2016年7月15日金曜日

モリアオガエルの産卵

 

パソコンのキー3個が効かなくなった・・部品取り替えだろうと、修理に。
それはそうだったのですが、でも、かえってくるまでに、まるまる15日もかかるとは・・・

というわけで、半月遅れの話となってしまいましたが、7月の「上越国境地域」の様子を少し紹介。
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 新潟と群馬の境界の山々は、冬、雪国地域とカラカラに乾いた空っ風の地域の境目をつくりだします。「トンネルを越えるとそこは雪国だった」の世界です。谷川連峰は標高はそれほど高くはないのに、多雪のため、もっと標高の高い地域の植生を見せてくれます。
群馬の北部には多雪地域の自然も見られます。
 群馬北部地域では、ところどころでミズゴケの育つ湿地も見られます。尾瀬はもちろんですが、そんなに大規模でなくても、ちょっとした凹地、谷筋、地滑り地などで泥炭層ができ、そこには湿地の植物、生き物たちが 豊かに生きています。

 ヨーロッパなどでは、湿地、沼地は不気味な場所で、なにやら恐ろしい生き物が潜み、足元は泥にとられ底なし沼に引きずり込まれ・・・・こんなイメージで語られたような気がします。暗く恐ろしい場所・・・でも、ちょっと違うんだなあ・・・そこは水にあふれた生き物の豊かな場所。しかもデリケートな自然で、そんな場所にしかいない生き物達がたくさん生きている場所。
 小さな湿地の7月はじめの様子をすこし紹介しましょう。
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  モリアオガエルの産卵が見られる季節です


ちょとした湿地、ミズゴケのある泥炭層の湿地の水たまりの上には、モリアオガエルの卵塊がぶら下がっていました。
ここでは先月から、カエルたちの声がにぎやかでした。水際に張り出した木に登り、ちゃんと水の上に泡の塊をつくるのですが、よくまあ、間違わずに木にのぼるものです。左写真、卵塊が4つか5つ?、ぶらさがっているのですが、おわかりいただけますか?

泡の中には卵がはいっています。オタマジャクシになった子供は、ぽたぽたと下の水に落ちていきます。この場所にはイモリもいて、口を開けていれば、エサが落ちてくる・・・・まさに、棚からぼた餅。



















右写真は卵塊からぽたりと落ち始めていたモリアオガエルの幼生です。何年か前の写真ですが。
おなかには、お母さんからもらったお弁当・栄養の塊の卵黄がまだ見えています。



林道にできた水たまりの上に、卵塊が・・
これじゃ、生きのびられない・・・・かわいそう・・
右の写真の泡の表面に、クリーム色のポツポツが見えますが、これが卵です。泡はけっこう弾力があり、しっかりしています。
今年は春から雨が少なく、湿地の水も干上がり気味で、産卵できる場所もわずかになっていました。自然界で生きのびるのは、実に大変。

産卵は夜から夜明けに行われると聞きましたが、そんな時間には出かけられません。。
昨年モリアオガエルの卵を見にいったときのこと。今にも雨が降りそうな空模様で、「いやだなあ」と思いながらでかけたのですが・・・・木陰をのぞき込んでいると、何やら動いているーーー何と、目の前に産卵中のモリアオガエルが!!
3匹が団子になって、後ろ足で泡をかき混ぜているのです

モリアオガエル 産卵中
しかもちょうど見やすい、私の胸の高さです。
 あわてて立派なカメラで撮影している人を呼んで、「写真撮って!!」

最初は3匹でした
撮ってもらっているうちに、3尾のうちの1匹が、ぴょんと逃げてしまった・・・というわけで、私のカメラには3匹のものは、あわてて撮ったボケた写真しかなし。でも、目の前でしっかり見て、幸運でした。雨の降りそうな、どんより薄暗いお天気が良かったのでしょう。
何が幸いになるか、わからないものです。

