2016年3月23日水曜日

下仁田にもザゼンソウが咲きました

    春です 

久しぶりに自然のたよりを書いてみようかな、という気分になります
  
 日本では学校は新学期、その他いろいろなことが新年度。
   若葉が萌え立つ春は、自然といっしょに、いろいろスタート
     諸外国での「秋から新学期」って、気分としては、なんだかちょっと・・)

下仁田でもザゼンソウが咲きました    3月17日の写真




















もしかしたら東北の人などから 「そんなもの、子供の頃なんて,蹴っ飛ばして歩いた」と言われるかも。本州中部以北で見られる、北国向きの植物なんです。ミズバショウの親戚。でも、地味ですね。

群馬県にだってあります。でも、ほとんどは県北部。県南部では赤城山の山麓にあり、毎年ニュースで紹介され、たくさんの人が見にいきます。県南部では、あとは、ここ下仁田にあるだけです。
冷たい水の流れる沢の近くに育っていました。
地元の方からは「切るとスパッと気分良い。.だけど、臭くてさ」と聞きました。悪臭のある植物なのです。
ザゼンソウはサトイモ科・・・そういえば、サトイモの茎を鎌で切ると、スパッと快感あるなあ。

下仁田では数も少ないし、狭い場所だし、不心得者が取っていく被害が心配されるし(こういう被害が本当に困りもの)、秘密にしておいた、といった感じ。今度、下仁田町の天然記念物指定するようです。きちんと保護して守っていきましょう。
右上の写真、花がちょっとひしゃげています。芽が出た頃、気づかずに踏まれたのでは。人の踏み跡がけもの道のようになっていましたから。

秩父地方にも少しみられます。町の天然記念物になっています。赤城山麓のも、前橋市の天然記念物です。
下仁田のザゼンソウについては以前にも紹介しました。以下です。
番外編 早春の植物


 中学生と鏑川で川原の石の学習をしました

下仁田自然学校のメンバー4名で、甘楽第一中学校の1年生の2クラスと午後の2時間を使って野外学習をしました。鏑川まで歩いて往復です。
 下がその時の学習用プリント。(メンバーの人が作ってくれました)

ここにはたくさんの種類の石があります。川の流れにむかって視線を上げると、遠くには平らな山頂が特異な形を見せる荒船山が目に飛び込んできました(晴れていた!)。その山からやってきた石も見つかります。(黒くて緻密で、玄武岩とよびそうですが、安山岩と教わりました.ガラス質のためにとても黒く見えます。ガラス質だとどうして黒く見えるかは、以下に書いたことがあります。 岩石の色) 。かつて江戸幕府直轄とされた砥石の産地の石も見つかります。石のうまれ育ちがみえてきます。南に連なって見える、のっぺりした地形の山々には三波川結晶片岩が分布していて、その石もたくさんあります。学校のすぐ脇には、結晶片岩でできた緑色の板碑が立っていました。結晶片岩のある地域では、昔から、この石を使った碑がつくられています。 
  歩くと、いろいろ発見があるものですね。
歩いて行けるところに、こんな場所があるのはいいなあ、と思うけれどでも、野外観察はなかなかできないのが今の現状のようです。

ところで、学校から川までは、河岸段丘を歩きます。歩いていると、ぶどう畑がたくさんありました。「果物って水はけの良い場所が好き。ブドウ畑があるっていうことは・・・きっと水はけが良い場所・・・掘ったら石がごろごろでくるかも・・・平らなこの土地は、昔、川原だった・・・ここは段丘・・」

前橋にも、平地に、梨の畑が連なり、あるいはブドウの巨峰の棚の並ぶ地域があります。梨は大島梨として知られます。巨峰の棚は我が家の近くで、利根川を渡ってすぐの場所の伊勢崎市です。梨やブドウの育つここは、段丘ではありませんけど、でも、昔、利根川の流れたところ・・流れのルートが少し変わって、水はけのよい場所は、今は果物畑。なるほど。

       授業プリント  しわになっていて、曲がっていて、ごめんなさい

 
写真はあまり撮らなかったし、写真を載せる許可も取っていませんから、言葉ばかりになってしまいましたが、最後に、川原で見た、ちょっとおもしろい現象を。
 
これはなんでしょうか。生徒に聞いたら
  1.  ●小さい泥の粒が集まって山になった
  2.  ●下から吹き上げてきた
  3.  ●石ころが砕けた
  4. いろいろ考えるなあ。特に、「下から吹き上げる」というのにはびっくり。地震の時、液状化して吹きあげたこともある・・泥火山というのだってある。でも、これは違う。よく見ると、経過の分かるものもある。物理的風化・・最近は物理的風化とか化学的風化とか言う言葉は教わらないようですが、この生徒たち、風化は勉強したばかりらしい。
「吹き上げた」と答えた生徒、「おもしろい意見だね」、とフォローしておけばよかった・・・反省。私は、生き物が地下に穴を掘って、積み上げた土の塚、という感じもしたけど。モグラやアリを思い出して。
 崩れていく途中の石の写真をのせます。





崩れている石は、富岡層群小幡層という、中新世、1600万年ほど昔の海にたまった泥岩(シルト岩)。こうしてたやすく崩れています。石が泥にかえっていく、土の元にもなっていく・・・

はるか昔、小学校の頃、「全国学力テスト」というものがありました(その後このテストは取りやめに。全国テストは今また話題になっていますね)。その中に、土はどうやってできる、だったか、土にはいっているものは何かだか、そんな設問があって、田んぼや畑に囲まれて、毎日土とはつきあっているのに、まるっきり分からなかったのを、なぜだか覚えています。考えたこともなくて、印象に残ったのでしょう。ついでに書けば、この種のテスト、テスト中に先生が、テスト用紙の上を何となく指さしたような・・ふっと気づくと、間違っている・・・といった記憶があります。なんだか不思議でした・・・・大人になって、よくわかりました・・少しでもいい点数をあげねばならない、という事情・・・普段、テストもやらないし、通知表もなかったという学校でしたけど、でもきっと、学力が特に低いということはなかったと思う。というより、同じメンバーで学んだ中学校からの高校受験では、とてもいい成績でした。
この学校、この先生方はとても熱心な人たちでした。勉強では、ガリ版を切って(ガリ版ってわかる人、何歳以上でしょうか。印刷物を作るのは、今と違って、大変なことだったのです)印刷した短編の文学を使って、たくさんの学習をしたり、作文をせっせと書かせたり、外部から(玉村町の人)合唱指導の方を定期的によんで、みんなで歌ったり、野外観察にも出かけました。私たちは、野外に遊びに出かけたという気分でしたけど。
音楽は楽譜を教わったりしなかったし、今でも楽譜も読めない人間ですけど、でも音楽は「音が楽しい」の、音楽。音楽を「音が苦」とよぶ子どもがいると聞いたのは、いつのことだったかなあ。
 いろいろ思うところのある話でした。

これからは、下仁田の話・地質の話というわけでなく、もうちょっと広い範囲で、自然のお便りにしようかと。タイトルも、「下仁田ジオパーク・・・・」から変えた方がいいですね。


 
 

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