割りながら食べると、手間がかかるので、食べ過ぎにならなくて、日本人なら健康上いいかも、、などと、ふと思ったものです。おいしいです。






 森林は北斜面によく育つとか。                                         


上の写真でも、山の片側に木が育っている様子が見えます。
   今、森を切りすぎて、問題になっているようです。

日本は切ってもすぐにはえてきて森になりますが、この乾燥地では、不用意に切ったら、砂漠になってしまうかもしれない・・・・・古代、地中海を制覇していたフェニキアの大艦隊の建造などに大量に使われたレバノン杉は今、絶滅寸前です。森林のひろがっていたはずのシリア、レバノンは、皆さんご存知のように、砂漠のような乾燥地・・・紛争地で毎日のように血の流れる事態です・・・
森林が減ると、水の供給も減少することでしょうし、深刻な話になるのかも・・
     信州大学農学部のチームが森林調査で来ていて、ホテルのロビーで出会いました。

  
モンゴルの人に、「日本の山は、道でないところは登れないの?」と聞かれました。ここではどこを登ってもいいし、登れるのでしょう。「登山道以外は普通の人には登るのは無理」ですね。
宿泊地の近くで、木のはえた部分は、下の写真のようでした。これなら自由に歩けます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
モンゴルの地質は何? 
 
教科書に書かれてある盾状地のある地域だったかなあ??・・どうやらもっと北のシベリアの大地なら盾状地らしいけど・・・・
   (盾状地:古い時代の地層があり、地震や火山活動もなく、安定している場所で、長い間の浸食で、盾を伏せたような地形になったところ。地質は何十億年とかの昔かも・・広大な大陸地域にみられます)。
というわけで、よくわからないのですが、こんな記述がありました。

北部は先カンブリア時代という、非常に古い時代と前期古生代の地層、南部は前期~後期古生代にかけての岩石が分布。  ちなみに、日本はほとんどがこれよりあとの時代。
とても古い時代の岩石の分布する地域と言えます。






上は花崗岩の表面。長石の大きな結晶が見られます。
右上は草原の中に立っていたお祈りの場所に積んであった石。やぐらがあって布が巻かれてあり、その足元には小石が積み上げられています。あちこちで見られます。小石を置き、三回まわり、願い事をとなえるとか。(ちゃんと実行してきました)。その石ですが、チャート、緑色岩といった石たちです。なんだか、下仁田でも見られる顔つきの石です。これらはもちろん、この丘にある石です。

かつて、下仁田と同じような地球の作用を受けたのかも・・・時代は下仁田より古いでしょうが。

泥岩が圧力を受けてできたスレートも見られます。ウランバートル市内の丘にも見られたし、Terelj
では塀に使用していました。下の写真です。



草原少し紹介

 日本で園芸用に育てる花たちをたくさん見かけました。 
 20cmや30cmほどの草丈で花をつけています。
     草原一面、何だかいい香りがしていました。草原の香り。
  花の時期には少し遅いでしょうが、それでもたくさんの種類の花。


ウスユキソウの仲間
エーデルワイスといった方が、みんな喜びますね      「何とかヒゴタイ」という仲間では


 リンドウ                                こんな感じの、見たことあるけど・・・



 
 ヨモギの仲間 たくさんあり、よい香り、「草原の香」でした 
                                        オキナグサの種子に似てるなあ・・
                        
          
園芸種では ルリタマ7アザミというのがあります・・・・ドライフラワーにするので、見かけたこと、ありませんか? 
草原に明るい青い球が点々と。    
西日本にはこの仲間があるそうです。ヒゴタイという、絶滅危惧種。
                                                                       


  



右もドライフラワーにする花ですね。

スターチスという花 
赤や黄色、青の鮮やかな花の色になっていますが。

          ワレモコウ                         ナデシコの仲間

                                   
                                        デルフィニウム 北海道などではき                                                   れいに咲きます
マツムシソウ  日本では夏の終わりの山に咲く魅力的な花                      
                                                             
                             セリの仲間  切り花なら、レースフラワーがこんな花


 ツリガネニンジンの仲間
 



こんな花も、園芸植物にあるなあ・・

 


ウメバチソウ かな・・                       

                                        


  

えーと・・この花は・・・センブリにも似たような・・・


紫色の野菊(ヨメナ?でも、ヨメナは春の花か・・)のような花はいたるところにあります。その他いろいろを以下にのせます。どれもきれいな写真でないのはご容赦を。
                                                                                                     








バッタも見かけます
 

  
時々、草原に大きな孔があります。タルバガンという哺乳類が開けた穴だそうです。大ネズミともよんでいましたが、モンゴルマーモットともいって、国際的な絶滅危惧種。
プレーリードッグみたい・・・肉はおいしいのだとか・・・もう食べちゃいけない・・・
  時々、蝶も飛んでいました。

こんなモンゴルの動物も植物も、急速に減少しているようです。
多くの国が経験してきた失敗を繰り返さないためにはどうしたらよいのか・・・・などと、ふと思わずにいられません。

タルバガンがあけた穴




町の様子を次回少しだけ紹介のつもりです。

1 件のコメント:

  1. 拝見しました。
    とてもよい旅であったことがわかる写真の数々、とても楽しませていただきました。

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