2021年4月10日土曜日

里山 緑の芽吹きの頃は素敵です

 新緑の始まるころ

木々の芽がのびはじめ雑木林がうすくけむり、やがて緑に変わっていく頃、里山はとても魅力にあふれています。

ポカポカした日、里山歩きは心が浮き立ちます。
コロナ流行の中でも、ほとんど人に会いませんし、心配なく出かけられます。

こんな時期、木々の中にちらほらと白や薄いピンクの木が目に留まります。サクラです。

 群馬の里山で、木々の中に咲くサクラの品種は、早春のソメイヨシノの咲く前の頃ならエドヒガン、木々の緑が見え始める事なら、カスミザクラ(ケヤマザクラ)かヤマザクラです。


里山の風景ですね


 左や下の写真で右の白いのはカスミザクラ、左に少し赤味がかっているのはヤマザクラと教えていただきました。ソメイヨシノと違って、花と葉が一緒に出ます。ヤマザクラの若葉は赤褐色なので、こうした違いが生まれます。
 山に咲くのはヤマザクラ、と思われているかもしれませんが、じつは群馬の私の住むあたり、藤岡市の付近とかでは、ヤマザクラはほとんどなく、ほとんどカスミザクラです。花に少し毛があるので、ケヤマザクラとも言よばれます。ですから花を見れば、区別がつきます。ヤマザクラはあまり見かけません。

  1/25000の地図ってごらんになったことありますか。等高線のひかれた地図です。最近はカーナビ地図やグーグルマップ、その他さまざまな地図があり、あまり目にしないかもしれません。少し前まで、野外調査と言えば、まずは等高線のこの地図を持ち、ルートを確認し、記録していきました。
 こんな地図を見ると、山の中に入りこむ道路があり、ぽつぽつと家の見られる場所があちこちに見られます。我が家から20㎞ほど行けばそんな低山の場所がたくさんあります。高崎市中心からわずかの距離、裏山のような観音山もそうですし、さらに離れた場所にも、こうした場所がたくさん見られます。サクラの咲く頃になると、1/25000の地図を持って、こうした場所に、行きたくなります。
 行き止まりの道も、その付近にの付近に家のマークがついていて、人家があります。そこには車で行けるし、1人で出かけても、危険はほとんど感じませんし、家々はきれいに花を咲かせていますし、木々の緑に心洗われるようで、足元にはカタクリから始まる可憐な花々が咲きます。毎日でも行きたいけれど、結局そんなにはいけません。そうこうするうちに、あっという間に緑色濃くなり、シーズンは終わてしまいます。
 先日行った場所を紹介しましょう。

   養蚕関連の世界遺産となった高山社からさらに奥に山あいの道を進むと、思いがけなく開けて、集落があります。道はその先行き止まりです。「こんな山の中に・・・」と思ってしまいそうですが、立派な構えの大きな家もいくつもあります。どのお宅も家のまわりには美しく花が咲き競っています。何だか「隠れ里」「桃源郷」の言葉が浮かんできます。


                      






 場所は高山の椚山。高山社が世界遺産になるよりずっと前、この場所に出会って、以来、春には時折訪れます。
周囲にはリンゴ畑もあり、花の頃はりんごの花をみられました。
畑はきれいに手入れされていましたが、リンゴの木も放置されたものが増えてきているようです。


アズマイチゲの花は終わり、ニリンソウが咲いていました。
ニリンソウ
小路にはニリンソウがいっぱい 



  
ウラシマソウ

  
ヒメニラ 花、わかりますか? 

                   

 マムシグサです        
          


     
アマナ すくなくなった花
何でしょう マムシグサです

お城の石垣のように反りの入った石垣



道路の行き止まりは、桜がたくさん植えられています。公園整備しているわけです。
この山には階段がついていて、これを登ると、二千階段とよばれる、長い階段に出ます。
階段を降りると鮎川沿いの日野地域に出ます。徒歩なら隣の谷筋に行くことはできます。




今回はかすんで見えませんでしたが、赤城山や前橋でしたか、都市部も見渡せます。
サクラの頃は新聞紹介などされるのでしょう、この公園には人が来ていました。
まだ木はすこし小さめですから、最近植えられたものでしょう。

古くから人々が養蚕や林業で働いてきた場所なのでしょう。もう少しすると赤い山ツツジも咲きます。暑くなる季節の前に、こうした里山はいかがですか。








2021年4月6日火曜日

忘れない 69回目慰霊祭

 中国人強制連行犠牲者 慰霊祭

たまたま見たチラシを見て、「行ってこようか」と3名で出かけました。
太田市にある長岡寺(ちょうこうじ)で、戦時中に日本に連れてこられ、強制的に働かされなくなった中国人への慰霊祭があるとのことでした。

