2016年7月24日日曜日

子供達と川原で観察+今咲く花

 
蒸し暑いうえに溶連菌感染などという感染症にかかってしまい、喉がおかしく、動くのもおっくうという日が続く・・・しかも長い。3週間も・・・子供がよくかかる病気なのだそうです。
何をやるにも まず元気が一番、と感じることしきり。

サマースクールで野外学習を

子供達との野外観察会のスタッフに参加するのに、喉の調子は滑り込みでOKに。
 
館林ユネスコクラブのサマースクールで、大型バス1台にいっぱいの子供達がやってきました。小学校4年生から6年生、中学生も混じっているようです。
朝の9時から一日、川の周辺であれこれと、学習と遊びです。
 
 青岩公園では、石ころを拾いながら、石と友達になろう と。


青岩公園 青みがかった岩塊が美しい

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青岩公園は、南牧川・西牧川の合流点する場所です。ここに青緑色の岩塊が小山のようにどっしりと落ち着き、周囲にはたくさんの小石の散らばる川原もあります。
この青緑の石、御荷鉾緑色岩とよばれ、長瀞の岩畳で有名な三波川結晶片岩の仲間です。これらの石は地下深く押し込まれた岩が、高い圧力でギューッと押され、元の石とはまるっきり違う種類の石に変化したものです。押されて平らにはがれるような構造ができ、右の写真のように、平らな面も出てきます。圧力が強ければ、もっと薄い層に見え、ペラペラ剥がれるかのようにも見えます。
下仁田付近のものは、押されかたが少し弱いものです。もともとの石は、玄武岩のような海底火山の噴出物といわれています。この種類の岩石からは緑色の鉱物がうまれて、それで青緑の青岩のような石ができるわけです。
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では 観察会の様子です。

「こんな小石の散らばる川原に来たことある人、手を上げて」
と聞いたのですが、手はわずかにぱらぱらと・・・
手を上げるのが恥ずかしかったり、「まあいいや」と思ったり、「手を上げるのなんてかったるい」と思ったり(反抗期の子供もいますから)というメンバーもいるでしょうが、でも、本当に、小石の川原に縁のなかった子も多いようです。
「川で遊んじゃダメといわれてるよ」と言っていた子もいました。そう、川には近づくな、という指導はありますね。
また、館林は、川幅も広く、水も深く、川辺は小石ではなく泥質で、ヨシなどが生い茂っているでしょうから、子供はやたらと川辺には行けないでしょう。



班ごとに分かれて、それぞれ小石を集めます 。

「同じ種類と思う石は、同じ場所に置きましょう」
ということで、シートの上に石の小山ができていきました。


ここは石の種類がとても多い場所です。地質が複雑で、川の上流にはたくさんの種類の石が分布するのです。変質して種類のわかりにくい石もあるのですが、一方、ちょっときれいだったり、おもしろい模様のある石があって、「お気に入りの石」を探す楽しさは増します。
 テキストを使って、石の名前を当てたり、どうやってできた石かをちょっと勉強。
ここには石灰岩の礫があり、白くてわかりやすいし、こすれば白い筋がつくし、「生き物からできた石だよ」という話もしやすいですね。その他いろいろな石があるので、説明には事欠きません。

ところで、水切り遊びが大人気。初めての子も、石の選び方から飛ばし方まで教わって、投げます。水切り2回まではけっこうできるのですけど、3回以上はむずかしかった。そのうちに、どこまで石を飛ばせるかをきそう男の子達も。
 水切りの写真がなかったので、ご勘弁を。




ビデオで下仁田の地質も学びました
根なし山の底、すべり面も観察
きれいな縞模様の地層
じつはここの地層には大変動やらさまざまな現象が満載
 
 駅や下仁田自然史館からそれほど遠くない場所に、こういった地質の見所がコンパクトにあるのが、下仁田です。

子供達とは行きませんでしたが、中央構造線の見られる場所、関東地方でなら、「ここがいちばんよく見える」という場所も、すぐ近く(下仁田駅から簡単に歩いて行ける距離)。

解説がないとなかなかわからない、というところが、地質観察のむずかしいところかな。



対岸の地層、ぐんにゃり曲がってる!


小雨模様の日でしたが、子供たちは靴をぬらしても水辺に寄っていきます。
水はきれいです。

暑い日なら、バシャバシャと水に入る子が必ずでてきます。


ポケモン探しも楽しいけれど
生の自然も、実は楽しいよ。
さまざまな情報の宝庫が生の自然なのですけど、見る目を教わらないと見えないことも多いですね。
スマホの画面もいいけれど
   + 外の世界 
 で 賢くなろう。

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いま頃咲いている花を紹介しましょう。
下仁田で咲いていたものです。写真は駅から車で10分~20分程度の場所で撮りました。

キツネノカミソリ
キツネノカミソリ お墓に咲いてましたが・・
葉っぱが枯れてから、花がにょっきり出てきます。
ヒガンバナみたいですね。親戚関係です。

同じく キツネノカミソリ 
ヤマユリ 岩壁に張り付いて咲いています



ヤマユリ

  

民家にはヤマユリが大切に植えられています
かつては高崎市街地の裏山、観音山の道端にもヤマユリが咲いていました。
美しいヤマユリは人に堀りとられたり、最近はイノシシが掘って食べたり(ゆり根は人間も食用にするくらいですから、おいしいのでしょう)、野生のヤマユリはめっきり減りました。
案外と気むずかしい花で、気にいった場所でないと育ちませんから、掘り取って庭に植えようなどと思わず、野外で親しんでください。植えたいときは、園芸品店での購入をお願いします。「山取り」などといって、価値が高いようなことをいう怪しい店でなく。ちゃんとした店なら、人工的に増やしたものを売っているはずです。
 
 
 ギンバイソウ
花はなかなかきれい


ギンバイソウ 葉の形が変わってる
この花を初めて見たのは、下仁田に来たときでした。
 「変わった形の葉っぱあだなあ・・」
その後、ほとんど見たことはありませんでした。分布を見ると、なるほど と。

この植物は、古い地質の地域に多いとききます。群馬では秩父帯の岩石のある
下仁田や上野村(多野山地)、あるいは
足尾の山など。気候は太平洋型気候地域。

こんな地域には他にも日本固有の古いタイプの植物が多かったりするようですから、植物のたどった歴史も物語るかもしれません。
最近なら,DNAを用いて調べたりもできるのでしょう。

                      分布図は 群馬県植物誌 より


タマアジサイ

つぼみが丸くて 玉みたい    関東地域に見られます。
                花はアジサイにしては花の時期が遅いですね。



タマアジサイ 東北から中部地方の太平洋側に見られます
 



 草の生い茂る季節ですが、魅力のある花も咲きます。でも、草刈りに疲れ果てた方もいらっしゃるでしょうね。暑い夏、負けずに過ごしましょう。
 
 


3 件のコメント:

  1. 子どもたちの知的好奇心を刺激する楽しく愉しいアクティビティ満載のサマースクールですね。

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    1. このグループは何年も前から、下仁田に来てくれています。
      野外での自然の学習、学校で取り組むのはなかなかむずかしかったりするでしょうが・・いろいろな場で、さまざまな人たちがチャンスをつくっていけたらと願います。

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  2. 楽しそう、私もこんな授業受けたいです。
    以前、このブログで読んで気になっていた上野三碑見に行って来ました。多胡碑が砂岩、他の二つは安山岩でした。安山岩はわかりますが、多胡碑の砂岩についてはどうなっているのでしょう⁇?

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