モリアオガエルは民家の池にも産卵したりするそうです。日本各地でみられますが、でも、それほど見る機会はありませんよね


春に産卵していたクロサンショウウオの幼生
 春にはクロサンショウウオが産卵していて、その幼生も見つかります。エラがヒラヒラと飛び出し、足もはえてきます。だいぶ昔、話題になったウーパールーパーを彷彿とさせます(この話がわかる人、もうあまりいないかもしれませんが)。
ヤマアカガエルも卵を産み、アズマヒキガエルも産卵するため、小さなオタマジャクシが真っ黒くなって見られます。カエルたちの鳴き声にはシュレーゲルアオガエルの声も混じるといいますから、これも産卵するのでしょう。
付近の湧水の流れ出す場所ではタゴガエルのくぐもった鳴き声も聞こえます。ここはカエルたちには大切な場所なのでしょう。
残念なのは、水たまり部分がどんどん減少していること。なんとか水のある場所を確保したい・・・

 カエルは気持ち悪くていやだという人も多いでしょう。子供もそうだとか。以前は、ちょっと気持ち悪くても、子供の遊び友達だったのですけどね。
でも、気持ち悪いからいやだと排除しているようでは、いろいろなものを受け入れる、度量の広さが失われるのではないでしょうか。自分にとって気持ちのいいという物以外を排除しているようでは、違った立場の人のことを考えることも、文化の違う他国の人のことも、わかるようにはならないのでは。
今どきは、小学生使うのジャポニカ学習帳の表紙の昆虫が気持ち悪いと言われ、やめていたという時代です。チョウチョやカブトムシが3年間も消えていたという・・・信じられない・・カエルどころじゃない。蝶・トンボ・カブトムシは、誰もが好きなものかと思っていた・・見方が狭かった・・・どんなものでも親しく付き合わないと、好きにはならないものなのでしょうか。でも、かつては子供の友達だった昆虫まで「気持ち悪い」の一言で排除するようではねえ。たとえ気持ち悪くたって、いやなら買わなければ良いだけの話でしょうに。
ヘイトスピーチに血道をあげる人たちも、そんな「了見の狭い」人間なのだろうな。個人の”了見”の話だけならかまわないけれど、社会全体に関わる話になるから、深刻です。 
なお、批判を受けて、ジャポニカ学習帳表紙の昆虫は今年復活しました。

感想は終わりにして、もう少し、今ごろの山のでみられたものを紹介してみましょう。

モウセンゴケ
トキソウ
どれも写真があ少しまりぱっとしないのが申し訳ありません。湿地には原則、入り込んで歩いたりしません。あぶないからではなくて、湿原保護のためです。そんなわけで遠くから撮ったものは、なおのこと、ピントの合っていない写真になっていました。

少し寒冷な場所の泥炭地ではモウセンゴケがはえます。食虫植物のモウセンゴケ、尾瀬のような高層湿原にはもちろん見られますが、ちょっとした湿地にも姿を見せます。8月には白い花も咲くのですよ。

 札幌に住んでいたことがありますが、そのおり、すぐ近くの道路の少し湿った切り通しに、モウセンゴケがはえているのにびっくりしました。新札幌の駅からそれほど遠くはなく、すぐ近くは当時は無人駅だったJR上野幌駅でした。ほどなくして、その道路は拡幅され、モウセンゴケもすっかり姿を消しましたが。
 新潟との境界に近い山に行って、草地のような場所にであったら、ちょっと足元を見てください。モウセンゴケがはえているかもしれません。
  
