2017年8月27日日曜日

庭でも見られます、小さな野生の世界


 雨ばかりだった夏も終盤。
 夏の草たちの元気なこと。雑草との戦いには、毎年のことながら負けています・・

 お盆と、そのあとのパソコンの不調で、すっかりご無沙汰になってしまいました。
 網戸にくっついていたアブラゼミから、ツクツクホウシの声に変わる時期?…うーん、セミの声、聞いてないなあ。いえ、セミは鳴いていたかもしれないのに、まるっきり気づいていない・・・
 心にとめない、というのは、おそろしいものです。虫の声に耳をかた向けることもないわが身に、あらためて気づいたところです。
  でも、ツクツクホウシは特徴ある声なので、気づかないはずがないなあ。
セミの抜け殻調査の話を聞くこともあるのに 最近のセミ事情どうなっているのかもわからない。。。。

今どきの子供はカブトムシよりクワガタを好むという話、「お孫さんもその通り」と返信していただきました。そうなんだ・・・・

 というわけで、身近にいるはずの生き物について、もう一度、すこし報告を。


目の前の庭でも、野生の世界が垣間見られます。

 カマキリがトンボを捕まえていました。
そこらの草むらにもいる昆虫たちは、子供たちにとって、目に触れることの多い自然なのでは。アフリカの草原に行かなくても、あれこれ味わえる、大切な自然。
 クモが網にかかった虫を、あっという間に糸の束でぐるぐる巻きにした光景などもあったなあ

「いつでもどこでも 自然観察」・・・
これは小学校の先生をしながら、自然観察について熱心に報告している人の言葉。この題名の本も書いています。


 朝、ふと見上げた空にも、通勤途中の生け垣にも、どこにでも。奇麗な花、小さな昆虫は、そんな時の定番の登場メンバーでしょう。
 毎日忙しく働いていると、なかなかまわりのことに目がいかないもの。肩に力が入って、カリカリして。
そんな時、難しいことは言わず、お金もかけずに、誰でも自分なりに、心をゆったりできるかもしれません。

 戦場で書かれた手記に、砲弾の飛び交う中、ふっと目の前の地面に咲く小さな花を見つけて書いた文の紹介を読んだことがありました。地面に咲く小さな花は、こんな小さなものだけれど、誰が見てくれるわけでもないだろうに、花弁はきちんとそろい、めしべやおしべの細部に至るまで手抜きすることなく作られている・・・世界はそれぞれこんなに美しいのに、それさえ知らずに今自分は命を終えようとしている…ずいぶん昔に読んだものなのでよく覚えてはいないのですが、生きとし生けるものの命の価値を感じたであろうこの人、戦場で亡くなったこの方の思いが、心に残っていました。


 10年以上も前だったと思いますが、ビワの実るころ、庭のビワの木にアオダイショウがいて、なんと、ヒヨドリをぐるぐる巻きに。びっくり!!
ちょっとグロテスクだなと思いながら、でも写真を載せようと思ったら、アルバムが見当たらない・・整理整頓の悪さの証拠のようで、わが身を恥じてしまう・・・

 そこでみなかみ町の山すその沢沿いで見たものですが、アオダイショウがヤマカガシを捕まえている写真を。長い時間かけて飲み込んでいました。
これも、あまり見たいものとはいえないですけど。
 ヘビはどうも好きにはなれませんが、知人の庭先でカエルを飲み込んでいたときなど、あまり動かずに長い時間いましたね。

やっぱり昆虫くらいが見ていてもショックが少ないでしょうか。
でも、生き物と知り合いになって、一緒に生きていくことを学ぶには、こういった出会いも必要かも。
 



 空前の猫ブームとか。動物写真家の岩合さんの猫のTV番組なども、なんだかたのしい。
子供のころ、猫は、ネズミ退治に一役買う住人でした。もともとは、いやされるペットというより、ネズミ退治の住人だったわけ。
 養蚕農家の作りのわが家では、天井裏にはネズミもいました。猫はそのネズミを捕まえると、ご丁寧に,口にくわえて見せにくる。そして、じゃらして(人間から見たら、いたぶっているかのようにも見えてしまいますが)から食べるのです。なんとも・・

 今いる猫、家の中と外と、出たり入ったりする生活。最近は、猫は家の中で飼うようにと言われますが、到底そんなことする気になれないわけです。自由気ままに外を歩き、時折、獲物をくわえてきます。
 ハツカネズミなどはもちろんですが、普段ほとんど目にすることのないモグラを何度も捕まえてきています。どうやって捕まえるのか?あまり食べないようなのですが・・狩猟本能なのでしょうね。
モグラの前足をよく眺めてしまいました。実に頑丈で、穴掘りのために特化しているなあと思えます。