以前、みなかみ町月夜野にある、強制連行で働かされその結果亡くなった中国人の慰霊を続けているというお寺・如意寺を訪ねたことがあり、心に残っていました。行ってみると、そこで毎年慰霊祭を行っていることを知りました。春には大田で、秋には月夜野で慰霊を行っているのですね。


(以前にこのブログで紹介したのですが、っそのページの紹介の仕方が、ちょっとわからなくなって・・・一応、下のものなのですが・・)https://www.blogger.com/u/1/blog/post/edit/481530670025045050/5300486851708955539   

 


長岡寺(ちょうこうじ)
 群馬県太田市長岡町728

慰霊祭は69回目

こうしたお寺、ご住職の協力がなければ、慰霊祭は実施できないでしょう。

はじめたときのご住職の意志を、引き継いでいる
方がいるわけです。





犠牲者の名前が刻まれています


                      中国人慰霊碑です。ここに皆さんが集まり、
ご住職が法要を行いました。



「忘れない」 これが大切なこと。
こういうことはあってはいけない、世界中どこでも。
今、ミャンマーで軍隊が自国民を虐待し、殺しています。子供まで。今現在、進行している。そんな映像が伝えられてくる・・
 忘れたことはまたくり返される・・どうかこんなことのないように。
今、中国は嫌いとかいった人が多いといいます。でもこれは、好き嫌いの話ではありません。 続ける人達、立派だなあ。
慰霊祭の折、本堂の端に持ち込まれていたパネルと、本堂の門に紹介されていた新聞記事を紹介します。 
今の若者には、日本がアメリカと戦争していたことも知らない人もいるとか。たしかに、街頭インタビューで、あっけらかんとそんなことを答えている子もいました。
いろいろ意見、考えはあるでしょうが、やっぱり、ちゃんと伝えなければ。











クロサンショウウオの産卵

クロサンショウウオ

 今年も春の訪れ、春の進行が速いですね。
東京付近では「入学式の桜」が「卒業式の桜」になってしまったのかもしれません。
仙台でソメイヨシノが3月31日に満開?!
70歳代の仙台出身の人が言うには、
 「サクラの満開は、4月15日,いや25日くらいだった・・・」

