2014年5月11日日曜日

下仁田の化石 その5 フズリナ 、草花遊び



絵手紙 小林生子さん



   ネギが種をつける季節になりました。
   名産下仁田ネギの産地下仁田でも、
   畑にねぎ坊主が,丸い頭をのぞかせて
       いるのかな。
   今度行ったとき、見てみようかな。
   近所の畑では花粉を運ぶ虫も訪れ、
   穏やかな雰囲気が漂っています。
   

そのままおけば、やがて黒い種がポロポロとこぼれます。









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下仁田の化石 

  フズリナ

昔、理科の時間に勉強して、テストのために覚えた化石といえば、アンモナイトとフズリナ(紡錘虫 ぼうすいちゅう)ではないでしょうか。

下仁田でもフズリナが見つかります。
   実物を見たこと、ありますか? 石灰岩の中に入っています・・・というより、
           石灰岩をつくった生き物のひとつ、といった方がよいかも。

左下の写真は、石灰岩を切ってみがいたものです。丸っこい白い部分がフズリナです。どこでとったものか、さだかでないのですが・・・・・右写真は、風化した岩からフズリナが転がり出たものです。大きさといい形といい、米粒のようなので、米粒石といわれました。いただき物ですが、多分、栃木県の葛生(くずう)のものです。
目盛り1は1mm 内部に細かな模様が見える
米粒みたい・・・いや、ネズミのフンだ、といわれそう


下仁田のは?     下の写真の石のマジックで書いた黒丸の中にみられます。
              拡大した写真がないのですが、今回はこれでご勘弁を・・・・・

平原のフズリナ入り石灰岩
以前、子供たちとハイキング+化石探しの催しをおこなったときの採集品です。
平原(へばら)という、奥まった場所にある集落地域の石灰岩です。

フズリナ探しのコツ
 ハンマーで岩を割っても、割ったばかりの
  新しい面ではよく見えない。
 雨風にさらされ風化した石の表面をよくみる と、小さな渦巻き模様が浮き出て見えます。
    虫眼鏡があった方がいいですね。
 

<フズリナ>
古生代石炭紀から二畳紀末まで(3億5900万年~2億5100万年)生息。古生代の終わりに絶滅。
大型の有孔虫の一種で、炭酸カルシウムの殻(卵や貝殻と同じような成分)をもち、これが化石に。本体は原生動物(アメーバーのようなもの)。形は丸からラグビーボール形で、内部が渦巻き模様。この模様、時代とともに変化が激しく、またフズリナは世界中広く見られるため、時代を知る化石(示準化石)として重要

前回、大型有孔虫・レピドシクリナを紹介しましたが、考えてみれば、フズリナも大型有孔虫でした。

レピドシクリナは新生代中新世・約1600万年前の有孔虫でしたが、平原のものは古生代の化石ということで、3億年とかいった単位の古さになります。
    もっと詳しく、いつの時代のフズリナかを知るには、フズリナの渦巻き模様を詳しく見て、
検討しなければいけないわけでしょう・・・・・私には、見てもわからないのですが。

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古生代の生き物なので、古い時代の岩石の分布する地域で見つかります。下仁田では南部の地域、大まかに言えば、南牧川からそれより南の地域です。
もっと新しい時代の化石のレピドシクリナは、南牧川よりずっと北の地域で見つかっています。

 なお、フズリナは日本各地で見つかります。日本には、石灰岩はあちこちにあります。
セメントの原料になる石灰岩は、現在の日本で唯一自給できる地下資源とのことです。
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 フズリナは紡錘虫とも言います。”紡錘(ぼうすい)”という言葉の意味、ご存知でしょうか?
 紡錘形ならわかるけど・・・
現在の私たちは、たいてい、「紡錘」って何のことだかわかりません。でも、人類にとっては、長い長い間、お世話になったもの、よく知られたものだったに違いありません。
ちょっとネット情報で調べてみました

 紡錘(ぼうすい)  : 糸をつむぐとき、その糸を巻き付ける心棒のこと。
「錘」という漢字は、「つむ」とも読むようです。「つむぐ」という言葉自体もわからないかも。
    「繊維を引き出して、よりをかけて糸にすること」です。

