東京付近では「入学式の桜」が「卒業式の桜」になってしまったのかもしれません。
仙台でソメイヨシノが3月31日に満開?!
70歳代の仙台出身の人が言うには、
「サクラの満開は、4月15日,いや25日くらいだった・・・」
他の生きものの様子を書きましょう。
~~~ クロサンショウウオの産卵 ~~~
2021/4/3 卵のうは約1400個見られました |
本州の北東部に住んでいるようです。
群馬県なら県北部で見られます。
群馬は分布のほぼ南限に近いようです。
写真はなかみ町の湿地。毎年、4月に訪れて、数を数えています。1匹のメスが,このぷよぷよ(卵のう)を2個うむのだそうです。この中に小さな卵が30~40個入っているとのこと。
ところで、今年は、実はびっくりしたのです。 何にかというと、「卵のうの数」にです。
2019/4/6 卵のう42個でした |
ことはありませんでした。ちなみに、例年は左の写真
のような光景です。卵はほとんどありません。0だったりもします。
4月上旬の産卵数
(こんな多いのは初めて)
サクラばかりでなく、いろいろな生き物の動きにも春の訪れの早さの影響があるのでは・・地球温暖化が頭に浮かびます
2020/4/25 |
枝などに卵のうをくっつ
けて産卵しています。
数の減少がめだち
環境省の絶滅危惧種に
指定されています。
取ってきて飼おうという人もいるようですが、ペットとするのでなく、自然の中で見てほしいものです。
2020/4/25 |
それにしても、姿を見ることもなかかなわないこのサンショウウオたち、一体どこからこの場所に集まってくるのでしょう。
多い時は、2860個の卵のうを数えたことがありました。1匹が2個の卵のうをうむと聞きましたので、メスだけでも1430匹・・・・
もしかして、時間をおいて何回かうむということはないのか…などと思ったり・・・数の多さに、疑問がわいてきたりします。
2019/4/26 |
産卵してあまり時間がたっていない時は、まだ細長い形をしています。小さくてピンク色を帯びているものもあります。産卵直後なのでしょう。卵のうは水を吸って、次第に丸みを帯びてきます。
産卵に来た親を見ることもあります。産卵時以外で親の姿を見かけることはほとんどない生き物です。
どうやってこの場所を知るのかも含め、生きものは不思議なものです。
ちなみに、4月下旬~5月上旬の卵のうの数を、今手元にある資料だけですが、数を挙げてみましょう。1か所でこんなにたくさん産卵する場所は、あまりないかもしれません。
2008年 2010年 2011年 2012年 2011年 2012年 2013年 2020年
2600個 2500 1580 2860 1580 2860 2020 1320個
こうした場所、浅い水でしかもほとんど流れのない場所に産卵するという生き物です。
こうした場所が失われることなく保全されることを願います。
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ところで昨年末、気象庁からこんな発表がありました。
1953年から続けてきた生物季節観測(生物暦)を大幅に縮小する
今まで植物34種 動物23種を対象としたが、今後は6種9項目とする
(アジサイ、イチョウ、梅、カエデ、桜、ススキ 開花や紅葉などの記録)
理由:気象台・観測所付近で標本木を見つけることも困難になり、動物については見つけることも困難になった
多くの反響があたそうです。
そこで気象庁は発表を変更しました。2020年12月28日にこんな発表がありました。
「 市民参加による 四季の生物観察をするため、気象庁は環境庁とも連携して、講習会や観測マニュアルを作成」
市民参加、これですよね!!
もしかしたら気象庁の若手職員は自体が自然の動植物に親しんだこともなく、知らないのかもしれません。観測すると言ってあげられた6種の植物の名前を見て、なんだかがっかりした気分でした。どこかの公園に人が植えたもの、という感じもしてきますし。
いなくなったからやめるでは、生きものとの共存もできなくなり、自然に親しまず、自然を大切にすることもできなくなるでしょう。生物ごよみを気象庁の仕事として始めたのが私の生まれた年というのも知りました。この間に、生きものがどんどんいなくなっていった、田舎住まいだった私は肌で感じてきました。
自然観察は楽しいものです。楽しみながら記録継承に多くの人が参加できたら、素敵なことです。しかも、今、生きものの動きが、地球温暖化の影響を受けていて、どんどん変わってきています。こんな時こそ、生きものの記録は大切です。
花の咲くのが早くなったといったことは、市民の目で確かめられます。何と言っても見る人の数が多いわけで、緻密な観察ができるかもしれません。この間、開発による消失も、いたましほど進みました。その様子も目で確かめることができます。
最近は群馬ではカッコウの鳴き声が聞かれなくなったと昨年知って、びっくりしました。「カッコウが鳴くころ豆をまく」と言われて、そうしていたのですが、「あれ、カッコが鳴かないなあ」などと思ったのはいつからだっけ…まさか、いなくなったなんて・・」こんなことから環境変化を誰もが感じることもできるわけです。今後10年が勝負と言われる温暖化の進行も、事実として認識できて、対応を自分事として考える機運にもつながりますし、記録にも残せます。
気象庁と環境省には、市民参加のいいシステムを作っていってほしいです。省庁横断の事業というのも、好ましい動きでしょう。
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