2020年7月27日月曜日

疫病とお祭り

風通しのよさ

コロナ対策のひとつは・・・密閉空間を避ける、風通しを良くする・・・
 昨今の気密性を高めた家とは正反対
 心がけて窓を開けたりしなければ。

 最近、「風通しのよさの意味」を感じたことがありました。

 我が家の台所の隅には、ジャガイモや玉ねぎを入れた箱がいつもあります。
冷蔵庫に入れる必要のなさそうな季節には、ダイコンやネギ、キャベツ、白菜などいろいろ入ります。
 ずっと以前、30年とか40年といった昔のこと、忙しさに紛れて(いい加減な性格から?)箱の中をろくに掃除もせずにいて、やっと中身の整理をしようと箱をみたら、なんと・・・どろんと腐った野菜の中に、きれいな黄色いグレープフルーツが!!
ミカンならまず最初に腐りそうなのに・・・
輸入品のグレープフルーツにはきっと防カビ剤などが たっぷりまぶされているに違いないと思って、記憶に残りました。

   以前使っていた箱          今使っている箱
 

 最近、いらなくなった箱を使い始めました。箱の底は板状ですが、周囲は穴あきです
これに野菜を入れてみたら、なんだか傷みにくい感じ。
そうか、風通しがいいというのはこういうことか、と。
底まで穴あきでは砂やごみが落ちて飛び散るので、家の中では使いたくなかったけれど、これならOKです。
 こんな単純なことなのに、気づかなかったなあ。
  ただ、こういう箱はあまり見かけないです。

疫病除け

天災は、ただ耐え忍ぶしかなかった時代、人は神様にお願いしました。
私の住むところ、玉村町下の宮でも、そんな風習が残っています。

 毎年7月25日ころ、子どもたちが「麦わら舟」をかついで(リヤカーに乗せて、さらに今は軽トラにのせてだったかな?)、太鼓を鳴らしながら「天王さま(てんのさま)ワッショイ」と掛け声をかけながら村をまわります。各家庭の玄関で
「悪魔っぱらい、悪魔っぱらい(悪魔払い)」と家主の頭の上で御幣(と呼んでいいのかどうかよくわかりませんが)を振り、厄除けのお札を配ります。
写真は25年も前の、この行事のようすです。


 由来は、昭和初期に疫病が大流行したことからです。
古老たちが相談し、八坂神社が災難除けの神様であることから、麦わら舟を奉納し、厄除けをしようということになったのだそうです。各家をまわり終わると、舟は村を流れる利根川へ流し、厄を流し去ります。

 子供たち中心の行事ですが、神社の総代の方たちなどが麦わら舟を作って、当日も一緒にまわってくださっています。例年、暑さでたいへんなのですが、今年は雨続きにコロナ、子どもたちに出歩かせることもまずいわけで、大人がお札を届けてくれました。それに、コロナで通えなかった遅れを取り戻そうと、学校は夏休み返上、子どもは勉強中なのでは。
 この地区には平安時代から続き上野12社となっている神社があり、順番に担当しながら行事などを実施しているので、こうしたことを担当する大人もいるわけです。
 この付近はバブルの頃、住宅が、大量に増えました。
昔からの行事、新しく移り住んだ人には、「?」という気分かもしれません。
家が多すぎて下の宮地区全部はまわっていないのかもしれない・・・・聞いてみないとわかりません。加わるのは男の子だけだし、なおのこと、様子はわかりません。ちょっと古臭いかな。



実は、近くの集落・五料で、大きな麦わら舟を作って流す、大人たちのお祭りがあります。
江戸時代には河岸のあった地域で、水難除け祈願から始まったとされています。

テレビニュースなどにも取り上げられる、少し知られたお祭りとなっています。





すぐ隣の箱石では、疫病除けに「地蔵祭り」があります。
こちらは明治後期、疫病が流行した時、地蔵様をかついで回り、祈願したのが始まりのようです。
お地蔵様ですから、普段はお寺に祀られています。
小さいお地蔵様を厨子に入れ、ロウソクと線香を立てます。
子どもたちは「地蔵様ワッショイ」と掛け声をかけながら地域をまわります。




 我が家からは利根川の川向うになりますが、玉村町藤川には、「すみつけ祭り」があります。起源は江戸時代元禄年間といわれます、疫病がはやった時、転んで鍋の墨が顔についた女性が病気にならなかったことから始まったと言い伝えられているようでこす。
顔に墨を塗った大人や子供が、家々を回って家の人に、ダイコンにつけた墨を塗るという、変わった祭り。墨をつけてもらうと、その年は無病息災、と。
これも、テレビニュースに取り上げられます。
でも私は一度も見たことがありません。
その地域の人で「汚くていやだ~」といっていた人がいたけれど。

昔から、人々は疫病には大変な思いをしてきたことがわかります。
実は私も、幼い頃、「疫痢」にかかったことがあります。すぐ近所の、遊んでいた子は亡くなりました。
お祭りが残されたような疫病のときは、ずいぶん被害がひどかったのでは。

 現在は、グローバル化で、あっという間に世界中に病気が広がる時代になったことを、つくづく感じます。
多くの方の命を奪っているコロナ禍、やはり恐ろしいものです。
気をつけるしか方策がないというところが怖いです。どうぞ皆様も、お気をつけください。





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