他の生きものの様子を書きましょう。

 ~~~ クロサンショウウオの産卵 ~~~

2021/4/3   卵のうは約1400個見られました
 見たことありますか、クロサンショウウオの卵。白く細長く丸っこい、ゼリーの塊のような、ぷよぷよとした塊が浅い水の中にあるのですが。
本州の北東部に住んでいるようです。
 群馬県なら県北部で見られます。
 群馬は分布のほぼ南限に近いようです。

 写真はなかみ町の湿地。毎年、4月に訪れて、数を数えています。1匹のメスが,このぷよぷよ(卵のう)を2個うむのだそうです。この中に小さな卵が30~40個入っているとのこと。

ところで、今年は、実はびっくりしたのです。 何にかというと、「卵のうの数」にです。

2019/4/6 卵のう42個でした
 
今まで、4月上旬で、こんなにたくさんの産卵を見た
 ことはありませんでした。ちなみに、例年は左の写真
 のような光景です。卵はほとんどありません。0だったりもします。
 4月上旬の産卵数
  2019年は42個 → 2020年は1400個
           (こんな多いのは初めて)
  サクラばかりでなく、いろいろな生き物の動きにも春の訪れの早さの影響があるのでは・・地球温暖化が頭に浮かびます
 

4月下旬にはたくさんの産卵があります。産卵の様子の写真を、いくつか紹介します。

今までの4月下旬の産卵の様子  

2020/4/25
  
  水の中に落ちている木の
  枝などに卵のうをくっつ
  けて産卵しています。
 
  クロサンショウウオも
  数の減少がめだち
  環境省の絶滅危惧種に
  指定されています。
  
 取ってきて飼おうという人もいるようですが、ペットとするのでなく、自然の中で見てほしいものです。

2020/4/25


 それにしても、姿を見ることもなかかなわないこのサンショウウオたち、一体どこからこの場所に集まってくるのでしょう。
 多い時は、2860個の卵のうを数えたことがありました。1匹が2個の卵のうをうむと聞きましたので、メスだけでも1430匹・・・・
もしかして、時間をおいて何回かうむということはないのか…などと思ったり・・・数の多さに、疑問がわいてきたりします。

2019/4/26


 産卵してあまり時間がたっていない時は、まだ細長い形をしています。小さくてピンク色を帯びているものもあります。産卵直後なのでしょう。卵のうは水を吸って、次第に丸みを帯びてきます。

 産卵に来た親を見ることもあります。産卵時以外で親の姿を見かけることはほとんどない生き物です。

どうやってこの場所を知るのかも含め、生きものは不思議なものです。


ちなみに、4月下旬~5月上旬の卵のうの数を、今手元にある資料だけですが、数を挙げてみましょう。1か所でこんなにたくさん産卵する場所は、あまりないかもしれません。

2008年  2010年  2011年 2012年  2011年  2012年  2013年  2020年
2600個  2500   1580   2860   1580  2860   2020   1320個   

こうした場所、浅い水でしかもほとんど流れのない場所に産卵するという生き物です。

こうした場所が失われることなく保全されることを願います。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ところで昨年末、気象庁からこんな発表がありました。
  1953年から続けてきた生物季節観測(生物暦)を大幅に縮小する
  今まで植物34種 動物23種を対象としたが、今後は6種9項目とする 
   (アジサイ、イチョウ、梅、カエデ、桜、ススキ  開花や紅葉などの記録)
 理由:気象台・観測所付近で標本木を見つけることも困難になり、動物については見つけることも困難になった

多くの反響があたそうです。
そこで気象庁は発表を変更しました。2020年12月28日にこんな発表がありました。

「 市民参加による 四季の生物観察をするため、気象庁は環境庁とも連携して、講習会や観測マニュアルを作成」

市民参加、これですよね!!
もしかしたら気象庁の若手職員は自体が自然の動植物に親しんだこともなく、知らないのかもしれません。観測すると言ってあげられた6種の植物の名前を見て、なんだかがっかりした気分でした。どこかの公園に人が植えたもの、という感じもしてきますし。
 いなくなったからやめるでは、生きものとの共存もできなくなり、自然に親しまず、自然を大切にすることもできなくなるでしょう。生物ごよみを気象庁の仕事として始めたのが私の生まれた年というのも知りました。この間に、生きものがどんどんいなくなっていった、田舎住まいだった私は肌で感じてきました。

 自然観察は楽しいものです。楽しみながら記録継承に多くの人が参加できたら、素敵なことです。しかも、今、生きものの動きが、地球温暖化の影響を受けていて、どんどん変わってきています。こんな時こそ、生きものの記録は大切です。
花の咲くのが早くなったといったことは、市民の目で確かめられます。何と言っても見る人の数が多いわけで、緻密な観察ができるかもしれません。この間、開発による消失も、いたましほど進みました。その様子も目で確かめることができます。
最近は群馬ではカッコウの鳴き声が聞かれなくなったと昨年知って、びっくりしました。「カッコウが鳴くころ豆をまく」と言われて、そうしていたのですが、「あれ、カッコが鳴かないなあ」などと思ったのはいつからだっけ…まさか、いなくなったなんて・・」こんなことから環境変化を誰もが感じることもできるわけです。今後10年が勝負と言われる温暖化の進行も、事実として認識できて、対応を自分事として考える機運にもつながりますし、記録にも残せます。

