2020年4月7日火曜日

感染症のこわさ

コロナウイルスに振り回される毎日

  私たちは感染症のことを忘れていたかもしれない・・・
  感染症は克服した、と、心のどこかで思っていたかもしれない。
  少なくとも、大変なのは途上国の話であって、私たちにはあまり関係のない話と
    思っていなかったか・・・・
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 60年ほど前と言えば、日本でもまだ伝染病のはやるような時代でした。
呼び方も、感染症ではなく、伝染病。
幼いころ、疫痢(えきり)がはやりました。遊んでいたすぐ近所の子は死に、私も重い症状でした。幼い頃のことですが、その時のことでたった一つだけ覚えていることがあります。こんな光景です。

  しっとりとした空気の中、家の前の、大きく繁った桑畑の間の道を
  母に背負われていた。
  本当に久しぶりに外気に触れた日なのでしょう。          
大きな葉の揺れる桑畑
  少し湿ったような澄んだ空気・ちょっとまぶしく感じる外の景色

やっと体力の回復してきた子供を、
外の空気に触れさせようと、日差しの緩んだ夕方にでも背負って連れ出したのではないでしょうか。
幼い日の感覚の奥底の光景にこんな桑畑があります。
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 当時、お医者さんが心配して地域をまわってきて、早い段階で見つけてくれて、それで私は助かったと母が言っていました。当時ですから自転車で、よくてバイクでまわっていたことでしょう。私はしょっちゅう扁桃腺をはらす子でしたが、いつもそのお医者さんにかかっていました。先生のお顔も思い浮かばないですが、マスカットのような薄い緑色の実のなるブドウ棚と、ちょっと洋風の、多分外壁の板を白く塗ったような雰囲気の医院のイメージが脳裏に残っています。
 平地の玉村町なのですが、その村はずれの桑畑の広がる中にポツンとある家は、昔、伝染病の人を隔離するための場所だったなどと聞いたこともありました。

 今、疫痢という病名は耳にしません。赤痢の一種のようなものらしいですが、昔はこれが多くの子供の命を奪ったそうです。母の姉妹となる子も、疫痢で1人、なくなっています。桃を食べて、と聞いて、「桃?」と思ったものです。
 夫の姉は、ごく幼い頃、しょう紅熱で亡くなっています。この病気でも多くの子供が亡くなりましたが、抗生物質により治療が容易になり、病名としてもこの言葉は使わなくなっています。。野口英世、北里柴三郎、志賀潔・・・パスツール、他にもあったかもしれません。
 抗生物質の出現によって病原菌との戦いに勝ったと思ったわけですが、自然はそう甘くなかった・・・抗生物質には耐性菌が現れるし・・・ウイルスというもの正体もわかってきたとはいえ、対応には苦慮しているわけです。
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 ウイルスでの死亡は、第一次世界大戦下のスペイン風邪が有名。多くの死者を出しています。
ところで私は、ウイルスというと、累々と横たわるうさぎの死体も脳裏に浮かぶのです。
これは、爆発的に増えたウサギの退治に、ウサギの致死率の高いウイルスを利用し駆除した時の写真です。これを見た時、ざわっとしました。怖い・・・・
 ネットで調べた話では、以下のようです。ウサギのいなかったオーストラリアに、ウサギ狩りをしたいとイギリス人が持ち込んだウサギ,たった25羽だったそうですが、あと言う間に増えて手が付けられなくったといいます。1859年の25匹が1940年代には8億匹。他の大陸と地続きにならなかったことから独特の進化を遂げてきたオーストラリアの生きものに大打撃を与え、絶滅に追い込まれた種も多数という事態。何とかして退治しようとしてもうまくいかず、ウイルス利用を試み、95%を駆除。しかし残り5%が免疫を獲得して、またふえる・・・
 生態系の破壊についても、ウイルスの動きでも、実におそろしい話です。

ジャレド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」は高く評価された本で、人類史の中での争いで、勝敗を決めたものをあぶりだしています。その一つが、その社会が持つ病原菌。
一瞬「えっ?」と思う話です。ですが、思い起こせば、インカ帝国がヨーロッパ人の持ち込んだ天然痘ウイルスによって大打撃を受け、滅亡につながった話は有名です。ヨーロッパの人々は家畜の飼育により免疫を獲得していたが、中南米の人々に、免疫はなかった・・・

新型ウイルスに、医療関係者が非常な危機感をもつのが理解できます。
私たちも、心していかねば・・
 
手洗いが励行されています。
アフリカなどの途上国が心配になります。
なぜって、途上国では、以前から「手を洗いましょう」というキャンペーンが行われ、最も効果的なのは、学校で子供たちに教え、それが家庭にまで広がることだと、せっせと子供に手洗いを教えたりしているのです。また、トイレをつくろうと活動したり、きれいな水を手に入れるにはどうしたらと苦慮したり、日本人なら当たり前のものが手に入らない人たちがたくさんいるのです。
全世界に広がったウイルス、こうした国々の人たちがどうなっているかも、どうぞ忘れずに目を向けていただきたいものです。
ぱらぱらと探して、ユニセフ報告2016年のものですが、手洗いについての記事を紹介します。ベトナムという、水のある場所で、これ・・・水の乏しいアフリカの地域などは、どんな状態でしょうか・・・女の子は水汲みに何時間も費やし、学校にも行けないなどということだってあると聞きますから・・・。






 





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