2021年3月3日水曜日

川原のサイカチ と 河川改修

 コロナで外出も控える・・・でも、田舎では外は人のいない所がたくさんあり、散歩にうってつけの場所もあります。利根川の堤防もそんな場所の一つ。

堤防から見た近所の川に、今年は白鳥が5羽、居ついています。そろそろ北へ飛び立つのでしょうか。
ちゃんとカメラ持っていけばよかったのに‥と思いつつ、遠くに何とか白い鳥が写っているのを紹介。お恥ずかしいですが・・
我が家から1㎞少々の所なんですが・・・

ところで、今、玉村町から下流へ、利根川では大規模な河床掘削が行われています。堤防の補強も。もう1年以上も続き、まだまだ続くとのことです。

利根川の川岸から中洲までとにかく一面に土砂をとっています。掘り取る厚さを見てください!背景の水の所は、昨年大々的に土砂をとったところです。
なぜ? 増水した時、堤防内になるべくたくさんの水が流れるようにし、堤防から溢れないように。要するに、洪水を防ぐため。

     下写真は、堤防強化の工事。


 ↑河川敷にはたくさんの木や竹の高い草(オギなど)が生えていましたが、全部伐採。
これから、土砂の撤去を行うはずです。

伐採後に、水を制御するための工夫の木の枠組みが見えていて、へえ~と思いました。
これらすべて、我が家から徒歩で行く範囲の光景です。

この付近で高崎の町を流れてくる烏川が利根川に合流します。その烏川も川の掘削等の工事が始まっています。
最近の大雨洪水被害の多発を受けてか、国土強靭化政策として、かなり多額の予算がつけられてきています。

それにしても、どうやって川を制御するかは、はるか昔からの課題でしょう。
多額のお金が関わる話で、その利権に群がるようなことで政策がすすめられることのないようにと、思わずにはいられません。


ところで、この付近の烏川の川原には、県の絶滅危惧種に指定されている木が生えています。サイカチです。
写真のような、あきれるほどのトゲだらけの木です。幹のあちこちに塊になって生えています。
写真には2本写っていますが、この付近には大きな木も何本か育っています。

         若い木のサイカチの幹のトゲ
絶滅危惧種の調査保全活動をしている方からうかがった話では
*種子をまいて、7年でやっと15㎝ほど
*挿し木をして、5年で1.5mほど 育ったそうです

 育つのに結構時間がかかりそうな。この大きな木はどれくらいの年齢なのでしょうか。
サイカチをを伐採しないようにと、河川課には連絡がされています。

林の左にぽつんと立つ2本もサイカチです。2019年の台風19号の前までは、この付近まで林になっていました。右の林の中にサイカチがたくさんはえています。


  
玉村小学校の校庭には大きなサイカチの木があります。いったい誰がこんなトゲトゲの木を植えたのだろうか?
宮沢賢治の童話「風の又三郎」に、川辺にはえるサイカチが出てきます。もしかして、宮沢賢治を好きな先生がいて、見つけたサイカチを植えたのでは・・などと、想像たくましくしています。
この学校で先生をしていた方が、ご自宅にサイカチを植えていました。どうして植えたのか、お聞きしておけばよかった。ご存命なら、100歳ほどの方でした。

そうか、サイカチは川辺が好きなんだ、と、あらためて気づきました。賢治はきっと、木の性質もよく知っていたのでしょうね。

今、川原はショベルカーとダンプカーの走りまわる場所です。
以前、ここではカヤネズミの巣を見たことがあります。
オギの葉を細く割いて、球形の巣を作り、子育てするのです。小さな小さなネズミです。
     カヤネズミの巣

こうした生きものたち、洪水の中などを生き延びてきたわけですから、どこかで生きていてくれるのを願っています。

この付近ではサケの産卵も見られるとのこと。こうした生きものにも目を向けるようになったのは、比較的最近の話です。
尾瀬の自然保護を言った時、開発の邪魔をするなと「コケと人とどっちが大切か」と批判され、自然保護を訴える人は大変な思いをしてきました。
世界中で生き物が減り、絶滅し、というのは、今の方が深刻でしょう。
時には野生の生きものにも心を向けてみていただけたらと思います。




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