2016年4月5日火曜日

下仁田のスミレ

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ケマルバスミレ

  スミレの花 咲く頃 はじめて君を見たよ ~~ 

 

どうして日本の古典芸術にはスミレが描かれていないんだろう。


コスミレ かな 
日本の美術史上、古代から中世までほとんど描かれていないとか。桃山時代以後はじめて登場したものの、江戸時代にかけても、スミレ・タンポポなどはほとんど見向きもされていなかったそうです。そういえば、桜・ボタン・アヤメそして萩・すすきといった調子で、スミレには縁がなさそうです。美術・工芸の世界にはむいていないのでしょうか。あんなにきれいなんだけどなあ・・・

エイザンスミレ
やさしくて可愛らしくて少し華やかで、乙女のイメージ。ういういしい乙女に出会う気分。スミレの花束はかつての少女漫画の世界にぴったりで、宝塚の舞台に出てきそうな雰囲気です。
やっぱりスミレは封建時代の武士の姿には似合わないのかもしれません。


山にも間近い下仁田町では、ちょっと町はずれに行けば、山裾にさまざまな花が咲いています。
時には、カタクリも。でもカタクリはもう終わりかけ。スミレはこれからまだまだ咲いています。
ちょっとした晴れ間、下仁田自然学校の名誉顧問・里見哲夫さんにスミレを教えていただきました。4月4日のことです。
  山際に咲くスミレたちは、私にはわからないような種類がいくつもあります。
いちばんポピュラーなタチツボスミレなどはのぞいて、見たものを紹介します。
    


アオイスミレ 春早く咲きます
 




フイリヒナスミレ
ヒナスミレ
エイザンスミレ  良い香り。色には変化があります。  
                        エイザンスミレとヒカゲスミレの雑種がスワスミレ




ヒカゲスミレ
 
    

スワスミレ




 

 エイザンスミレは雑種をつくりやすく、フイリヒナスミレとの雑種のフイリオクタマスミレの葉も見られました。
タカオスミレ(ハグロスミレ) 
ヒカゲスミレの葉の表面が茶色がかる品種

















そうだ、下仁田のスミレの写真を撮って紹介したらいいのでは。さいわい、下仁田自然史館という、写真を紹介できる場所があります。あまり見かけないスミレも、すべて同定できる里見さんという人もいます。
 写真好きの人、きれいな写真をとれる人、花の好きな人に協力していただけたら、楽しいだろうな。


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花が終わると実ができます。パチンとはじけた種子にはおいしい脂肪がついていて,これが目当てのアリがせっせと遠くまで運ぶとか。こうして遠くまで分布を広げます。かしこい!。・・ン・・?どこかで聞いたような・・カタクリ・・。こんな戦略を持つ植物は,いくつかあります。この脂肪をエライオソームとよびます。
本当はスミレは花のあと、あまり種子をつけなかったりして、花のあともう一度つぼみをつけます。でもこのつぼみは開かないのです。そのままで、中で種子をつくリます。こういう花を閉鎖花といいます。こうして,確実にたくさんの種子を作って生きのびてきたのです。ずいぶん心配性な植物です。
調べると他にも閉鎖花をつける植物はありますが,スミレはそんな変な花を観察しやすい植物です。花なんか咲く時期でもないのに、ころんとした実みたいなものがあったら、それが閉鎖花です。(スミレにはたくさんの種類がありますが、全部の種類が閉鎖花をつけるのかな?)
 


花の終わったミヤマカタバミ
じつはこの日、本当はミヤマカタバミを見にいったはずでした。5日ほど前に,満開の群落を見たというので行ったのですが,何と、もうすっかり散っていました。残念。
早々と花を散らすのは,桜ばかりではなかったのです。カタクリも,その他いろいろ。林の木々が芽吹く前、芽を出してすぐに花をつけて、すぐに実をつけて、林の木々の葉が大きくなって光が届かなくなる頃には枯れていく,林床の早春の花々たちです。
                                                           

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