2017年5月1日月曜日

サンショウウオたちの産卵

早春の生き物のにぎわい

アマツバメが飛んでいる!!  
水平の飛行スピード、鳥仲間で最速クラス・・・へえ~、かっこいい。
 (この速度、時速300㎞という人もいれば、200㎞、いや実測169㎞とか、
   いろいろですが・・・実測が難しいのだろうな。)
 子育ての時以外飛び続ける。つまり飛びながら寝る・・・どういうこと?信じられない! (ヨーロッパアマツバメという種類ですが、10か月間飛び続けていたと学術論文に載ったとか・・これも、実際に調べるのは大変でしょう。どうやって調べたのかな?発信機を取り付けた?最近のそういった分野のテクノロジーの進歩は著しいですから)
 
 新緑の空高く、大きく旋回しながら飛ぶ群れを見ました。上空なので「ゴマ粒よりは大きめ」、少し近くに来て、小さめのツバメといった感じ。
見たのは我が家のすぐ近くです。こんな場所で見られるなんて、知らなかった!

こんなのを見て、なぜうれしいかって・・
 数年前、夏の平標山の稜線を歩いているとき、ブーメランのような形のアマツバメが、すぐ近くをビューンと風を切って、音をたてて飛び回っていた・・・それを思い出したから。体長は17~20㎝でツバメの2倍程度と聞くと、たいしたことないと思えてしまうのですが、翼を広げると43~54㎝、迫力ある大きさです。高い山でしか見られないと思っていました。  
 夏に日本にわたってくる鳥で、今は南の国から高い山の地域へ飛んでいく途中なのだという。ここは渡りのルートなのかな。ということは、見たのが1週間前のことなので、もう見られないかもね。
(夏の札幌ではこの鳥、平地にいます。それは見ていたはずなのですが、迫力がわかりませんでした)
  
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 アマツバメたちが目指したかもしれない、水上方面に行ってきました。彼らの行くような高い山ではなく、ほんの山すそ地域ですが。
山裾はソメイヨシノが咲き終わったといった季節でした。今年は雪が多く、林の下にはまだ雪が残ります。でも、生き物たちは動き出しています。

クロサンショウウオの産卵

 新潟や東北など東日本に広くみられるクロサンショウウオ、何年かにわたり産卵数を記録しています。生息地は雪のある地域になるのでしょうね。水たまり(止水)に産卵するサンショウウオです。
クロサンショウウオの親
おなかがパンパンに膨れています
この生き物、残念ながら最近、国の基準で準絶滅危惧種のリスト入りしてしまいました。
群馬県ではもう少しレベルの上の絶滅危惧Ⅱ類に指定。
産んでからあまり時間のたたない卵塊
小さくてピンク色がかる

クロサンショウウオの卵塊
1匹が2つの塊をうみますから、ここには何匹やってきた・・
イモリが卵を食べている場所もありました。
卵を食べる憎きイモリといいたいところですが、イモリも国の準絶滅危惧種に指定されています。
群馬県では絶滅危惧Ⅱ類。
イモリが卵を食べている!
たくさん群がっていました。







                 クロサンショウウオは夏の間どこにいるのかも、よくわからないとか。ほとんど姿を見かけないらしい・・
落ち葉の下?石の下や隙間?
どうやって、産卵に適した水のある場所を見つけいるのか・・生き物の不思議な能力ですね・・

まだ雪も残ります。木のまわり、周囲より早めに丸く雪が溶けているのがいいね。

関東周辺のカタクリの名所は、下草刈りをしたりして、たくさんのカタクリが育つようにしているところが多いかも。そうしなければ、アズマネザサに負けてしまいます。ここでは下草刈りをしなくても、カタクリが育ちます。花の密度は少し低くても、きれいですね。


カタクリ 人が手入れしていない場所です
キクザキイチゲ

水生昆虫 もいます

  水の中で、葉っぱが動きました。
目を凝らすと、何やらたくさんいます。左の写真なのですが、わかりますか。
手に取ってみると、枯葉が丸まっています。はがしたのが上の写真(ごめんなさい)。見事に丸く切り取られた葉が2枚、それからミノムシのように葉っぱをまとった”イモムシ”が・・水中のミノムシ・・これって、トビケラの仲間。エグリトビケラの仲間らしい。


この場所には同じ時期に何度も来ています。今まで誰も気づかなかった・・・はて、今までいなかった? 
 水生昆虫の専門家に調べてもらったことがあり、そのリストに、エグリトビケラって、入っていたなあ。何でも、一度見つかると、次々見つかるものです。一緒にいたメンバーも「ああ、いる、いる」と。
 「日本に恐竜はいない」と言われていましたが、一度見つかると、あちこちで見つかりだした・・・人って、先入観で物を見ているものなのですね。何度見ても新しい発見のあるのが、自然の楽しさです。
 こういった水辺には、実に様々な生き物が息づいています。

トウホクサンショウウオ
 親を見ても、クロサンショウウオと見分けがつかないなあ。
でも、卵はずいぶん違うし、産む場所も違う。湧き水が少し流れこんでいるような所です。これも国の準絶滅危惧種に指定され、群馬県では絶滅危惧Ⅱ類指定。
 
小さいのは、昨年うまれたもの
ここで頑張って生き延びた個体でしょう
共食いもしたでしょうから、生き延びるのは大変です


卵塊です














トウホクサンショウウオのこども


     ちゃんと足に指もありますね。
頑張って生き延びてね。

群馬と新潟との県境地域には、ハコネサンショウウオもいます。水辺には
ヤマアカガエル、アズマヒキガエル、
スミレサイシン
モリアオガエル、シュレーゲルアオガエルと、両生類がいろいろ見られます。
世界中で両生類が減少しています。進化の過程で、背骨のある生き物で最初に陸に上がったのが両生類です。人類の大先輩、彼らが地球上で生きのびられないようなことがあってはいけないと思います。
 こんな生き物たちの記録を、毎年とっています。
いつまでも豊かな生物相が残るよう、願わずにいられません。
生き物たちは、記録後は、もちろん元の場所に返しています。

ウスバサイシン
ヒトリシズカ
派手ではないけれどかわいらしい花が たくさん咲いています。

最後に。
歩いていたら、道に白い毛が・・・

 道から斜面を上の方まで続く。
登ってみると、動物の足が!!
鹿でしょうか。
これを食べるのは、クマ以外いないんじゃないのでは・・
襲うのでしょうか?
ちょっと怖い・・・小人数や単独で歩くときは、ちゃんと鈴付けてラジオ鳴らして歩かねば、と思った次第。
胴体、頭等は見当たらない・・


 雪や泥があるということは、足跡も。
何の動物か、わかる人にはわかるのでしょうが・・・



おまけです。 

フキノトウの雄花と雌花、山のフキノトウがきれいだったので、並べて写真を撮りました。左が雌花です。


生き物の息吹いっぱいの山の、春浅い山の風景でした。



 

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