2015年1月18日日曜日

地質案内 その9 丘陵をつくる地層・只川橋付近

下仁田にある、少し新しい時代の地層
 
鏑川を下っていくと、富岡・高崎へと続くゆるやかな丘陵地形がひろがります。
高崎の白衣観音なども、この丘陵に立っています。この丘陵はおもに砂や泥が海につもった地層からできています。もっとも、白衣観音の付近は、海が浅くなっていって河口に、陸にとなっていった所かな。植物が埋まって亜炭になって、たくさん見つかりましたから。かつては掘って燃料にもしたといいます。
これらの地層は富岡層群、安中層群とよばれ、多くの化石が見つかっていることでも知られています。
下仁田でも右図の黄色く塗った部分に分布しています。新第三紀という時代の地層です。

只川橋付近(図の赤丸付近・高速道路インター近く)の地層は約1650万年前の小幡層(おばたそう)という地層で、この地層の仲間の中では古い方です。「少し新しい」とはいっても、人の尺度からみたら、ずいぶん古いのですけど。
化石も見つかります。

写真で地層のようすをごらん下さい。
     
只川橋付近  川に沿って地層が露出      川に下りてみました川辺にはシラカシの木が茂ります。

 砂泥質の地層には 平らな部分も傾いた部分も見られます。

 
泥質岩の風化のようす  地表に出ていると、まず割れ目がはいり 、ボロボロと砕けていきます 
よく見ると、時々、化石も目にします  これは二枚貝                  


                 



                  
この場所では、以前、小学生と化石採集をしたことがあります。たくさんは採集できませんが、人がたくさんいると、さすが、見つかるもので、サメの歯が見つかりました。

       生き物の残した跡でしょうか →


岩の隙間には白い結晶が見えていました。
沸石でしょうか・・・わからないのですけど・・
   ↓





橋から川に下りるのは、畑の端を通り、少々荒れた竹藪をぬけて行かねばなりません。小さなお子さんなどには、指導者が必要で、注意が必要です。少し不向きかもしれません。



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以下に、この付近の地質解説を紹介します。

地層の重なり方  不整合    
 上の解説図の、黄色と茶色に塗った部分の境目が、不整合です。写真は下に載せました。
 *不整合 水中につもった地層が隆起して陸になり削られ再び水中になって、上に堆積物がつもってできた境目。かつて陸になったり海になったりした証拠。
ここを境に、地層の時代に大きな違いがあることになります。 
  


写真で、上に乗っている板のような地層が小幡層。1650万年前といわれる地層です。
下の石ころの多い部分が神農原礫岩。小幡層よりも古い時代の地層。ひび割れたり切れたりした礫が特徴です。



神農原礫岩の礫  切れたり割れたりしている

境目が不整合・・・・ただ重なっているだけじゃないの?」
「断層じゃないの?写真で見ても違いがわからない・・・」などといわれそう・・・

境目をよく観察し、広い範囲の分布を歩いて、見て、分布も調べ、他の場所も調べ、不整合を確認していきます。

断層部分は見てきませんでした。
というわけで、これで紹介を終わります。


最後に、

滝がある!!  
きっと用水路の水で、きれいな水ではないのでしょうけど、ちょっとステキに見えます。
橋も、下から見上げると、ちょっとかっこいい。 川辺に下りたおかげで見えた光景でした。





 

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