2019年10月24日木曜日

堤防決壊について

続く台風、明日も雨
 ・・・・被災地の皆さんの疲労はいかばかりか・・・
もしわが身なら・・・疲れきって動くこともままならないのでは

先ほどのテレビニュースでは遊水地が大きな役割を果たしたなどの報道が流れていました。
 もともと関東平野などは、川が氾濫しながら流れを変え、土砂を堆積してできたもの。自然に任せれば、川は気ままと思える動きで、流れる場所を変えていくはず。
それを、決まった場所を流れるようにと人が手を加えて生活をしているわけです。
簡単な話ではないはずです。

 「ダムができたからもう安心」というイメージを振りまくのは危険でしょう。
自然はそれに従ってはくれないでしょう。
様々な知恵を集め、様々な手法を駆使していかねばならないはずです。

2015年の鬼怒川水害を覚えておいででしょうか。

4つの巨大ダムをつくった鬼怒川、そのうちの一つ湯西川ダムは2012年に完成したばかり。それなのに、大規模水害が起きました。

2015年の水害では、下流では堤防の決壊がおこり、大災害を起こしていました。

この時いただいた資料を紹介します。

ダムに依存するのでなく、堤防の整備を先ずするべきという主張、こうした主張は何度も繰り返されてきているといいます。

 堤防の強度を高める技術があるのに、国交省はそれを放棄しているというのです。
 資料では「水害で最も恐ろしいのは 堤防の決壊です」と述べています。
まるで、今書いている文章のようですが、そうではなく、数年前のものです。

決壊しにくい堤防技術、その方法は、堤防をコンクリートブロックやアスファルトで覆う、堤防に土とセメントを混合したソイルセメントを注入して連続地中壁をつくる、鉄鋼版を打ち込むなど。最近の土木技術は、確かにすごいものがあるようですが、それをどこに使うかが大問題。)
(嶋津暉之氏「千曲川や那珂川(なかがわ)などで堤防決壊が起きていますが、既に堤防決壊しにくい堤防技術ができているのです。その技術を国交省はなかなか認めようとしない。認めてしまうとダムを作りにくくなるためと(私は)見ていますが、(その技術開発は)国交省自身が始めたものですが、それを途中から否定して進めなくなった。これも大変な問題だと思います」)




お金が関わる・・・・
利権が関わる・・・
巨大工事ほどうま味がある・・・
 
 鬼怒川のダムの場合の、ダム予算と河川改修予算の違いを、グラフで見てください。


もう一つの洪水対策は浸水警戒区域を指定し、建築許可等に制限を設けるというものです。

新幹線車両基地での多数の車両の水没を見ると、自然災害への緊張感の不足も感じてしまいます。災害なんてめったにおこらないと思っているうちに、最近の日本は大地震も大水害もおこっている・・・・災害をわがこととして感じる昨今になってきました。
私の身のまわりでも、子どものころと比べて,いえ、もっと最近の方が顕著に、1990年代から明らかに気温は相当に上がっています。温暖化により、大気中の水蒸気が増え、降水量が増加…こう聞きながら、まさに身をもって感じるこの頃です。

科学者はもうとっくの昔にこの事態を予想し、公式見解として国際的に公表してきているというのに・・・

なんだか中学生高校生のレポートのようになってしまいましたが、それにしても、今後も心配です。
自然をなめてはいけない。思いもかけないつながり、影響がある。何でも管理できると思ってはいけない。 あらためて思うこの頃です。











2019年10月22日火曜日

台風とダム

台風被害に心が痛みます。

 秋の風情を届けようかと思いつつ,さぼっていたら、各地での水害の情報・・・
 伝えられる情報に、それを見るばかりの日が続きました。


 今頃と言われそうですが、左は私の家のすぐ近くの利根川の10月13日のようす。右岸は玉村町、左岸は伊勢崎市といった場所です。前橋県庁から15㎞ほど下流でしょうか。
台風一過の秋晴れの日でした。

子どものころ、もう50年以上昔、小学校の先生が、洪水に備えて堤防を強くする必要を話していたのを覚えています。まだ戦後すぐのカスリン台風の記憶の残るころのことです。


 こちらは14日の下仁田町鏑川の青岩公園。左に川の流れ。右は公園で、増水で運ばれた砂が積もってます。右の石垣の上には、民家もあります。

下写真は民家の庭先に転がる木のようす。
 


台風が苛烈さを増し、雨の降り方も強くなっていることを、肌感覚でも感じるこの頃。





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 こんな折、「八ッ場ダムのおかげで利根川は氾濫を免れ、首都圏は助かった」といった言葉が飛び交っていました。私の身近でも(近所、ちょっとしたグループ、たまたま話をしていた人など)「八ッ場ダムができていてよかったね」という言葉を何度も聞きました。ネット上では炎上状態・・・

 やんばダムに反対している市民団体をこき下ろし、ダムに感謝しろ、ダム建設中止を一度言った民主党を批判し、といったものは、人の不幸を利用して自分たちを宣伝して、気に入らない人たちを攻撃しているようで、イヤなものです。
「市民団体や市民への集団ストーカー行為」と表現していた人がいましたが、そんな感じもあったようです。

 事実はどうなのか、これは科学の世界で検証しなければならない話。水害をどうやって防いでいくか、どこにに優先してお金を投入するか、これは政治の話でもあるわけでしょう。
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 1952年に建設の話が始まったという八ッ場ダム、この八ッ場ダムは、10月1日から試験湛水を開始したところでした。まだ38㎝の水位だったとか。空っぽのダムは、わずか1日半で満杯になりました。
もともと3か月かけて水をためる予定で、それも間に合うか、といった程度の水量の川と聞いていた場所なのですが。
 12日に様子を見に行った人がいました。午前午後の水位変化に驚いたと。次の日の朝・・・「まさかの満水」と。
 そこで13日にも出かけて、写真・動画を撮影。
帰り際「ダム放水中」の掲示板があったと、写真を送ってくれました。

 満水のダムがもし緊急放流をすると、どんな心配があるか・・・これは昨年の四国のダムで経験済み。野村ダムではダム放流で5名が、鹿野川ダムでは3名の命が、急な増水で命を奪われています。ゆっくりの増水なら逃げる時間があるわけなのに・・どうしてそんな放流をするかと言えば、ダムが壊れてしまえば、大水害になるわけで、それを防ぐため。
 この間、各地のダム管理の方々は、命の縮む思いで対応していたのではないでしょうか。

ダムは満杯になるまでなら川の増水を減少させ、洪水対策になるかもしれないが、それ以上になれば、凶器になるかもしれない。
ダムがあるから大丈夫というイメージを振りまいていくのは、非常に危険な行為と言えるのではないでしょうか。大金を費やすダム事業のために、切り捨てられたものは無いかといった観点も必要です。
 ずっと前からそうしたことを言い続けてきた人達もいるのに・・・
 そんな紹介も、次回載せてみようかと思います。