2015年1月25日日曜日

地質案内その10 浅間山(せんげんやま・町の裏に見える白い崖)など

 
町の人には見慣れた山、見慣れた崖、そんな場所の紹介をしてみます。
 
 
なお文章の多くは、以前、自然学校運営委員の書いたものからの引用です


浅間山(せんげんやま)

下仁田市街地の北に、屏風のようにそびえているのが浅間山。皆に親しまれている山で、山岳信仰の対象にもなっています。
「あさまやま」ではなく、「せんげんやま」と読みます。

白っぽい部分が目立ち、あれは何だろうと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか(写真)。「なんで白いの?」と、聞かれたこともあります。というわけで、この山の紹介を。

中腹から上部の白い崖骨立山凝灰岩という岩石からできています。    
 
 この石は写真の右手にある骨立山(図の2の場所)から西に続き、国道254号では下仁田町ふるさとセンターの高台をつくり、森沢まで続いています。図のピンクに塗った部分です。
高台は幅およそ300mで東西の帯状の分布をしていて、まるで冬の北風から下仁田市街地を守るかのようです。

写真の、大きな建物の付近から登ったことがありますが、最初は下仁田層らしい、風化した砂岩礫岩などがあり、登るとやがて、神農原礫岩のずれ礫(切れたり割れたりした礫)が見えてきました。とてもきれいな「ずれ礫」もあって、写真を撮っておけば良かった・・と、今になって思っています。やがて、凝灰岩が見えて来ました。山頂の眺望は良いそうですが、このときのコースは山頂へ続いていないようで、山頂まで行かずに下りてきました・・山頂の紹介ができないのがちょっと残念。

 途中にはえているドングリのなる木のなかには、ミズナラみたいにみえるけど、じつはつい最近フモトミズナラと命名されたものがあります。東海地方と栃木~群馬南部という、比較的狭い範囲でしかみられないものです。冬季に季節風があたって乾燥する尾根や斜面上に育つといわれているものです。秋に葉っぱの落ちる木でドングリのなる木があったら、コナラかフモトミズナラだと思います。フモトミズナラは昨年10月19日、以下のページで紹介しました。
https://www.blogger.com/blogger.g?blogID=481530670025045050#editor/target=post;postID=4233483773130505555;onPublishedMenu=allposts;onClosedMenu=allposts;postNum=16;src=link

骨立山凝灰岩(こつたてやまぎょうかいがん)
 
 浅間山や骨立山の 凝灰岩は火山灰が固まってできた岩石です。この骨立山凝灰岩はその時の熱で少し溶けたらしく、しっかりと固まった硬い岩石になっています。全体的にガラス質で、顕微鏡で見ると溶結凝灰岩の部分もあります。

石は、淡い赤紫~青緑色。「浅間山のは白いじゃないか」といわれそう・・・風化をうけて、表面は黄褐色~茶褐色をおびてたりしますから、遠目には白っぽい。薄緑の小片がポツポツ見えたような記憶・・・記憶があまり定かでないのですけど・・

堆積のようすを示す層理は見られません。


石は一見チャートのようなところもありますが、ガサガサした感じの部分もあり、ポツポツとはいるのは石英が多く、長石、黒雲母も含まれます。黒雲母は緑泥石化していて、緑がかっています。写真で見ても、よくわからないですけど・・・ちょっと緑がかってはいますね。


・放射年代は5500万年~6000万年・・ずいぶん昔の火山活動でできたものなんですね。
 はるか昔の噴火の記録というわけです。この火山灰は、この付近でしか見られないそうです。狭い範囲の噴火だったのか、地殻変動で消えてしまって、かけらが残っているだけなのか・・・

・北側は直線状の断層で、南蛇井層(なんじゃいそう)と接します。
 南は神農原礫岩(かのはられきがん)と接します。断層?不整合?

 
②骨立山(こつたてやま)

車に乗って国道254を下仁田に向かうと、道の駅の手前で、切りたった崖に迎えられます。これが骨立山。ちょっと妙な名前だなあ・・
 


鏑川が横切る時、川原に崩落している岩塊の写真を紹介します。ここの石は、少し赤みがかって見えますね。



 







 






③不通渓谷とおらずけいこく)  

以前にも紹介しました。名前からして、通るのが大変そう。事実、昔、ここを舟で通るのはあきらめたのだときいたことがあります・・・「不通渓谷」とは、よくも名付けたものです。
 ということは、荷物をのせていても、ここで陸揚げしたはず・・・昔の交通事情、物流事情もちょっと調べてみたくなります。

  両岸の高い崖は主に南蛇井層(中生代ジュラ紀~白亜紀、1億5千万年ほど前)の黒色泥岩です。神農原礫岩や平滑花崗岩なめかこうがん およそ6500万年前)も所々に小規模に出ています。  
 昨年、不通橋付近で崖の崩落事故がありました。泥岩の崖に挟まれた平滑花崗岩の岩塊が崩れ落ちていました。橋は通行禁止に。
                                          
     不通渓谷 崖はほとんどは泥岩   手前の方で緑の葉をつけた木はシラカシ
               下写真 崩落した崖   平滑花崗岩の塊が落ちている 。

 

 

泥岩は激しく圧砕され、こまかい割れ目があったり(左写真)します。場所によっては、波打ったように見えたり、ツルツル光ったりしています。地層の面はほとんどわかりません。

狭まった川筋の周りの崖には、天然のシラカシが林をつくっています。天然のシラカシ林はかって西日本に広く分布していました。しかし人による開発で、現在では全国的にもわずかしかありません。古い神社などに見られたりするだけです。天然の植生を伝える貴重なものとなっています

シラカシは照葉樹林帯という、少し暖かめの地域に育ちます。ヤブツバキが育つ森、冬でも葉を落とさない広葉樹の育つ森です。
下仁田は照葉樹林の育つギリギリの場所にもなっています。
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冬は鳥の姿がよく見えます。ちょっと周りに目を向けるというのはどうでしょう












庭で木の枝を切ったりしはじめると、いつも、すぐにモズが姿を見せます。逃げるどころか、すぐ近くに近づいてくるのです。虫などのエサが目当てなのでしょうが、よくまあ、と思うほど。モズは毎年庭にやってきますが、今年は特に人なつこく近寄ってきます。モズにも個性があるのかな。しっぽをくるっくるっとまわす姿もかわいい。
でも、他の小鳥は逃げてしまうかも・・なんと言っても、モズは猛禽類。小鳥にとっては怖い相手でしょう。  毎年庭で見かけるジョウビタキ、最近目にしないなあ・・

下写真は烏川にかかる岩倉橋の下での白鳥です。100羽はゆうに超えています。今年は黒鳥が2羽混じっている・・・どこからか逃げ出したものなのでしょう。
玉村町の川原から見られるのですが、川の水面は新町(高崎市になる)になるとかで、テレビなどで紹介されるときは、「高崎市」と紹介されていました。













今の季節は冬鳥がたくさんいます。ちょっとした川・水路などに、カモの仲間などが浮いていることもあります。夏に見られるカモはカルガモだけですが、今の季節はいろいろな種類のカモがいます。はるばる渡りをしてきたカモたちです。

バードウオッチングの有名な場所を教わるのもいいですが、出かけるのが面倒だったり・・・鳥は身近な場所でも見られるかもしれません。木の葉のない季節は、鳥を見つけやすいものです。ちょっと目をむけてみませんか。


 





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