「木曽のおんたけさん」の名で親しまれている山なのに・・・
噴火規模としてはごく小さな噴火ではあっても、その噴火口の近に多くの方々がいらした・・紅葉シーズンの休日の晴れた日の、皆が頂上付近に集まっていた昼食時間帯の噴火・・・・噴火時間が半日ずれていたら・・雨の日だったら・・紅葉シーズンが終わっていた頃なら・・・自然の力には、あらがうことはできないのだけれど・・・
下仁田の「金剛萱こんごうかや」という山にある火山灰の厚く積もった場所で、御嶽からやってきた火山灰がみつかります。ただし、最近のものではなく、9万6千年ほど前の噴火の火山灰です。地面の下に埋もれていますから、崖になった場所で、赤土の中にみつかります。下仁田にまで地層に残る規模で火山灰がつもったのですから、ずいぶん大きな噴火だったのでしょう。
9万6千年前に噴火を見た人がいて記録を残したわけではなし。残せるわけはないけれど・・・・記録を残せるほど人類の文化は進歩していなかったでしょうし、それより何より、この頃日本列島に人は住んでいなかったでしょうから。住んでいた証拠はみつかっていませんし。
最近まで、人が残した噴火記録がない火山は、死火山とか休火山とかよばれていました(少し年配の方なら、この言葉を学校で勉強したと思います。教科書に載っていました)。御嶽もその分類に入っていたのですが、1979年、突然噴火。このニュース、かすかに頭の中に残っています。
これをきっかけに、死火山、休火山という言葉は使わないことになったという、人の認識を変えた山だったわけです。
下仁田に海苔(のり)が育つ?・・・・カワノリ
浅草のり・青のり・、のり巻き・海苔せんべい・海苔ふりかけ・・・・海苔のつく言葉はたくさんありそう。日本人には欠かせない食べ物。おにぎりで、今日も食べた方もいらっしゃるかも。
でも、この海苔のもとが何なのか、わからない子どももたくさんいるかな。
「海の苔(コケ)」と書くわけで、海でとれる、岩などにくっついているコケのようなものを集めたものです。もちろん、今は「養殖」していて、浅い海に張られた網のようなものに育てています。有明海が有名産地ですが、諫早湾干拓事業で湾奥を締めきって以来、海苔の色が悪くなったり、ひどい不作が起こったりしていることが思い浮かんできます・・・・利害関係も絡み、裁判闘争もあり、周辺の人々は、もう長くこの問題で苦しめられている・・・
ところで、ノリは生物学的に言えばコケ類ではなくて藻類。ワカメやコンブも藻類で、他にもいろいろなものが含まれているグループです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
下仁田でも海苔がつくられていました。「アオクラノリ」の名で、第三回内国勧業博覧会(明治23年1890年)に出品されていたということですから。どこかでノリがとれたわけです。青倉ノリを出品したのは下仁田町青倉の「福田ます」さん。褒賞に輝いたそうです。
下仁田にはもちろん海はありません。このノリ、川に育ちます。藻類で、名前はカワノリ。
下仁田自然学校の名誉顧問・里見哲夫さんが自然学校連絡誌の「くりっぺ」にのせた解説をもとに、カワノリの紹介をしてみます。
まず、本物の写真をごらん下さい。
ちょっとだけ採らせていただきました。これ、小さものものでした。
育つ場所は河川の上流部です。
下の写真をごらん下さい。
・いつも水で洗われる急流の岩に
多く見られます。
・水量は年間を通じて変化が少な
い場所。
・水温は低く、樹木によって適当に日がさえぎられる日照条件
・魚類では、ヤマメ・イワナ・カジカ
の生息域になります。
渓流魚の釣りをなさる方なら、情景が思い浮かぶかもしれません。周辺の環境が良く保存された地域であることはまちがいありません。
このカワノリ、河川の上流部ならどこにでも育つわけではありません。どこなら育つのか、その条件はなかなかわからないようです。
