2014年8月10日日曜日

自然史館の鉱物 つる植物

夏に元気な つる植物

道端も庭も、林のまわりも、草たちが元気で、エネルギーの塊。もう、負けそう・・・
特にはびこって迷惑なのがツル植物。近所をぐるっとまわっただけで何種類もがみられ、今、花をつけているものも多くあります。

ヤブガラシなどという、恐ろしげな名前の植物があります。どんどん育って覆い尽くし、ヤブまで枯らすという意味とか。見れば優しそうな顔つきをしてますが。

取っても取っても毎年出てくるという、しぶとさはあるようです。  花はかわいいんですけどね・・・ 花を拡大してみると、小さな花は変わっていて、花びらは緑の目立たぬもので、しかもすぐに落ちてしまうようで。色づいて見えているのは花の台座にあたるところで、ピンクからオレンジへだんだん色が変わっていきます。

「名前がかわいそうねえ」と必ずいわれるヘクソカズラ     ガガイモ
たしかに、こんなにきれいな花なのに・・・          やがてできる長い毛を持つ種子はステキ

どれもそこらの迷惑な雑草なのでしょうね。

ナガイモ?トコロ?と、いつも区別点を忘れます。   
トコロには食べられるイモはできません。 










  
 夜にはカラスウリが 純白のレースのような花をつけています。この花、ご存知でしたか?                                真ん中には星の形もみえています。

カラスウリの、バネのようになった巻きひげをよく見ると、真ん中でねじれの方向が逆に・・・
左下の写真です。他の植物でも,キュウリなどでも見られると思いますから、ちょっと目をとめてみませんか。伸びていったつるの先が何かにくっついてしがみつき、それからグルグルよれていくと、こうなります。
  


川原じゅうにはびこっているクズ。花はまだ。        歓迎されない植物ですね。     
                                カナムグラ   触ると痛い!近寄らぬこと
                                                                                            
                                             





         クサボタン

下仁田の道端で咲いていました。


                       

夏の草むらで植物が生き残るには、早く育って光を受けねば光取り競争。
そこで、戦略を練ったのがつる植物。がっちりした身体を作っていては間に合わないと、ひょろひょろの身体でとにかく早く背を高くして上に登り,光を受ける。そのままでは自力で立てないひょろひょろした身体は、他の植物などにすがり、巻き付いていく・・・ズルイといえばずるいけれど・・・・
自然の中では、絡みついたつる植物はマント群落といって、林・森の中に風や強い光が入って内部が乾燥するのを防ぐけっこう大切な役割をになっています。
   
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下仁田自然史館展示の鉱物紹介

自然史館では、皆さんからの寄贈の多種の鉱物標本があります。皆さんに見ていただくよう、配置している最中です。少し紹介してみます。写真がきれいでなかったのは,ご勘弁を。


写真は全部石英の仲間。成分はSiO2。珪素(シリカ)と酸素です。  下に名前を載せます。
水晶
紫水晶
鉄石英
 
もっとよいのは誕生石コーナーに
不純物で色づいた石英
大量の鉄が入っている
水晶
煙水晶
不純物で色が付いている
水晶
黒水晶
草入り水晶
黄水晶、ローズクオーツ(ピンク色の石英)は誕生石コーナーに。

石英はほんのわずかの不純物が含まれたり、放射線の影響などで結晶の原子に乱れがおきたりで色がついたりします。小さな他の鉱物の結晶が入り込んだら草入り水晶になります。




左は玉髄の仲間。

石英の仲間は呼び名がさまざまで,わからなくなりそう
・石英でも、透明できれいな結晶のものを水晶
非常に小さな結晶が集まったものを玉髄ぎょくずい、カルセドニー)とよんでいます。

玉髄の中で
  縞模様のあるのがメノウ(アゲート)
           誕生石コーナーに、
  不純物がたくさん入って不透明なのが碧玉       (へきぎょく、ジャスパー)
 鉄石英とか,玉髄ではないのかなあとか、私には今のところ、よくわからない部分も多いのですが・・・・・
・緑玉髄(クリソプレーズ)
血石(ブラッドストーン) 誕生石コーナーに、
   などと、いろいろ名前が付いているのもあります。

水を含むとオパールになり、、高い温度で結晶になった高温石英や、もっと多い温度などでできて、結晶のつくりがまったく変わり、石英とは違った鉱物になってしまったクリストバル石などもあります(標本もあります)。
              まさに「石英七変化」 

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パワーストーンやら何やらと、石を身につけるのが流行してあれこれ販売されたりします。
宝石用のカットしを施し(ダイヤモンドならブリリアントカット)、磨いたり加熱したり、放射線を当てたりして、艶や輝きはもちろん、色まで変えて、できる限り美しく見えるように手を加え,商品として販売します。

自然史館のものは、原則、そのような手を加えていないものをお見せします。せいぜい切ってその断面を磨く程度。
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こちらは方解石
成分はみんなCaCO3だけれども。
 カルシウムと炭素と酸素です。

・割ると”箱をつぶした形”に・・
   へき開がきれいに見られる
・さまざまな形もある
・すかしてみると,二重に見える・・
   複屈折が顕著
・不純物でさまざまな色に


左下は尖った形だし、右は色がついています。

石灰岩の成分の方解石も、さまざまあるものです




こちらは石膏

成分は 
CaSO2H2Oカルシウムとイオウと
酸素と水。
(カルシウムと
硫酸といってもいいかも)

三つのタイプがあります。   
・透明石膏
・繊維状石膏
・雪花石膏(アラバスター)

雪花石膏は細かい結晶が集まっているもので、美術品をつくったりもします。
透明石膏では,昔、窓ガラスのように使ったとか。窓ガラスのない時代には,貴重だったろうなあ・・・
メキシコのナイカ鉱山では、長さ10mもの透明石膏が発見されて話題になりました。同じくメキシコのチワワ砂漠では,透明石膏からできた細かな砂で覆われた砂漠がひろがっています。

ナイカ鉱山の結晶写真
http://www.tomorrowearth.com/2008/04/post-15.html


じつはもう一つのタイプがあります

こちらは「砂漠のバラ」
石膏が砂漠のオアシスあとなどで、こんな形に結晶するのだそうです。
そどうしてこんな形になるのかは,よくわかっていないようです。












基本は透明という鉱物を紹介してみました。
目で見ただけでは、それがどれやらわからないものも多そうですね。
   どれも自然学校はじめ、みなさんから提供していただいた標本です。ありがとうございました。

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