 トンボはたくさんいます。



オゼイトトンボです



コケイラン
右はミズチドリ
                                
野生の小さなラン・コケイランを見ると、この花といっしょに咲いていたトケンランも思い出します。高さ30cmほどの柄に小さな花をつけていました。林のなかにたくさん咲き、通りかかるとさわやかな香が風に乗って漂い、「ここにいますよ」と知らせてくれました。花をいくつか折り取って、花瓶に挿したりもしました。あの香りはどちらのランだったかなと思い、たまたまであったコケイランの香をかいでみました。ほとんど香り無し・・・あの香は、トケンランのものだったようです。こんな花たちの見られた場所は札幌市上野幌。新札幌駅の隣とはいえ、無人駅だったJR上野幌駅のまわりには、そんな林がたくさんありました。わが家から自転車で5分も走れば、そんな林が広がっていたわけです。
その林は、野幌原始林と呼ばれる大きな平地林に続いていました。日本で一番大きな平地林だと聞いたことがありますが、はて、本当かなあ・・野幌森林公園として、開拓記念館などの施設のある場所です。
近くには宇都宮牧場という由緒ある牧場の跡地が広がっていました。わが家のすぐわきには、「雪印発祥の地」とかかれた施設があり、重厚な木材でつくられた施設では、意欲に燃えた若者達が寝起きしていたといいます。個室ではなく、みんないっしょに寝起きしていたのではないでしょうか。質実剛健を絵に描いたような雰囲気を感じました。酪農とバターやチーズ造りとその普及に心血を注いだのでしょう。
その後、不祥事からバター・チーズ等の乳製品の雪印ブランドは地に落ちました。
創業の頃の高い志は失われて、ブランドにあぐらをかいてしまったのでしょうか。

私が気にもせずに摘んだランは、今では絶滅危惧種です。出会うことさえままなりません。30年、40年前に、近所の林で出会い、覚えた花たちは、今、ほんの時々出会えるだけのものになってしまいました。それでも、群馬の山で、時々は出会うことがあります。
 
そんなにめずらしいものでなくとも、野外に行けば、いろいろなものに出会えます。

写真の切り株の緑の輪、何だと思いますか?
答えはコケ。まんなかにははえていませんね。あちこちにこの不思議な緑の輪が見られました。
木の幹はそのまわりだけに水を通す管やら、養分を通す管やらが通っています。切られてからそれほどたっていない幹はまだ生きていて、水や養分をまだ吸い上げているのでしょう。そこにコケが育っているのでしょうね。







キバナノヤマオダマキ



モミジイチゴ この黄色いイチゴ、おいしい!



サワギク 林の中に咲いています
ジガバチソウ これも絶滅危惧種になってしまいました
ここだけでも、いくつもの絶滅危惧種が登場しています


イチヤクソウ
ヤマホタルブクロ
クモキリソウ











花は地味だったりしますが
でも、いろいろ出会えば、なんだか楽しいですね。
コアジサイ 細かな花は日本的でステキ


エゾアジサイ 色が清々しい


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そういえば、丸まったススキの葉っぱも見かけました。
昔、この葉っぱを開いたら、ワッとたくさんのクモの子がでてきたことがありました。親グモが潜んでいたこともありました。
このクモはカバキコマチグモで、この葉っぱの中で母親は卵を産み、やがてうまれた子グモは母親を食べて育つと知りました。忘れられない話ですよね。

 観察会で出かけたとき、このまるまった葉っぱがたくさんあって、「この中にクモがいるんだよ」と教えたことがありました。
子供達、おもしろがってこの葉を折り取っていたりしました。ちょっとまずかったよなあ・・・
その後、このカバキコマチグモの毒は猛毒で、噛まれると猛烈に痛いと知りました。あの子供達、だいじょうぶだったかなあ・・・それこそ、困った話になります。

その後ずっと、こんなススキ(たまには他の植物のこともあります)の丸めたのはカバキコマチグモだと信じて疑いませんでした。

ある時、クモの図鑑をながめたら、なんと、こんな形のものつくるクモは、他にもいることを知りました!!
  ヤマトコマチグモ   ハマキフクログモ
水田のまわりに見られる少し細めの三つ折り巻きは、どうやらハマキフクログモのようです。
卵を産むときばかりでなく、脱皮用住居とか(クモって脱皮する・・言われないと気づきませんよね)休息用とか。
カバキコマチグモはしっかり巻いた物をつくりそうですが、でも、今のところ、私には正確にはどの巻物がどのクモの作品か、わからない。休憩場所的なのも写真に入れておきました。
もっと気になること、他のクモも母親を食べて育つのかどうかのかどうか・・これもわかりません。
近所にこんな葉っぱ、見つかるかも。ちょっと心にとめてみませんか。
 
取り線香が活躍する頃となり、草は生い茂り、うっとうしいこともありますが、でも生命の活力のあふれた季節でもあります。ちょっとだけでも、身近な自然にも目をむけてみませんか。






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