 他にもいろいろ捕まえてきたものです。写真はヒヨドリですが、スズメはもちろん、カラスまで捕まえてきたことがあります。
 元ノラ猫で、子猫のころ、追い払っても追い払っても台所に入り込んできて、ついに我が家の住人になった猫ですから、なおのことなのでしょうか。



これはジネズミ。ネズミではなくモグラの仲間です。
下半身が食べられていて、ちょっとどうかと思う写真ですが・・
 ネズミが次々しっぽを加えて列を作っているのを見たことがある、という人がいました.
これ、ジネズミのはず。外国の生き物で、キャラバン行動というのをテレビの番組で見たことはありましたが、身近に同じようなことをするいきものがいるのかと、びっくり。見てみたい!

 猫が庭で盛んにパンチしているので見たら、小さなヘビにちょっかいを出している。そういえばこの猫、ヒモが大好きで、ひもをゆらゆらさせると、10歳を超えた年齢になっていても、飛びついて遊びます。

カマキリの捕食の様子から始まったもので、つい、少々気持ち悪い写真になってしまったこと、ご容赦を。

気にも留めずにいると、いつの間にか身の回りの生物の様子も変わっていたりします。たくさんいたはずのものが見えなくなっていたり・・・どうぞ皆さん、身の回りの自然へ、目を向けてみてください。思いがけないことに気づくこともあります。
気づかぬうちに、消えていった生き物もたくさんいるわけですし、まわり中、外国からやってきた生き物に占領されていたりすることもある昨今です。
実に知識量が豊富な感じの小学生などをテレビで見ることがありますが、話しているのを聞くと、案外実物を見ていないことを感じたりします。
ウェブ情報ばかりでなく、自分の目で見て知ることは、決定的に重要です。
そこらの道端・草原と道草って、案外大切なのかも、などと思っているこの頃です。









2017年8月9日水曜日

虫たち元気、真夏の里山



暑さで元気な虫たちです

真夏の暑さと湿気が身にこたえるこのごろ
年相応に体力も落ちてきて、とにかく、何とかやり過ごそうと・・

ですが、真夏の虫たちは元気いっぱい。
 昔から子供たちは夏は虫取りで元気いっぱい・・と思ったら、違う・・・?
学習帳の表紙の昆虫が姿を消したといって話題になったり、カブトムシは買うものになったり、最近の子供の様子がわからない・・・
 でも、林のまわりで虫がいっぱいだったので、報告を

ホタルが3種類見られます 

みなかみ町の里山で、民家のあるような場所に集まって地域の観察をしています。夏はススキやクズが繁茂して、なかなか近づきがたい場所も多いですね。
 ここでは今、道脇の草むらに、蛍が光っています。水のある沢からは少し離れ、こんな所にホタル?と言われそう。それに、8月にホタル?とも。
このホタル、クロマドボタルといって、水とは関係なく陸に住むホタルです。

クロマドボタル こんな幼虫のしっぽの部分が光ります。
            写真 竹村さん
暗闇の中のクロマドボタル幼虫  写真 竹村さん

下仁田町には「ホタル山公園」という場所があって、蛍が光ります。くりっぺ(根無し山)といわれる珍しい地質現象の場所で、何度も行ったことがありますが、「沢からははるかに高い場所に、ホタル?」と思ったものです。のちに、陸生ホタルというのを知り、クロマドボタルという種類と知りました。
 
光っているのは、幼虫・・クロマドボタル
 写真のような虫が光っています。光るのはしっぽの部分のようです。
捕まえて写真を撮ろうと、暗くなってあちこちで光りだしたころ、二人して草むらに手を入れるのですが・・・なかなか捕まえられない。きっと、ポロっと落ちるのでしょうね。
彼らは生き残りをかけているわけですから、簡単に捕まるわけにはいかない。
実物を見てしまうと、なんだか興覚めの姿かも。でも、ヘイケボタルの幼虫が光るのを見たことがありますが、結構グロテスクな姿かと。


結構早く動きます  シャクトリムシのように

 このホタル、成虫は甲虫で、光らないそうです。幼虫は草むらにでカタツムリなどを食べているとか。光る時期は気温によるらしく、9月にも光っていたし、長い期間光ります。ネットで見ると、いろいろな時期が書かれてあります。
 いつも話題のゲンジボタルは6月~7月頃わずかの期間光るだけ。ヘイケボタルはもう少し長い期間光りますね。8月初めにも、ほんのんちょっとですが、ヘイケボタルが光っていました。
 子供のころ、玉村町でも田んぼでホタルが光っていました。ホタルの記憶のある人、ある年齢層以上では多いのではないでしょうか。捕まえて、蚊帳に入れたりしたものです。農薬の使用、水路のコンクリート化で、まったくいなくなりましたが。

