2019年11月5日火曜日

大雨 川の水はどこまで上がったか 


やっと秋晴れ。 ひどい天候の10月でした。

ニュースは次々移り変わっていきますが、
水害被災地の方々は、まだこれから大変な日々を過ごされることと思います。
今日のニュースでは、長野の被災者避難所に霜が降りた、と。
  寒さに向かい、暖かくお元気に過ごせるようにと願わずにおれません。
 
 遅くなりましたが、川の増水について、下仁田町のようすを少し報告してみます。
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鏑川にある青岩公園。写真まん中の木(2本)は川の中の岩山に育つ。
増水では木の下半部は水に埋まるが、それでも育ち続けている。
よくまあ、流されないでいるなあ

台風19号、関東には10月12日にやってきました。
その日からもうじき1か月もたつのだと、あらためてびっくりでした。

下仁田町は降水量473㎜。
それって多いの?
すぐにはピンときませんよね・・・すごい大雨です。
ニュースでは、緊張感を持って、「鏑川の増水」を伝えていました。
その後、長野や東北の状況が伝わり始め、伝えられるニュースはそちらに移っていきました。

 たまたま14日に下仁田に行く機会がありました。水は濁っていましたが、水位はだいぶ下がっていました。
10月26日に、子どもたちと青岩公園で川の学習をする予定。
まだ増水、実施できるかな・・・でも、自然の力、水の力を感じ、災害を考え、自然に触れるチャンスでもあります。
  
どこまで増水したかの証拠を探すことにしました。
1階は浸水

左写真、右下に川が見えます。
このお宅では、1階は物置で、すっかり水につかったとのこと。荷物を外に出していました。
「鉄骨で柱をしっかり作ってあったから流されなかった」とおっしゃっていました










前回も紹介した、床上浸水のお宅。
大きな木が家のわきに流れついていました(右は14日の写真)。
玄関の戸は、下の色が変わっていて、水の高さがわかります。


「これは記録として残せる!!」

私のお勧めは、これ。
この電柱、よく見ると、水の達した跡がついています。
電柱の上り下りに使う横棒、一番下の棒の付近を見てください。
色が変わってみえませんか。

 北向き方向(写真の裏方向)を見ると、これを境に、上の方にうっすらと地衣類のようなものがついています。
下にはありません。水に洗われたのでは。

写真奥には川の水が見えています。あの水が、ここまで達した!!






近くの桜の木にひっかかったゴミを見つけた子もいます。発泡スチロールのゴミですから、水の表面に浮いていたものでしょう。


木の上の方にもゴミが・・




写真はみな、公園の駐車場近く、ほとんど同じ高さの場所です。ここまで水が達したことがわかります。
他にも、砂が積もっていたり、木の枝の葉っぱがなくなっていたりと、いろいろ目にしました。

石垣の下からはきれいな水が流れ出ていました。子供たちは喜んで触っていました。
14日には石垣の途中からも水がでていました。こうした、普段と違ったことがあったら、要注意です。



地元の方が、大雨について話してくださいました。
この公園のすぐ近くにお住まいの方です。




手に持っているのは、お酒の入っていた空き瓶。
寸胴型のワンカップの瓶に目盛りを貼ったものです。いっぱいになると100㎜の降水量。
12日にこれを外に出しておいたところ、4回いっぱいになり、さらにまだ降る・・約5回ぶん、500㎜近くの降水量とわかりました。。
危険な雨のようすに避難所に避難していましたが、一日いたわけでもないのに、とても疲れたといいます。
  ワンカップでの雨量計測、以前紹介したことがあります。以下です。
    実践しているのは青岩公園のすぐ近くにお住まいの方です。
https://geoharumi.blogspot.com/2017/10/blog-post_3.html


自動で雨量測定しています
自分で測っていると、こんな雨なら何㎜、と、肌でわかるようになります。
この感覚は自然を見る目を養い、自分の身を守るのにも役立つはずです。
 
 地元の方から、公園近くにある雨量測定所を教えていただきました。ここの測定データは電波で送られるそうです。
 科学機器で測定した値と、自らの手と眼で確かめる値、どちらも意味があり貴重です。

スマホを見ているだけでは、生の、本当の自然の姿はつかめないし、自然と語り合う関係にもなれないのです。




青岩公園は、川の合流点にあります。南牧川と西牧川(こちらを本流として、鏑川とも呼びます)。
2つの川の色が違っていました。
濁った手前が南牧川の水。少しきれいな上半分が西牧川。水はなかなか交じり合わないようで、2色に分かれて流れていました。






子どもたちが帰った後、
支流付近に行きました。すると、ここにも床上浸水のお宅が。
橋に多くの木が引っかかり、小さなダムのように水をせき止め、水位が上がったといます。

畳をあげて乾かし、床下も乾かしていました。





2日ほど前、車運転しながら聞いたラジオにびっくり、というより、気分の悪い思い。

インタビューのアナウンサーが「スーパー堤防が話題になっているのだそうですね」
 スーパー堤防は、高規格堤防と言い、幅広い堤防です。その効用をとくとくと話していました。決壊しない堤防、水が来ても、その上に避難できる、などなど。
 ちょっと待ってください。江戸川などに着手され始めた堤防、これには強力な反対意見、反対運動があります。★つくるためには、多くの人に2年から3年、家の場所から立ち退いていただき、そのあと戻ってきて、家を建てて住む…これって本当にいやですよね。それに出来上がるまでに大洪水が来るかもしれない・・・・。
★膨大なお金がかかる・・・そんなお金誰が出すのですか・・・どこかを削らないと無理でしょう。削ったって無理?★堤防って、隙間が空いたら役立たないのでは・・★計画立てたって、いったい何年かかるかわからない・・・・などなど・・
  それに、前回紹介したように、堤防強化のためなら、安価ですぐできる方法が確立されているというではありませんか。新聞に、長野だったかで、危ない場所に鋼板を打ち込む手立てをしたと、つい先日、書かれてありましたよ。

今回の水害では、中小河川の人にとっては、ダムなんて関係ない、堤防さえ切れなければ・・・・そこで、立派な、丈夫な堤防を、と言い出したとしか思えない。
ダムはもう作れる場所もそんなにないるだろう、そこで、これからもたくさんお金のかかるスーパー堤防、これには高額のお金がかかるから、もうけも多い・・・・・
 いい金ずる・・・・
ダムの次の金儲けは堤防で。
 そんな魂胆が見えてくるような気がする・・・

金儲けのことばかり考えていないで、もっと大切なことにお金を使ってもらいたい。
つくづくそう思った次第です。

 

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