2016年9月10日土曜日

秋の湿地の植物と下仁田自然史館にあるもの紹介

 
群馬県庁のすぐ近く・水路にゆれる植物

右の写真の植物、何だと思いますか?
群馬県庁から歩いて10分もかからない場所の水路の中なのですけど。下の写真の水路です。

 昨年、水路が白い花で一杯のこの場所を通りかかりました。びっくりしました。こんな町中に!?と。今年は、花はほゼロ。                                                   たしかに、毎年は咲いてくれないんですよね・・・
サマにならないと思ったのですけど、でも紹介しようか、と。
                                          一応、花をつけている写真ものせておきます・・・
右写真のまん中あたり、水の波がたっている所の、白いポチっとしたものです。
(拡大写真が無くてすみません)

  これ、バイカモです。
(今ごろになって、間違っていたらどうしよう、なんて思っています)
冷たい水の清流に育つことで知られる植物です。

ここは、群馬県庁の隣の前橋市役所の、その隣の市立図書館の向かいにある桃井小学校(現在建てかえ中)の塀の東側の水路・・・まさに市街地。    こんな場所にこんな植物があるって、ちょっといい話だなあ。

20年以上前、玉村町の五料橋の下で、ちぎれた水草を見つけました。何だかわからないので、高校の生物の先生にみてもらいました。図鑑を持ってきて、「これ、バイカモ」と。
えーっ・・・あんな場所にバイカモ??と思ったものです。山に近いわき水の湧くような地域にあるものと思っていたものですから。
前橋市では市街地に近い桃の木川などにも、バイカモが見られると聞きます。この川は利根川に流れ込みます。さらに、農業用水路が縦横に走る地域ですし、私の家の近くでちぎれたバイカモが見つかっても、なるほど、です。
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次は山麓の放棄田にあった植物です。


ホシクサという仲間。「干し草」ではなくて、「星草」?   花がたくさんあると、点々とした星のように美しく見えるからでしょうか。

写真のものは、詳しくは ヒロハノイヌノヒゲ になります。
ホシクサの仲間は、昔は田んぼの雑草だったりもしたようですが、今では絶滅危惧種入りのオンパレード。どこかの湿原とかでやっと見られたり、といった状態です。平野部では無理でも、山沿いなどなら田んぼでも見られるかもしれません。9月がシーズンですから、気づいたらわかりそうな人に知らせて下さいね。詳しい種名は、種子で判定するとかで、相当のプロでないと判別困難な植物なので。

水田もそろそろ水が干される頃になります。畦の草も刈り取られてきています。水のなくなる前に田んぼを見れば、様々な小さな花など見られます。絶滅危惧種に指定されているものも、けっこうあるのですよ。暑さと、わが家の草退治に負けて、今年は見ていないのですが、なんとか紹介したいですね・・・・

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このブログ、「下仁田ジオパーク」と銘打っているので、下仁田自然史館にあるものの紹介をしようか、と思いたちました。

ここの自然史館にあるものは、多くが寄贈されたものです。
長く下仁田で活動し、今は自然史館の一角をお借りして活動をしている下仁田自然学校には、関係者からいろいろなものが寄贈されていました。それは今はすべて下仁田町に寄贈となっています。また、地元の方からの寄贈もあります。
地域のものを収集・展示することは目指しますが、世界各地の様々な標本類もあり、そういったものも展示されています。まだ整理ができていない部分も多いですが・・・

近くに立派な群馬県立自然史博物館があります。ここはそれとはひと味ちがった、地域に根ざした手作りの展示となるわけで、これから智恵をしぼっていくことになるかと思います。
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最初に、下仁田地域の地質調査を長く続けてこられ、下仁田自然学校の運営委員を長くつとめられた高橋さん作成、細矢さんが着色された、地形模型を紹介します。
2つの地域が作成され、展示されています。展示室4と展示室2です。
 




























 ①クリッペ地域の地形模型
    日本の地質100選に選ばれたクリッペ(根なし山)地域が模型になっています。
   ここは、今注目の中央構造線も東西に走るという、複雑な大変動にさらされてきた
   場所なのです。

  


 
荒船山・荒船風穴 地域 
  ①を作った後、今度はどこを作ろうかと考えたそうです。そして、荒船風穴が
世界遺産になるより前に、この場所を決め、作成を始めたとのことです。

 最適の場所を、ぴったりと当てました!! 



      

縦方向から見ました。手前が低く、だんだん標高が上がります。左手の平らな山が荒船山です。
右方向の奥に、世界遺産・荒船風穴があります。
手前から見ると、その先に荒船山の大きな写真が見えるようになっているのですが、そのアングルの写真、撮り忘れてました。



 
②の模型の解説を書き加えてみました。
 
 


これを作るには、コツコツと時間をかけています。高橋さんはご自宅の物置で、時間があれば作成をされていたそうです。②の模型を作るのにかかった期間、1年半!!板165枚を使用しています。
     「作るのたいへんだったでしょう」
     「いや、好きだから、楽しんでやっていたよ」


最近は3Dプリンターで 何でも簡単に作れるようになってきているようです。
いったいどうしてそんなことができるのか、私などにはブラックボックスの世界です・・・
でも、もしかしたら若者には、これを手作りできるという方が、驚異かもしれません。

これから、こうした手仕事はなくなっていくのでしょうか・・・
ちょうどつい先日、朝日新聞で、人工知能革命の発展礼賛・第四次産業革命といった記事と、「スモール・イズ・ビユーティフル」を再読して感じたこと、といった、まるで正反対のような記事が同じページに並んで載っていました。

先端技術をいち早く採用した国や企業が世界を制するといったものに対して、「人間が楽しんでする仕事や、頭や手を使っておこなう創造的な仕事を奪ってしまわないか。人間の創意工夫や楽しみと結びついた、より機械化のレベルの低い人間的な技術があるはずだ」と。「小さくても大事な自分たちの土地や天然資源の面倒をよく見ることも大切」など。
「グローバル競争に勝つための技術革新に躍起になっているのは、人に何をもたらすのか・・」

ITどころか今では人工知能のAI革命などと聞いても、ついて行けそうもない人間には、身の丈に合ったほっとする言葉・・・そういえば、iPhoneを作ったジョブスは、デザインに没頭していたときもあったとか。それが、わかりやすくシンプルなデザインをうんでいると・・・やっぱり、実際にものを手に取りふれながら、人はいろいろ発想していくのだろうなあ。


   

2 件のコメント:

  1. 前橋市立図書館の近くにバイカモが、、、灯台元暗しでした。ここは確か風呂川ですね、毎年咲かないなら 、来年には注意して見たいものです。この夏、家の近くにたった一枚 残った田圃にオモダカが白い花を咲かせていました。地主さんはついこの間亡くなったので来年見られるかどうかわかりません。この花もいつか絶滅危惧種になるのでしょうか。
    下仁田自然史館は行きたい場所のひとつです。

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    1. 風呂川・・もともと川だったのですね。暗渠から顔を出して、すぐまた暗渠に入ってしまうので、名前のある「川」とは思いませんでした。
      下仁田自然史館は普段解説案内などしていませんので、あらかじめ連絡をとってもらえると、日程によっては私たちが解説などできるかとも思います・・

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