ソメイヨシノの咲く季節になりました。
ソメイヨシノの咲く少し前のころ、丘陵や低い山の付近に行くと、まだ葉の出ない木々の中に、ほんのり薄ピンクの桜の木がぽつぽつと見えます。エドヒガンとよばれます。山に春を呼んでくれる女神のような上品さを感じます。
ソメイヨシノの片親とのことで、葉の出る前に花をつけます。ソメイヨシノはこの親の性質を受け継いでいるのでしょう。 写真では、手前は園芸品種かと思いますが、山の中の木は自然のままのエドヒガンでしょうか。大きな木にもなり、寿命も長いとのこと。
サクラには多くの品種がありますが、ドヒガンが親の品種もたくさんあるようです。子供にあたるソメイヨシノは寿命の短い木ですね。
最近、公園や道路際で早春から目立つ姿を見せてくれるのは河津サクラですが、これは人が植えたものです。満開のソメイヨシノの華やかさの前に、近くの山でほんのりと温さを伝えてくれる桜にも、気づいていただけましたら。なんだかほっとする、里山の姿です。
今年はコロナで、花見も控えてほしい状況です。公園やサクラの名所は行かない方がよいでしょうが、こうした自然の中、近隣の里山には、ほっとするような桜の姿があちこちにあります。人もほとんどいません。飲めや歌えはまずいですが、静かに味わう花見はいかがでしょう。
他の花も少し紹介しましょう。
草が茂って、何だか物騒な感じだになっていたものを、住民がきれいにしようと定期的に集まり、整備をはじめた場所です。
河川敷に木が茂っていたので下草を刈ったら、こんなにきれいになりました。花は自然に生えたものです。
紫は、ムラサキハナナ(花だけ拡大したものも載せました)。
黄色は菜の花、畑から逃げ出した出ものが、堤防や河川敷にたくさん咲きます。
ちょっとした川などあったら、こんな花が自然に咲いているかもしれません。ソメイヨシノも咲いています。これは昔、植えたものでしょう。
ムラサキハナナについて少し解説。
ショカッサイとも、オオアラセイトウとも言います。
オオアラセイトウ…どんな花だろうと思っていたことがありました。スウェーデンの児童文学「名探偵カッレくん」シリーズの一節に登場していました。「長靴下のピッピちゃん」を書いた作家です。かなり緯度の高い北国スウェーデンでは、夏は白夜に近く、夜遅くまで明るい日が続きます。そんな夏に子供たちが家を抜け出して夜まで活発に活動しまくるのですが、その中に「オオアラセイトウの花の咲き誇る」といった感じの情景がありました。名前が何だか素敵で、どんな花だろうと思ったものです。ずっと後になって、この花だと知りました。
オオアラセイトウ…どんな花だろうと思っていたことがありました。スウェーデンの児童文学「名探偵カッレくん」シリーズの一節に登場していました。「長靴下のピッピちゃん」を書いた作家です。かなり緯度の高い北国スウェーデンでは、夏は白夜に近く、夜遅くまで明るい日が続きます。そんな夏に子供たちが家を抜け出して夜まで活発に活動しまくるのですが、その中に「オオアラセイトウの花の咲き誇る」といった感じの情景がありました。名前が何だか素敵で、どんな花だろうと思ったものです。ずっと後になって、この花だと知りました。
でも、昔からこんなにたくさん見かけたわけではありません。もう50年ほども前、大学受験で東京に行った時、試験会場の外に沈丁花の花が香り、その下に見かけたことのない紫の花が咲いていて、その優しい色に心をいやされたのを思い出せます。これがムラサキハナナでした。今は園芸用の種子も売っていますが、とにかく野外で広がり、今では写真のような状況です。外来種というわけです。原産地は中国と書かれてありました。戦争中、中国大陸に渡った兵士で、この花に慰められ、種を持ち帰った人がいたという話を聞いたこともあります。外来種の増殖は、地域の生態系を崩しかねないので好ましくはないのですが、この花、日本の自然を壊さずにしっくり馴染んでくれたらと願います。
近くの里山で見かけた花を紹介しましょう。
ニリンソウ |
こんな里山の道端や石垣、空き地に 小さな花が咲きだしています。
標高400 ~500mほどの 藤岡の里山です。
もう少し標高の高い場所に行くと、まだ草花は目立ちませんが、キブシ、アブラチャン、ダンコウバイの黄色い花が、木の枝をうめていました。
家は下仁田町の山間に見られる平原(へばら)集落。かつては山での仕事で生計が立てられ、各地にこうした集落があり、たくさんの人が住んでいました。また、峠道を伝って人が徒歩や馬で移動していたわけで、こうした集落は大切な役割を果たしていたはずです。
自動車の利用が普通になったのなんて、ほんの最近のこと。私でさえ、まさか、自分が車を運転して、あちこち出かけるなど、思いもしませんでした。
自動車の利用が普通になったのなんて、ほんの最近のこと。私でさえ、まさか、自分が車を運転して、あちこち出かけるなど、思いもしませんでした。
こうした山道を歩いていた人たちは、本当に足腰が丈夫で、動くことをいとわず、一緒に歩くと、わが身のなまくらさを感じてしまったものです。
写真を撮った場所は、最近まで3件の家があったそうですが、今は1軒だけで一人のかたがおすまいとのこと。人なつこい犬が出迎えてくれました。急斜面の続く地域に、きれいに手入れされた家と庭・畑があり、ハクモクレンやサクラがきれいに咲いていました。お住まいの方は働き者なのですね。
道端に植えられた花 トサミズキ |
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