2017年11月30日木曜日

古くから利用した石・椚石


明日から12月。時のたつのを早く感じるのは、年をとった証拠?・・

すぐ近くの畑でイチョウが色づいています。あふれるほどたくさんの葉が日差しに輝きます。
この季節になるといつも思い出すのが、次の詩

金色のちひさき鳥のかたちして
銀杏ちるなり
夕日の岡に
        与謝野晶子

このイチョウはギンナン出荷のために植えられています。
普通より粒が大きい。

大粒のギンナン





柚子も
黄色く
たわわに
実る頃。

1週間以上も前になってしまいましたが、南牧村の石材・椚石を切り出している場所に行って、お話をうかがってきました。江戸時代から150年にわたり石を切り出しているといいます。
今頃になってしまいましたが、すこし報告を。
 
 白い崖があります。石材産地です。

石工の碑は今のご主人の還暦の記念に作成したもので、文字は奥様が書かれたとのこと。
5代にわたる石工の青木石材。ここの歴史が感じられて、いいですね。
石切り場には碑が立てられていました
5代 150年にわたる名前が書かれています


この石は著名な場所にも使われて来ました。
財務省の玄関にも使われていて、その石を切り出したのは、左写真の奥。昭和8年~12年のことです。切って運び出して…大型の機械のないころ、これらの仕事は大変な作業だったでしょう。

 

原三角測点 
日本では明治に入ってすぐ、測量用の三角点を作り始めたのですが、その最初のころにつくられた「原三角点」というのが下仁田の山に残されており、それが椚石製です。明治15年設置。全国でも3か所しか残っていないという貴重なものです。しかもそのまま埋もれていたおかげで、位置の移動もなく、手つかずに残されたという、貴重なものです。

青木さんの家にあった原三角測点の解説図

馬つなぎ石 

解説も掲げてありました


5角の柱状節理を使っています。
炭を入れて暖を取りました

5角なので、合格祈願!?



椚石の石垣





   


これも石垣です


     右の写真、親が赤ちゃんを抱いているように見える模様
        があると言って、安山岩を「安産岩」。  

 椚石は以前は墓石に多用されたり、コンニャクの石臼に利用されたりと、身近な利用がありました。輸入石材が多く用いられるようになり、椚石の利用も減少しているとのことです。
 江戸時代から続く歴史を残していきたいと語り、子供たちに語り、コンサートを開いて人をこの場所に招いたりと、様々なことを実践している青木石材店の青木さんでした。
長い歴史があるだけに、石工の世界のお話も聞かせていただきました。石工仲間だけに通じる秘密の言葉「符丁」があった、など。
私は以前、盃を頭に載せた?徳利を持った?だったか、そんな椚石の墓石を見たことがあります。なんだか楽しいですね。
 
この訪問の様子は、以下の本多優二さんのブログに載せられています。

http://geogunma.blogspot.jp/2017/11/blog-post_23.html
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 http://geogunma.blogspot.jp/2017/11/blog-post_22.html 
 

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