2016年10月13日木曜日

 ドーソン石  白い脈

 
下仁田自然史館にあるもの 

ドーソン石   あまり見かけない鉱物らしい・・
      藤岡市 産出



 写真は研究者からご寄付いただいたコレクションのなかの一つです。
絹糸光沢の針状結晶が放射状の集合体を形成していて、花のよう。
 この鉱物、名前を聞いたことさえありませんでした。
添えられたメモには
「産出の大変珍しい鉱物で、
この産地は日本で2番目に発見された」
とありました。藤岡市の産出です。
では、一番目は?と聞きたくなるのが人情です。ネットで調べてみました。
一番目は、大阪府泉佐野(いずみさの)市大木(おおぎ)、1972年のことです。それまでに確認されていたのは世界で9カ所だけだったとか。ということは、大阪は世界で10番目?いや、もっとあとかな?
そんなこともあってか、「県の石・大阪府の石(鉱物部門)」は、このドーソン石。
 最初に発見されたのは100年以上も前で、カナダモントリオールのマクギル大学の構内の岩石からとか。現在、世界でどれくらいの場所で見つかっているのでしょうか。

 大阪のものは、和泉(いずみ)層群下部(白亜紀後期)の畔ノ田泥岩層にあります。
泥岩の中に普通に見られる細くて白い脈に、これがありました。白い脈でよくみられるのは 石英、方解石、沸石。 その他にもあるというわけです。
ドーソン石ができるのはアルカリ性冷泉からの沈殿だったりですが、他の成因もあります。成分の化学式の中にCOがあって・・NaAl[(OH)2CO3] ・・塩酸をかけると溶けてCO2(二酸化炭素)が出てきそうな感じがしませんか。実際に、酸に溶けるといいます。もったいないから、塩酸をかけたりは、もちろんしません。

大阪のものについて書きましたが、藤岡のものは、どんな地層で、どうやってできたのかな?改めて調べないとわからない・・これこそ書かねばいけないのですけど・・・


ところで、標本を最初に手にしたとき、「どれが鉱物?」

とりあえず、よく目立つ左の写真の鉱物かな、と。よーく見たら、違うのもあって、やっと「これだ!」。
左の写真の結晶は、沸石でしょうか。方解石かな・・?鉱物を見分けるのは難しいものですね。右上の写真の円錐形に尖ったものもドーソン石?違うかな・・



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岩石の中の白い脈 

  
岩石の中の白い脈って、けっこう目にします。でも、あまり話題にならない。

岩石の割れ目に後から入り込んだりするものですから、学術研究では取り上げられることも少ないのでしょう。
でも、一般の人にとっては、「これなあに?」「きれいだね」「面白い形してる」など、目を引くものです。
下仁田の川原には、白い筋の入った石が、たくさん転がっています。

展示室には、白い脈の入った石と大きなクギが置いてあります。
このクギ、「ためしてみよう・白い脈に傷がついたら方解石、つかなかったら石英」と、置いてあるのです。
時折見ると、けっこうすり減っています。気づいた時には交換します・・・こうしてみると、石をこすってみるの、けっこう人気あるのかも。
もっとも、ついている傷を見ると、白い筋をこするというより、石全体をこすっている感じもしますが。

 石をクギでこする、なんていう単純なことですが、なんだかやってみたくなるのでしょうか。もう少し工夫して、こすりやすくできないかなあ・・・いいアイディア ありませんか。

多くみかける白い脈は、方解石と石英です。
下仁田の大桁山には、沸石が脈になって産出しますので、沸石も取り上げて解説してあります。ですから3種の鉱物の見分け方が書いてあります。
(大桁山の産地は閉鎖した採石場で、立ち入り禁止です)。
注意していれば、他の場所でも沸石らしいものは見かけます。もしかしたら、他の鉱物もあるかも。ドーソン石ではなくても。

一番普通にみられる石英と方解石の見分け方は、①固さと②塩酸に溶けるか、です。
塩酸・・・ウーン、そんなの手入らないよ、
という人のための情報・・・・
ホームセンターで売っている、トイレの洗浄剤サンポールには塩酸が9.5%も入っていて、これをかけると(薄めてもOKです)方解石は泡を出して溶けます。方解石はCaCO3ですから、いかにもCO2が出てきそう。ちなみに、方解石の成分からできているのが石灰岩です。どおりで、石灰石は二酸化炭素を出して溶けるわけ。きっと学校の実験でも、溶かしてみたことあったのでは。はるか昔で、忘れちゃった、かな。

  子供だけではあぶないですが、大人の指導のもとなら、楽しめます。
   「さあ、どっち?」で すぐに正解をたしかめられるのは、楽しいです。

この実験は、以前、「岩石の中の白い脈」という題で、このブログにのせたことがありました。
https://www.blogger.com/blogger.g?blogID=481530670025045050#editor/target=post;postID=1342131586390110134;onPublishedMenu=allposts;onClosedMenu=allposts;postNum=110;src=link

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急に秋、ついこの間まで半袖姿で暑がったりしていたのに。
そこで秋の風情の一端を

 ススキと思いますよね。でも実はこれ、オギなのです。
川原にゆれる銀色に輝く穂、放置された田んぼの畔に群生する銀白の穂。

オギは荻と書きます。
荻原さん・萩原さん ・・名前の由来、ご存知でしたか。 
オギとハギは秋の風情をかもし出します。

ススキとオギの違いは下の図です。でも、ピンときませんね。  湿った場所に銀白色にゆれるのがオギ。乾いた場所で少し赤っぽいのがススキ。
川原にゆれているのはオギ、かな。
ススキに比べて、知名度が低いですね。








穂についた種の一つの写真です。
左がオギで右がススキ。うっかりして左の絵と逆になってしまいました。


左の絵、秋らしいですね。高崎染色植物園のパンフレットです。高崎の裏山、観音山にある、草木染の植物を集めた植物園です。

黄色く色づく葉、赤いイチイの実、ふわふわとした毛におおわれたウサギ。。。
ところで、下の方に咲く、白い花は何でしょう。 秋に向かう今、咲きだしています。清楚な花。
  とても身近な植物   お茶です。探してみませんか。

いよいよ秋です。            
       

2 件のコメント:

  1. では、有名な野口雨情の「おれは河原の枯れススキ、、」は実は枯れおぎだった!?

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  2. 「河原の枯れすすき」・・・そういえば、たぶんオギですね・・オギでは様にならないですけど。河原でも堤防の少し高い所などにはススキがはえていたりもします。
    オギもススキも、昔の人たちには、身近でよく知られた植物だったのでしょうね。

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