2006年、青倉小学校(廃校となり、現在は下仁田自然史館)の子どもたちが、カワノリについて調べました。子どもたちも、カワノリを地域の宝と感じてくれたのではないでしょうか。
○見られる地域
栃木県が北限、鹿児島県が南限。
中央構造線に沿って、太平洋に注ぐ河川の上流部と言われてきましたが、例外的に、千曲川や鳥取県、新潟県でもみつかったとのこと。
群馬県内では利根川・片品川では見られませんが、他の水系には報告があるようです。青倉の他では桐生川が有名で、桐生ノリの名が残っています。
○現在分布の見られる県をあげてみます。
栃木・群馬・埼玉・東京・神奈川・長野・静岡・岐阜・奈良・滋賀・三重・徳島・高知・大分・熊本・宮崎・鹿児島 古くは各地でノリとして乾燥し、名産品として扱われたようです。
こんなにあちこちにたくさんあるし、食用にもしたものなのに、実は、今、カワノリは、
国のレッドデータブックで絶滅危惧Ⅱ類に指定されています(訂正:現在,レッドデータからは はずれたようです)。意外なことに、県単位でのレッドデータに指定している所は少なく、群馬でも指定されていません。私は、普通、国の指定の方が厳しい印象を持っているのですが・・・。
知らぬ間に数を減らし、気づいたときは絶滅といったことも起こりかねません。
大切にしていきたいものの一つです。
人は、食べる話になると、すぐにとってきてしまいがち。食べることは絶対に慎んで、みんなで守っていきたいものです。
冷たく美しい水の流れる渓流に育つ地域の宝、ジオパークの宝として、保全していくことを願ってやみません。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
道端や山裾に咲く草花
ドングリ
落ちたドングリを拾おうとしたら、とがった頭の方から、しっかりと地面深く根が伸びていました。掘り取って、ちょっと写真を。
ドングリは落ちてすぐ根を伸ばすのですね。知らなかった・・・でも、そういえば、秋に山道を歩くと、なにやら芽の出たようなドングリを目にしますね。来春になると葉っぱが出てきます。
春になったら拾い集めたドングリをまいておこう、と思って蒔いても、一度乾いてしまったドングリは、もう発芽しません。
動物達の大切な食べ物にもなるドングリ・・・
秋だなあ。
花
春の野の花は、可憐でみんなに愛されます。有名な花もたくさんあります。
でも、今ごろの花・・夏が終わり、秋に向かう頃、・・・ はて、何が咲いていたっけ・・・・
道端にはつる草がからみつき、トゲトゲした葉や茎、実もたくさんあり、葉っぱは虫に食われて穴だらけ、あれこれ虫もいそう・・・まだ暑い日もあり、ヤブ蚊も飛んできそう・・・
というわけで、あまり振り向いてもらえない道端です。はえているものも、「雑草」という感じがしてくるし・・・でも、よく見ると花も咲いています。
林の端や道端に咲いていた花をあげてみましょう。
キツリフネ ツリフネソウ 種にふれるとパチンとはじけて楽しい
キバナアキギリ カラマツソウ
ミゾソバ 少し湿った所のどこにでも ヤマハッカ ハッカの匂いはしないけど
セキヤノアキチョウジ 上品な感じ ノハラアザミかな?
ダイコンソウ 普通もっと早い時期 シラネセンキュウ セリ科は多種あるので、
違っていたら、ごめんなさい
イヌタデ ままごとのアカマンマはこの花 ハナタデ かな?
ガンクビソウ オオヤマハコベ
オクモミジハグマ
オケラ 虫だけでなく、植物にもこんな名前があります
ミズヒキの花は、ちょっと大写しにしてみました。
虫眼鏡、ルーペで見ると、「ヘエー、こんなんだ」、と思うことも多くて、別の世界がひろがります。
めしべの先っぽがちらりと見えています。長い枝のような部分につく花は、上と下で、ちょっと違って見えます。咲く時期が違うようです。
最近のカメラは、簡単に拡大画像が撮れて、目で見るよりよく見えてきて、便利だなあとおもいます。
茎にとげのあるアキノウナギツカミなども繁り、秋の山裾にも、花はみられます。
ときには目を留めてみませんか。
0 件のコメント:
コメントを投稿