空気が軽やかになってきて、秋が近づいてきたことを感じます。
今までの空気は、なんだかねっとりと、肌にまとわりつくような感触がありました。
遠くの山々が見えてきています。
秋のハイキングシーズンも間近。そんな時に山の生い立ちなど考えるのも、ちょっといいかも。 久しぶりに、下仁田の紹介をします。
下図は下仁田の山の紹介です。
標高は高くないけれど、面白い形の多い西上州の山々です。
(図は貼り出し用に作ったので、ここに載せると、文字が少々小さめになってしまいました。ご容赦を)
高速道路を西に向かって走ると、写真の山々が見えてきます。とはいえ、運転中によそ見は厳禁。下仁田インターを降りた付近でも見えます。
図の写真は、インター付近の丘陵から見たものです。写真は5月ですが、ここは下仁田ネギやこんにゃくのたくさん栽培されている丘陵です。
荒船山は下仁田の町中では見えなくなってきますが、インター出口右手付近では見えています。我が家からもよく見え、幼い頃「屋根みたいな形だなあ」と思っていたものです。厚い硬い溶岩がこの地形を作っていたわけです。
下仁田の町中に行くと、鹿岳の右手に見えるのは荒船山でなくて三角形の山です。右の写真です。落沢とよんでる山(名前が間違っていたら、教えてください!)。
貫入した玄武岩でできた山とのことです。登山ルートもなく、私もまったく知らない山です。町からはとてもよく目立つのですが・・・
マグマが地下から上がってきた通り道・火道 これが固まってむき出しになって見えているのを岩頸(がんけい)と呼びます。それが鹿岳。写真の真ん中の二つのこぶです
宮沢賢治が、岩頸の説明を楽しく童話風に書いています。
以前書いた解説が以下にあります。
http://geoharumi.blogspot.jp/2013/09/1.html
。
下仁田の西部地域は、数百万年前(900万年前とか800万年前とか、もっとあとまで)には大規模な火山活動が繰り広げられていました。大規模な陥没がおこったりもしています。これらは陸上の噴火で、その名残が、こうして様々な形の山となって見えているのです。
(気づいたら、数百万年前を数百年前と書いていました。すみません。)
左手の四ツ又山は、下仁田の「クリッペ(根無し山)」の一つで、クリッペのなかでいちばん大きな山です。登山者が登る山で、気軽に行くというわけにはいかないかもしれません。四ツ又山から鹿岳を巡るコースもあります。いろいろな石からできていて、よくわからないなあ・・とにかく、どこからか移動してきた岩塊です。クリッペは、下仁田の地質を代表する現象です。
下仁田自然史館では、10月から、四ツ又山を取り上げた企画展を開催します。
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尖った山頂の小沢岳もハイカーの多い山かと思います。その姿から、下仁田のマッターホルンという人もいました。古い時代の地層からできた山で、山頂のチャートは深い海の底に積もったプランクトン(放散虫といいます)が固まってできた石です。ですからこの山は、火山ともマグマとも関係ありません。深い海の底が、今は山になっているんだあ・・と、考えてみれば、面白い世界。
幼い頃、山というのはみんな火山が噴火してできたと思っていた・・・
我が家からよく見える赤城山も榛名山も、みんな火山だったわけですから、無理もない。
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車で移動する場合、下仁田道の駅に立ち寄ることも多いでしょう。
この場所の入り口には大きな「柱状節理」の「看板」が立てられています。
地質材料の豊富な下仁田らしくて、いいなと思います。
道の駅から見える 大桁山(おおげたやま)で採取したものです。山の形に特に特徴はありませんが、なだらかで、どっしりと、おおらかな感じの山が大桁山。マグマが地下から周囲の地層を押し上げてできた山。頂上には押し上げられた、昔の海に積もった砂岩や泥岩があります。その下には突き上げてきたマグマが固まってできた岩が見られ、そこでこの柱状節理が採取されました。骨材として利用されていました。
この柱は、操業していた会社から寄贈されたとのことです。
少し詳しく説明すると、頂上の砂岩・泥岩は 第三紀層の小幡層・井戸沢層、そこに火山岩体が貫入して押し上げたというものです。
下仁田町で廃校になった小学校2校の門柱もこの石を使っていたとのことです。
上の柱状節理写真は、掘り取った後に水が溜まっていた場所です。とてもきれいに見えました。
柱状節理の柱がたくさんありますが、現地は現在閉鎖されています。
柱状節理自体はあちこちで見られ、世界遺産になった荒船風穴周辺にもみかけました。
きれいなものというと限られるかもしれませんが、山に行ったときなど、ちょっと目をとめてみませんか。
遠くの山でも、近くの山でもいいので、その地形に思いを巡らせるというのはどうでしょう。
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