人類の道具の中でも、紡錘は古い部類に入るもので、日本でも弥生時代の遺跡から、紡錘車という部品がみつかっているそうです。この紡錘を改良したのが糸車(つむぎ車)になります。私の祖母あたりの世代になると、養蚕農家では自宅でくず繭から糸を取り、織物もつくっていたと思います。
タンスの奥に、太さが不揃いの糸で織った絹布の着物があって、誰かの手仕事だったのではと思ったものです。
私の覚えている範囲では、くず繭は煮てさなぎを取り出して真綿にしたあと、布団づくりや綿入れづくりのとき、綿の固定に使うだけでしたが。ですが、母は繭を煮て、繭の糸をとる最初の部分、糸口をさがす方法など、話してくれていました。経験があったはずです。
もし100年、200年前早く生まれていたら、私の人生の時間の相当量が、機織りや糸つむぎに費やされていただろうと思いました。私の子供の頃、隣家には、機織り機がおいてありました。我が家の物置のような倉の中には、糸つむぎの道具や機織りの時使う「ひ」(縦糸に横糸を通すとき使う)などが転がっていました。今はなくなっていて、惜しかったなあと思わずにいられません。
多大の時間と労力によりつくられた布は、貴重で、大切にされたはずです。立派な織物は「金・銀・錦」と宝物扱いだったはずですから。      若者たちには想像もできないことでしょう。


高校生物教科書に載っている図
若者たちの頭にうかぶ「紡錘」は・・・・高校で生物を勉強した人は、テストの時覚えたはずの「紡錘体」、「紡錘糸」かもしれません。使い慣れない漢字を必死で覚えたりしたことでしょう。
これは細胞分裂の時に現れる染色体関連の形についた名前です。教科書の最初のあたりにあって、一番基本の分野とされます。必ず勉強します。昔は紡錘って、けっこう馴染みのもので、きっと昔、学者がその言葉を使って名付けたのだろうと想像します。

眠りの森の美女で、王女が呪いをかけられ、指に刺して100年の眠りにつくのは、この「錘」を刺したためだとか。
この頃の女性は、いつも糸を紡いでいたのかも・・・ずいぶん身近ものだったのでしょう。
富岡製糸場が世界遺産登録になるとのことですが、群馬県では、つい最近まで、養蚕、製糸、絹織物づくりが身近な生活がありました。それに関わった方々が、もう少したくさん生きていらして、世界遺産登録を喜んでもらえたらよかったのになあ、などと、ちょっと感じました。

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さわやかな季節、子供と一緒だったら、道端の草と遊んでみませんか

             草花遊びの世界です

<笛になるもの>
口にくわえるのは「キタナイ、ダメ」という人もいるでしょうね。たしかに、イヌの散歩する道端のものはやめた方がいいとは思いますが・・・・      
でも、音が出るのは 楽しい !  本格的草笛は難しいかもしれないけれど、これならすぐできます。
                       唇に振動が伝わって、何だかむずがゆかったりします。

<誰でも鳴らせる、草の笛>

うまく鳴らなかったら、ほかのを取ってまたやってみればいいのです。いくらでもはえているものですから。
もう少し春早い時期なら、スズメノテッポウがよく鳴ります。田んぼや道端にたくさんはえているのですが、写真でみたら、どの草かわかるでしょうか・・・
ちょっとわかりにくい・・・・



ついでなので、カラスノエンドウの仲間を紹介しましょう。
下写真は、近所の川の堤防のに、ほとんど一緒にはえていたものです。
大きいからカラス、小さいからスズメはわかるのですが、「カスマグサ」とは? カラスとスズメの間(ま)だからなのだとか。本当?といいたくなるような名前の由来です。
スズメとカスマが似て見えます。区別の仕方は、実(さや)を見ればすぐわかります。さやの数が違います。2~4個と1~2個です。

 こんな知識でも、ちょっと
「知ったかぶり」できそうです。

























下の、丸いぼんぼんは何からつくったでしょうか。

答えは、キツネアザミから、です。    キツネアザミは、下の写真で見てください。
                                                                               
         

キツネアザミ
キツネアザミ 背の高い、アザミのような花
アザミに似ているけれど、アザミの仲間ではないといいます。
道端などによく見られます。
この花が終わって綿毛になりかけたとき、取ってきて、糸でしばってつくります。
小さな子供ではちょっと無理ですね。
できあがりはなかなか繊細。
作り方は、下図で。

身近な草の名には、カラスやスズメが登場します。
キツネも登場するということは、かつてはキツネも身近な生き物だったのだろうと推察できます。
                                                  



ほかにもいろいろ・・・
シロツメクサの花は、甘い春の野道の香りの記憶なのですが、今見ると、あまり見かけなくなっていました。そんなわけで、四つ葉のクローバーも、なかなかみつからないかもしれません。四つ葉のクローバーはシロツメクサの葉っぱですから。

嗅覚は非常に原始的なもので、
感覚の奥深くに刻みつけられるそうです。本能と直接関係するといってもいいのかもしれません。
というわけで、なぜか懐かしかったり、昔の感覚が呼び起こされたり・・

私には、草刈りあとの香やシロツメクサの甘い香りは、無条件でうれしいです。
こどもたちには、たくさんの香りと、いい思い出をたくさん重ねて、育ってほしいですね。










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