気象庁と環境省には、市民参加のいいシステムを作っていってほしいです。省庁横断の事業というのも、好ましい動きでしょう。


2021年3月26日金曜日

桜咲くころ 近所・里山に行きませんか

ソメイヨシノの咲く季節になりました。

 ソメイヨシノの咲く少し前のころ、丘陵や低い山の付近に行くと、まだ葉の出ない木々の中に、ほんのり薄ピンクの桜の木がぽつぽつと見えます。エドヒガンとよばれます。山に春を呼んでくれる女神のような上品さを感じます。



 ソメイヨシノの片親とのことで、葉の出る前に花をつけます。ソメイヨシノはこの親の性質を受け継いでいるのでしょう。

 写真では、手前は園芸品種かと思いますが、山の中の木は自然のままのエドヒガンでしょうか。大きな木にもなり、寿命も長いとのこと。
 サクラには多くの品種がありますが、ドヒガンが親の品種もたくさんあるようです。子供にあたるソメイヨシノは寿命の短い木ですね。

 最近、公園や道路際で早春から目立つ姿を見せてくれるのは河津サクラですが、これは人が植えたものです。満開のソメイヨシノの華やかさの前に、近くの山でほんのりと温さを伝えてくれる桜にも、気づいていただけましたら。なんだかほっとする、里山の姿です。

 今年はコロナで、花見も控えてほしい状況です。公園やサクラの名所は行かない方がよいでしょうが、こうした自然の中、近隣の里山には、ほっとするような桜の姿があちこちにあります。人もほとんどいません。飲めや歌えはまずいですが、静かに味わう花見はいかがでしょう。
 他の花も少し紹介しましょう。


これは我が家の近く、烏川の堤防の内側の公園。数年前の写真。
 草が茂って、何だか物騒な感じだになっていたものを、住民がきれいにしようと定期的に集まり、整備をはじめた場所です。



 河川敷に木が茂っていたので下草を刈ったら、こんなにきれいになりました。花は自然に生えたものです。
 紫は、ムラサキハナナ(花だけ拡大したものも載せました)。
 黄色は菜の花、畑から逃げ出した出ものが、堤防や河川敷にたくさん咲きます。
 ちょっとした川などあったら、こんな花が自然に咲いているかもしれません。ソメイヨシノも咲いています。これは昔、植えたものでしょう。

ムラサキハナナについて少し解説。
 ショカッサイとも、オオアラセイトウとも言います。
オオアラセイトウ…どんな花だろうと思っていたことがありました。スウェーデンの児童文学「名探偵カッレくん」シリーズの一節に登場していました。「長靴下のピッピちゃん」を書いた作家です。かなり緯度の高い北国スウェーデンでは、夏は白夜に近く、夜遅くまで明るい日が続きます。そんな夏に子供たちが家を抜け出して夜まで活発に活動しまくるのですが、その中に「オオアラセイトウの花の咲き誇る」といった感じの情景がありました。名前が何だか素敵で、どんな花だろうと思ったものです。ずっと後になって、この花だと知りました。
 でも、昔からこんなにたくさん見かけたわけではありません。もう50年ほども前、大学受験で東京に行った時、試験会場の外に沈丁花の花が香り、その下に見かけたことのない紫の花が咲いていて、その優しい色に心をいやされたのを思い出せます。これがムラサキハナナでした。今は園芸用の種子も売っていますが、とにかく野外で広がり、今では写真のような状況です。外来種というわけです。原産地は中国と書かれてありました。戦争中、中国大陸に渡った兵士で、この花に慰められ、種を持ち帰った人がいたという話を聞いたこともあります。外来種の増殖は、地域の生態系を崩しかねないので好ましくはないのですが、この花、日本の自然を壊さずにしっくり馴染んでくれたらと願います。


近くの里山で見かけた花を紹介しましょう。
あと1週間もすると、野山は花盛りになります
アズマイチゲ



ニリンソウ





こんな里山の道端や石垣、空き地に 小さな花が咲きだしています。
標高400 ~500mほどの 藤岡の里山です。

 スミレも咲きだしていました。白いマルバスミレなどです。農家の庭先には、昔周囲の山で採取したというシュンランも咲いていました。野草が大好きとおっしゃっていました。。この植物、昔は当たり前にたくさんあったようですが、今どきは山で見ることも稀・・・。そういえば、かつてエビネブームがあった時、高崎観音山の周囲では、たくさんあったエビネがすっかりきえてしまったといいます。多くの美しい花の植物は、とにかく、保護が必要になってしまっています。



もう少し標高の高い場所に行くと、まだ草花は目立ちませんが、キブシ、アブラチャン、ダンコウバイの黄色い花が、木の枝をうめていました。


 家は下仁田町の山間に見られる平原(へばら)集落。かつては山での仕事で生計が立てられ、各地にこうした集落があり、たくさんの人が住んでいました。また、峠道を伝って人が徒歩や馬で移動していたわけで、こうした集落は大切な役割を果たしていたはずです。
 自動車の利用が普通になったのなんて、ほんの最近のこと。私でさえ、まさか、自分が車を運転して、あちこち出かけるなど、思いもしませんでした。
 こうした山道を歩いていた人たちは、本当に足腰が丈夫で、動くことをいとわず、一緒に歩くと、わが身のなまくらさを感じてしまったものです。
 写真を撮った場所は、最近まで3件の家があったそうですが、今は1軒だけで一人のかたがおすまいとのこと。人なつこい犬が出迎えてくれました。急斜面の続く地域に、きれいに手入れされた家と庭・畑があり、ハクモクレンやサクラがきれいに咲いていました。お住まいの方は働き者なのですね。

道端に植えられた花
トサミズキ
   

キブシ  金色の鎖がたくさん下がっていました

ダンコウバイ
ミヤマキケマン

木に咲く自生の黄色い花は、キブシ、アブラチャン、ダンコウバイなどです。
春、真っ先に木々を彩ります。  
これからの季節、ぜひ野山に親しんでほしいです。

アズマイチゲ