2019年6月14日金曜日

60年以上前のチョウの標本

地元の自然・生きものたちと ずっと親しんで

下仁田町在住の方のお宅で、手作りのチョウの標本を見せていただきました。

 最近は昆虫も植物も、採集はあまりしなくなりました。でもかつては、子どもの夏休みの研究に昆虫採集はポピュラーでした。チョウが大好きという人はたくさんの標本をつくったものです。
この標本、採集の日付を見てください。
昭和28年年6月(右下のオレンジ色の日付は撮影の時日付入りの設定をしていた時でうっかり入っています。無視してください)

うーん、古いなあ。
でも色もちゃんと残っている。
こういったものが箱にたくさん保管してありました。

よく見ると、展翅してない・・・・?
じつはこれ、ガラスの板にはさまってる。
 写真乾板に挟んで保管したのだそうです。
廃品を利用しながらすてきなものを工夫してつくられたわけです。

これらは地元でずっと教師をされていた里見哲夫さんがつくりました。

 
 

 教師になったころは戦後の貧しい時期、学校にも教材は乏しく、本も手に入らない頃、図鑑もなかったそうです。ご自身で教材用にこの標本をつくられたそうです。
どうせつくるなら、長持ちして使えるものと考えたとのこと。



標本には採集地が書かれてありませんでした。「みんな下仁田だよ」
学校周辺やご自宅周辺で採集したわけでしょう。
「きっと神津牧場がありますよね。そこだけは遠いから、もしメモしていただけたら」とお願いしたら、何と、採集地がみんな書かれてありました。
何と 記録ノートが残っているのだとか。
わが身を振り返れば、いろいろみんなごちゃ混ぜ…今になって反省しても遅い・・・

 

標本は写真のように箱にたくさん入っていました。他にチョウの鱗粉転写もありました。生徒の中にはそんなことをした子もいたのでしょう。
 

 里見さんはチョウに詳しかったわけではなく、専門の方が来られた時など一生懸命に聞いて、独学で覚えていったそうです。
「一時ちょっと凝ったんだよ」と。その後、植物については県内でも大変著名な方として知られて現在に至っておられます。

現在92歳、お元気で道の無い山の斜面でもすいすい歩いておられます。

知人でチョウ大好きの人に聞いてみました。こうした古いものは大切なんではないですか、と。すぐに返事がきました。
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同一場所で、かつ古い時代のものなので、すごく価値のある標本だと思います。

私が中高生時代に集めたチョウ標本は、家族も管理法などわからす、このままだと廃棄されてしまうのが目に見えていたため、この2月に知り合いのツテである大学に寄付しました。同大学では、標本を再加工して永久に保存してくれます。

日本全国で生息地のヒストリーを積み重ねるのは(今となっては地域絶滅したチョウが多いので)採集が盛んに行われた我々の代のデータが貴重なのです。
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そういえば、下仁田でもヒメシロチョウは昭和40年頃まで見られたが、その後見つからないと、里見さん、おっしゃっていたなあ。教職について数年後、クロツバメシジミを初めて見つけたとか。今でも、「昨年アカボシゴマダラみたよ、おそらく下仁田で初めてじゃないかな」と。これ、最近入りこんでいるチョウ。
いつまでたっても興味いっぱい、野山を歩けばとにかく周辺目を皿のようにして見ていらっしゃる。この姿勢少しでも学ばねば。

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あっという間に6月も半ば。
庭のビワ、朝見れば・・、ああ残念、実が少なくなっている・・・・きっと烏の仕業。
やっと発芽
甘~くおいしくなると、あっという間になくなる。だいぶ取ったのですけど、でも残念。


今年、ここらは乾ききっていて、蒔いたツルありインゲンがはえてこなかった。ふと見ると、今頃芽が出ている・・インゲンって、暑くなると実がつかないようで、遅くなると実がならないことがあるような。大丈夫かな。
ちなみにインゲンって「三度豆」というそうで、年に3収穫できる、そこで、お盆からお盆過ぎに種をまくと、秋にたっぷり収穫できるのです。これ、おすすめ。

 栗の花が咲く季節。白く長いのは雄花。

東北には栗の花が咲くことを 
  「天縄てんながかかる」
という地域があるそうです。

縄文の昔から食料として大切にされてきたクリ。山々に白く咲きほこるこの花は、秋の豊かな実りを約束するもの。

 白い縄のような花、それをたとえて
「天の縄」とは。なんと感性豊かな言葉でしょう。
自然の恵みに感謝する心が伝わってきます。

  




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