理科の教科書だったら、どんなことが書いてあるでしょう。。。。
<主成分>
● 方解石(カルサイト)という鉱物が主成分の石です。
とはいえ、ふつう、「方解石」というのが何なのかがわからない・・・
化学成分でいえば 炭酸カルシウム
ますます何のことか・・?といわれそう・・・
ますます何のことか・・?といわれそう・・・
方解石の透明な結晶 |
下の紙に引いた1本の線が2本に見える |
東京の科学技術館で開かれた今年の『青少年のための科学の祭典」で、方解石岩塩を子供たちがとんとんと割って、同じ形に割れるのを体験するコーナーがありました。岩塩はサイコロ型に割れる性質があります。こういう性質を劈開(へきかい)といいます。
でも、こう聞いても、見た目からいうと、この透明な方解石と石灰岩は、ほとんど結びつかないなあ。
炭酸カルシウムという成分は、学校で使うチョークの成分になったり、卵の殻・貝殻の主成分だったりします。いろいろと姿形を変えて私たちの前に現れそうです。
ちょっと解説を試みてみます。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
- 材料の化学成分が炭酸カルシウムなら、これからできた結晶が「方解石」。
- 材料がお砂糖(化学の言葉ならショ糖)なら、これからできた結晶が「氷砂糖」、
こんな関係かなあ・・・・
さらに - 小さい方解石の結晶がたくさん集まって、石灰岩という石になる。
一方、砂糖では - すごく小さい氷砂糖がたくさん集まって、金平糖になる・・・正確かな?・・・、ま、こんな感じで、ということでご勘弁願います。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
●石灰石に塩酸をかけると、泡が出ます。泡は二酸化炭素です。
化学成分の炭酸カルシウムはCaCO3と表されますが 、いかにも二酸化炭素(CO2)が出てきそうです。
(化学の時間に大嫌いだった化学式=記号かもしれませんが、こんなふうに、化学式で
書くとよくわかることがあります。)
ふつうの家には塩酸なんてありません。でも、塩酸の入った商品を使って同じことができます。トイレの洗剤のサンポール(商品名)には塩酸がたくさん入っています。結構濃いので、取扱注意です。薄めて使えます。結構おもしろいですよ。
石灰岩が材料のコンクリートでも泡が出ます。
● 鉄よりやわらかいので、ハンマーやクギで傷がつきます。
● 鍾乳洞の鍾乳石も方解石からできています。
サンゴ・貝殻・有孔虫などがたくさんつもってできたといいます。大昔のサンゴ礁がそのまま石灰岩の塊になっていたりもするとか。そんなわけで化石を含むことも多いのです。
・・・ということは、この岩石は昔の海の中でできた・・・*生物起源でないものもあります。
古い時代の古生代のものが多いのですが、もっと新しい時代のものもあります。
下仁田にも、数億年前の古生代のもの(地質年代の石炭紀からペルム紀という時代のもので、2億年・3億年といった、はるか大昔)と、1600万年ほど前のもの(新生代 中新世)がみられます。
(地球の歴史では、1600万年は新しい時代なんですね~)
おみやげものの星砂。白いのが有孔虫
*有孔虫:海にいる石灰質の殻を持った小さな原生動物(殻をかぶったアメーバーといった感じ)。 沖縄土産の「星砂」は有孔虫の殻です。
☆の形をしているかな?
浮いているのと、海の底にいるのとがいて、普通は1mm以下程度の大きさ。
この仲間は古生代の初めから、つまり5億年ほども前から生息というからすごいですね。
・日本の石灰岩は、多くはそれほど大規模でなく、地層中に切れ切れに分布しています。
・雨水や地下水でほんのわずか、ゆっくり溶けます。下仁田にも、そうしてできた小さな鍾乳洞があります。
例:下郷の鍾乳洞
鍾乳洞の中の鍾乳石(左の写真)
一度水に溶けた石灰成分が、ふたたび固体になり鍾乳石となって姿をあらわしています。
学校の理科の時間で、石灰水に二酸化炭素を吹き込むと、白く濁るという実験をしたことがあると思います。あの濁りは石灰岩や鍾乳石の成分と同じというわけです。
写真 堀越武男さん
例:下郷の鍾乳洞
鍾乳洞の中の鍾乳石(左の写真)
一度水に溶けた石灰成分が、ふたたび固体になり鍾乳石となって姿をあらわしています。
学校の理科の時間で、石灰水に二酸化炭素を吹き込むと、白く濁るという実験をしたことがあると思います。あの濁りは石灰岩や鍾乳石の成分と同じというわけです。
写真 堀越武男さん
・石灰岩は日本で自給できる、数少ない地下資源です
< どこにあるの?>
下仁田では、ほとんどの石灰岩体は中央構造線の南地域にあり、古い時代の地層(秩父帯の地層)に多く見られます。
中央構造線の北の地域では、見つかっているのは新しい時代・新生代の石灰岩(中小坂虻田地区)の石灰岩だけです。
・下仁田では青倉川沿い赤谷集落付近に石灰岩の大きな崖が見られます。ここではかつて採掘され、今でも会社があります(白石工業株式会社 白艶華工場)。写真は前回載せました。
この石灰岩の崖は道路わきに見られますが、昔はもっと大きな崖だったそうです。
なお青倉では化石は見つかっていません。2億5000万年前の石灰岩と言われています。
・四ッ又山ふもとの下郷には小さな鍾乳洞があります。
・平原ではフズリナ化石を含む石灰岩が見られます。
( 採取した化石は、自然史館にもあります。写真を撮っていません。ゴメンナサイ)
( 採取した化石は、自然史館にもあります。写真を撮っていません。ゴメンナサイ)
・中小坂の虻田には、新生代という新しい時代の石灰岩があります。大型有孔虫レピドシクリナをたくさん含む石灰岩として有名です。
石灰岩といっても、砂や泥が混じり、砂岩・泥岩と交互に層(互層)
をつくっています(下の写真)。大きな塊となっている古生代のものとは感じの違うものです。
この石灰岩を持ち帰り、うすく切って磨き、ガラスにはり付けてプレパラートにして顕微鏡で見ると、右の写真のような化石の集まりが見えます。
下仁田自然学校の堀越さんが作成し、写真撮影もされました。
レピドシクリナ 写真 堀越武男さん
をつくっています(下の写真)。大きな塊となっている古生代のものとは感じの違うものです。
この石灰岩を持ち帰り、うすく切って磨き、ガラスにはり付けてプレパラートにして顕微鏡で見ると、右の写真のような化石の集まりが見えます。
下仁田自然学校の堀越さんが作成し、写真撮影もされました。
レピドシクリナ 写真 堀越武男さん
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