2019年7月25日木曜日

駅から歩いて見学です 深谷断層がつくった地形 

 JR高崎線深谷駅  ここからぶらぶら歩きます
   今日は断層からできた地形の見学会

深谷駅の目の前、いえ、”目の前の地下“”には、断層があるのですって・・・
その証拠を見学です。 地面がちょっと傾いてできた、ゆる~い坂を歩きました。
案内して説明していただいてはじめてわかる、「な~るほど」の世界です。


深谷駅
これは駅の改札のある駅正面の反対側から見た様子
「裏側」ということになるのかなあ・・・

 深谷駅は 何やら立派・・・東京駅を模しているとか・・・どうして??
 東京駅のレンガが深谷でつくられたことにちなんでだとか。
ですが、この「レンガ」模様は、レンガではなくてタイルだそうです。レンガでは線路上に剥落の恐れがあるとかで。

改札のある正面は、ただいま改装中。
   下の写真です ↓


これから1万円札の顔になる渋沢栄一の誕生の地で、あちこちに宣伝の旗がパタパタはためいていました。
 

アプト式レールの再利用












  駅裏側すぐ近くの踏切には、
「アプト式」レールの一部 が。人が立っている、何やら穴の模様の見える鉄製の板がそれとのこと。
アプト式という言葉を聞いたことのある人は、何歳以上でしょうか・・・急勾配の碓井峠を登るのに使われました。鉄道マニアの人なら、こういうの見ると嬉しいでしょうね。


どこに断層?
関東平野とその周辺は断層そのものはなかなか見えません。新しい時代の砂や礫、火山灰などに覆われていますから。
今どきは、人工的に起こした地震で、その伝わり方から地下の断層を推定します。下の図がその一つ。

赤い櫛形模様の線が断層。深谷駅のすぐ南にありますね。
それどころか、JRの線路周辺にずっとある・・・

 いよいよ見学スタート
駅から出てちょっと歩くと、こんな感じの池が2つ。湧水によってできた池で、
ちゃんとチョロチョロ流れ出す水も見えます。下台池公園(しもだいいけ公園)
池のある地域を下台とよび、、少し南へ行くと地形が少し高くなって、上野台(うわのだい)と呼ばれているとのことです。

       湧き水 ↑

この池から、緩い上り坂         
敷地は平ら。塀の下の丸い石の土台の高さの違いからも
上り坂とわかります

 






   
参加者35名ほど 
    盛況です です
      皆さん熱心         
あっちでもこっちでも、道のわきで道路の傾斜がわかります。家は水平に建てますから。

この住所宅地の説明が下図。「撓曲崖」(とうきょくがい) と書かれてある斜面にこの住宅地があります。
 ところで、撓曲ってたわむこと。
 大地がたわんでできた緩やかな斜面に平らな面をつくりながら造成しているわけです。





 どうしてたわんだか・・・断層の影響とのこと。

左図のように地下に断層がある時、地表の柔らかい地層(未固結堆積物)は切れて段差にならなくて、たわんで見えることがあるのです。断層の影響で
地形が変形しているわけです。

ところでこの断層、活断層ですね・・・ちょっとこわい・・









瀧宮神社は ゆるい斜面をうまく利用してつくられ
       ゆっくり散策できます
 ゆっくり登りながら、本殿に近づいていきます。入り口には、池もあります。
少しづつ階段があり鳥居も見えます







低い所に池があります。

水が瀧のごとく湧く神社

それで瀧宮神社

水の量はずいぶん減ったようです。コンクリートでおおわれたところも多くなっていますしね。地下水の利用も多くなっているでしょうしね。




宮司さんが説明してくれました


                      宮司さんのお話から 
深谷城の礎石だそうです。今では2個しかなくて、その一つがここにあります。


さらに登って


ここで最後
 まとめるとこんな感じ 
  ①~④の平坦面・・上るにつれ、段差に従っていろいろな施設がつくられています。
  ⑤まであるのかな?





神社から出て上に上がると、こんな場所。ここは少し前まで、下の写真のような崖が出ていたそうです。

地表ににふんわりかかっていた、やわらかい地層。未固結堆積物。荒川が作った扇状地の地層です。




そうか、ここは荒川がつくった扇状地だったのか、と。黄色で囲ったところが扇状地。できた時期がいくつかあるので、違う模様が描かれてあります


 それなら、公園やお寺の湧水池は、扇状地末端の湧き水かな?…ところがそうではないのだとか。撓曲(たわみ)でできた崖下に湧き出ているのだそうです。頭で想像するだけでなく、やはりちゃんと見ないといけませんね。

熊谷から深谷にかけてはJR高崎線や国道17号線などに沿って、各地で湧水が見られるそうです。それが扇状地末端の湧水。
 その地域にお住まいの方は、探してみたらいかがでしょう。



ここの撓曲崖では、池ができるくらいですから、井戸が作りやすかったでしょう。そんな昔の井戸も見せていただきました。

お寺・円受院の境内にあるこの井戸は、このポンプを使って水を上方に押し上げることが出来るそうです。
特別な工夫があるわけです。
どんな高い所でも、蛇口をひねれば水が出ると思い込んでいる昨今、「水を上にあげる」ことの大変さに、ハッとしました。
このポンプ、今でも5万円6万円とかいった値段で売っているそうですよ。
   


撓曲崖を下る道のうち、最も急傾斜の所にある建物です。車道の勾配は北へ5.5°
撓曲の崖の上部から中部にかけての場所です。



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坂と高低差と湧き水と、お寺やお城、井戸の話と、これって、タモリさん喜びそう。しかも、駅からすぐ。歩く距離は近所の散歩程度、標高差もわずか。誰でも参加できる。
でも、市としては、活断層が町の中心や駅のすぐ近くにあるような話になるし、住宅街の下に断層があるような話にもなるし、あまり宣伝はしたくないだろうなあ・・・・

案内してくれたのは地学団地体研究会埼玉支部・日曜地学の会
 日曜地学ハイキングは何と、第526回 。おどろき! ありがとうございました。
14ページにもわたる資料を作成していただいています。おかげさまで、いろいろ図表を紹介できました。「未発表」の図は、参加者だけの特典です。

じつは私の家から深谷までは、20㎞ほどしかない・・・下仁田や桐生といった所よりはるかに近いのです。でも、行政区が違うと(深谷は埼玉県)、行くことも減るもんですね。情報の入手の差かなあ・・・・

ところで、活断層の話が出てきたら、地震のことが知りたくなりますよね。
断層と地震震源の入った地図があったはずなんだけど・・・
 整理整頓が悪い!
探してみます・・・


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