2018年5月21日月曜日

白い花の目立つ季節

 新緑も濃くなるころ 木には白い花

 心までみどりに染めし若楓(かえで)  (岡西恵美子さん)朝日俳壇の中の句

 山里に行ったら、まさにこの句のような気分でした。
陽の光は柔らかなみどりをさらに輝かせ、緑に染まり、チラチラとゆれています。

同じ選者の句にはこんな句もありました。
       学窓のあの日と同じ若葉かな  (池田雅かずさん)

選者はきっと、新緑が大好きなのでしょう。
    花は葉に力蓄えはじめおり   (大下雅子さん)



地面には落ちた花がいっぱいの柚子
そういえば、自然観察会で案内をされていた方が、こんなことを言っていたことがありました。
「梅雨が近づくころになると、山の木には白い花がめだちますね」

 平地でも白い花。
こんな投稿はいかがでしょうか。「 卯月」なので、ちょっと季節遅れになってしまいましたが。

 白雲木(はくうんぼく)グレープフルーツ柚子みかん
     香にたちて ま白な花さく卯月
              (猪野富子さん)
 甘ったるい香が漂う気分。
ハクウンボクも山ぎわには咲いていましたが、写真がない・それで、近所で柚子の花が根元にたくさん落ちていた様子を。
夏ミカンの木もこのあいだまで香をふりまいていました。

スイカズラ

 スイカズラは
花をちょっと引き抜いて口に含めば、甘い蜜の味がします。昔、子供はこんなことをして遊びました。

はじめは真っ白な花なのですが、やがて黄色っぽくなります。黄色ではなくて「金色」とみて、金銀花なんて呼ぶ人もいます。ニンドウともいうそうです。

あまり手入れをしてない生け垣などに絡みついていますよ。
海外では、観賞用に持ち込んだものがはびこり過ぎて、迷惑植物になっている所もあるような。船が知らずに持ち込んだワカメもはびこり過ぎで、迷惑植物になっている国もあるとか。生きものを人が勝手にもちこむと、生物界に大迷惑をかけることもあるわけ。
ヤブデマリ

 今どきの山沿いの沢すじなどには
ヤブデマリがあちこち見られます。
少し背丈の低い木です。
ミズキもたくさん見られます。白い花が木いっぱい、平らに張り出した枝に、いくつもの段になって咲いているのですが、なんとまあ、写真がなかった・・・

いつでも見られると思うと、写真なんてとっていないといったところです。
ヤマボウシ




 山ではヤマボウシも時折見かけます。
これも写真を撮っていなかったので、庭にあるものを。少し品種改良している園芸種ですが。

街路樹にたくさん見かけるハナミズキの親戚で、似ているけれど、雰囲気が違います。華やかさはぐっと控えめ。和風の趣で、これもまたいいですね。

チャドクガ




 エゴノキの花などもよく目立つなあ、などと思い浮かべていると、野山の植物たちが精一杯頑張っている季節だと感じてきました。

 毛虫もめだってきます・・・ツバキの葉っぱにお行儀よく並ぶ毛虫。お行儀いい・・でも、これ、要注意。
この毛に触れると、ひどくかぶれる。退治したつもりでも、毛が残っていれば、かぶれる。始末に悪い。
  要注意毛虫 チャドクガ です
庭のツバキにご注意
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 庭の花のにぎやかさも一段落・・簡単に育つのに、
どうして広まらないのかというものの紹介 
  ナデシコの仲間、シレネ・ピンクピルエットという品種です。
              
シレネ
こぼれ種で増えて、雑草のように広がり、邪魔でせっせと引き抜くくらいの丈夫さ。


丈の少し高い植物の株の間をうめることもできます。
ずいぶん昔、種子を買ったもので、毎年きれいに咲きます。


アマ

前回紹介したアマも、もう一度。
あまりに貧相な写真だったので。
実はこれは午前中によく咲く花。撮ったつもりの写真が無くて、午後の姿を紹介していました。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 東吾妻町には、写真のような場所に、季節の言葉や短歌を墨で黒々と書いて張り出している神社があります。
八ッ場ダムに向かう道のわずかに外れた道脇にある神社、松谷神社です。
氏子の人たちが春祭りと秋祭りの時に張り替えるのではないでしょうか。この地域の舞も保存しているようです。
  文化の香りを感じます。いつまでも続いてほしいと思います。


書かれてあるのは、たとえば、こんな言葉
  天地皆春  五月十雨  氏子繁栄   柏餅  立夏  穀雨

 それぞれの参加者の短歌等もかかれていて、自然や郷土、家族友人への思いが伝わってきます。…それを載せようかと思て・・どこにメモを書いてあったのか・・・と。
何度かメモしたはず、まとめてどこかに置いたのだっけ?・・素敵な言葉がたくさんあったはずなのに・・・こんなことを言う回数が増えたなあ、というところで、今回は終わりにします。
・・
 今度通りかかったら、忘れずにたちよろう、っと。

2 件のコメント:

  1. 近くの河原から雉の鳴く声がきこえ、白い野バラは散ってしまいましたが、緑の美しい季節になりました。家(マンションですが)のベランダでは、バッタの子供達がツユクサの上でスクスク育ってます。ツユクサの葉が網の様になっているのが面白いです。

    返信削除
  2. ツユクサの季節なのですね。お便りありがとうございました。網の目模様・・あとで見てみます。佐久の山で白い花がまるでかんざしのように木から下がっていました。あれはハクウンボクかな、こちらはオオバアサガラかな、などと、走る車から眺めました。白い花の季節の花でした。

    返信削除