 ところでこの場所、上記の3種類のホタルが見られます。7月はじめ、山里の斜面の沢沿いにゲンジが飛び、その下の田んぼにヘイケが舞い、道端にはクロマド。なんだか楽しいですね。今年は7月の出現数は少なかったのですが、毎年、見え方は違うものです。
 こんなホタル、ちょっと宿から外へ出れば見られたのですが、そんなことも気づかないもので、たまたま来た人が、「ホタルが飛んでた」といって、「えっー、嘘だろう・・」などといいながら探してみた、という次第。いろいろな人が参加して、一緒に何かをやると、新しいことが見えてくるものです。クロマドボタルも、案外あちこちで見られるかも。
  暑さに負けそうですが、身近な虫に、ちょっと目をとめてみませんか。
  女の子はあまり虫と付き合わないものだったので、あまり虫のこと知りませんが、でも、楽しいですよ。



その他、元気な虫たちを。
 草むらにはえる柳の大木には、たくさんの虫が集まります。たくさんあいた穴にから流れ出す樹液が魅力のようです。
ここにはオオムラサキ、コムラサキ、その他いろいろやってきます。さながらレストラン  写真 竹村さん
木にとりついていたカミキリムシの脱出の後の穴から流れる樹液が目当てと聞いたのですが、そうなんですか。私はそんなこととも知りませんでした。
  
アオカナブンと、頭を突っ込んでいるのは はて・・
 カブトムシでした。
子供が好きなカブトムシ、と思っていたら、最近観察会に参加した方の言うには、カブトムシでなく、クワガタのほうを喜んでいたとか。
ほんとう?・・・意外・・

クワガタもいましたし、カミキリムシの仲間らしいのやら、もちろんハチも。
中年のおじさんたちが子供時代に戻って喜んでいました。
昔は虫を取ったのでしょうが、今はカメラをかかえて撮影の世界でした。



夏はヤマユリの季節。
目立つ花の少ない中で、豪華さと濃厚な香りで、目をひきます。
人がとったり、イノシシが球根を食べたりと、少なくなってきているのかもしれません。



スミナガシというすてきな名前の蝶は、糞にとりついています。蜜ではなく糞などにやってくるチョウも、多いようです。
                         
ヒヨドリバナの下にぶら下がるチョウは
ゴイシシジミだそうです。笹につくアブラムシを
食べるという、肉食性の蝶。笹ヤブでよく見たなあ
スミナガシ




右は センチコガネ 。
これは糞をすると、すぐにやってくるそうです。
とってもきれいに輝く虫。でも、いつも糞に潜り込んで、処理をしてくれます。
ありがとう
アオバセセリ と教わりました。
汗の臭いにつられてきたのかな。

夏はとにかく、虫が元気。
昆虫少年健在はうれしいです。

でもじつは、アブやブヨや、それから、
ヒルも元気。群馬県では,みなかみ付近と下仁田にヒルがいるとか、鹿の蹄に入って、あちこちに広がっているそうで、困っています。いつの間にかとりついて血が流れだすのは、何ともありがたくない話です。
いいことも、ありがたいこともあるけれど、それが自然、うまく付き合う知恵を持ちましょうね。

 
 

ススキにはこんなものも見られます。

クモが作ったもの。この中に卵を産んでいると思います。カバキコマチグモといい、母親はこの中に卵を産み、かえった子供は母親を食べて成長する、と。昔、これをほどいてみたら、中からコグモがわっと出てきたことがありました。でも、かまれるととても痛い毒グモといいますから、まねしないで。


ところで、もうちょっとスリムな形のものや、ちゃんと巻いてないものなどがあったりします。あるとき、図鑑を見ていて、他にもススキ、ヨシなどを巻くクモがいあるのを知りました。巻くのも、休憩やその他いろいろな目的もあるようです。
ヤマトコマチグモ、ハマキフクログモ といったクモ達です。

身近なところで見かけるかもしれません。ちょっと子供の気分で、周りを見回してみませんか。

そうそう、書き忘れていました。オニヤンマの産卵を見ました。それも2か所で。
水しぶきをあげて、飛び込むかと思えばさっと飛び上がる・・これを繰り返していました。力強くて、これぞオニヤンマ。しばしばみかけるオニヤンマだったのですが、産卵はあまり見ていなかったなあ。外に出ると、いろいろなものに出会えますよ。