2013年9月16日月曜日

山の形 その2 妙義

地形  山の形・その2 です。

   
4.ぎざぎざの山、 妙義山   じいとばあ
凝灰角礫岩と溶岩の侵食がうんだ奇岩・奇峰。それにしても見ごたえのある形を見せてくれます。火山の噴出物と侵食との絶妙な組み合わせからうまれました。
   (凝灰角礫岩 :火山灰と溶岩の砕けた角張ったかけらの混じったもの)

 
 

妙義


 

  

様々な楽しい岩の形と、そこを歩くスリルを楽しめます。
秋には紅葉が岩峰に美しく映え、人気の山です。
カメラマンにも大人気。


足元をすべらせる重大事故も起こりますから、標高が低いと油断してはいけない山です。



  

金剛萱より遠望
 じいとばあ 












遠くに見える人影?・・                              国道254からの遠景  絵:野村哲さん
  
妙義と同じような岩の造形です。

 
 

岩肌に育つ植物たち


急峻な岩壁、岩の隙間には、ほかでは見られない植物が育っています。学術的にも大切な植物がたくさんあります。絶滅危惧種に指定されている植物も何種類もあります。
岩場に生える植物には、ミョウギの名のつく植物も。ミョウギトリカブト、ミョウギシャジン、ミョウギカラマツといったもので6種あります。また、この山で発見され種名がつけられたものが数種あるそうです。貴重な場所ですね。
こういったものは、限られた場所でしか育たないものです。大切にしなければ。

岩壁を見上げると、イワヒバがはりつくようにたくさん見えます。でも、その周辺を登りながら、「昔は歩いて手の届くところに、たくさんあったんだよね」という話を聞きます。・・・・きっと、誰かが採ってしまった・・・・

        庭先で育てられているイワヒバ
     こんなふうに岩にはり付けて育てます
      
 
 きれいな花をつけるもの、珍しいもの、「貴重」なもの、見栄えのするもの、これらは日本中でどんどんなくなってきました・・・・・販売目的でとられたものもあります。ですから、次々絶滅危惧種が増えていく・・・・・・・
  絶滅危惧種をリストにしたレッドリストというのを、国でも各県でもつくっています。たくさんの名前が登録されている!嘆かわしい・・・

残念ながら、日本中どこでも、植物の情報は広く知らせることができないのが実情です。うっかり知らせてしまって、そのあと掘り取られてしまったという、苦い経験を持つ人もいると思います。

みんなで植物を・自然を守ろうという気持ちを、ジオパークでもしっかり育てていきたいです。採るのではなく、カメラで撮る。多様な植物・動物を守り共存する姿勢を、みんなが持つようになるには、どうしたらよいのか・・・・
 
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 新潟の西部から群馬さらに伊豆といった地域をフォッサマグナ地域といいます。日本列島の大きな割れ目といった感じで、どこかで聞いているかも。
植物の分布にも、フォッサマグナ要素というのがあるのは、あまり知らないかと思います。フォッサマグナ地域とその周辺に分布するものです。たくさんの種類があります。

フォッサマグナ地域と分布の例  図が見づらくてすみません
        関東の地域が入っています。
        点はハコネギクというフォッサマグナ要素の植物の分布です。
                    

 フォッサマグナ地域は激しい火山活動をともない隆起し、さらに新しい火山を形作った・・その一つが妙義や荒船の山々で、この新たな火山の周りの、植物もろくにはえていない裸地に入り込んだ植物が、その場所で変化して、様々な種類となったといいます。そんな歴史を持つので、フォッサマグナ要素の植物は植物のたくさんはえる森林内にはほとんどなく、岩峰や草地などに育ちます。
 

妙義や荒船山には、そんなフォッサマグナ要素の植物がたくさんあります。名前にミョウギの付く植物はもちろんこのグループですし、ほかにもたくさんの種類があります。
  植物も大地といっしょに歴史を歩んでいます。

1 件のコメント:

  1. 読ませていただきました。
    とてもよいと思います。

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