2020年5月5日火曜日

アカシアの花

手洗いのできない人たち

 コロナ禍への不安・・・
 基本的な対策は手洗いですが、それのできない人たちが世界にいます。
 そんな人が、お金持ちの国、アメリカでもいると聞いて驚きました。
 
 米国最大の先住民居留地・ユタ州ナバホネーションで、新型コロナが流行しているというのです。独特の地形メサのそびえる場所、と聞いたら、どこかで写真を見ているのではと思うのですが、そこに住む人は「手洗いは手の届かない贅沢、住民の3割が水道を利用できない、20~30マイルは慣れたところに水を汲みに行く」。アメリカのまさにど真ん中にこうした暮らしがある・・・もともと居留地は、先住民が押し込められた場所です。人にとっては住みやすい場所ではなかったはず。 こうした格差は悲しい。

あかしあ ニセアカシア

アカシアの花
アカシアが甘い香を放ちはじめました。
コロナ流行で外にあまり外に出られないかもしれませんが、もしこの香に気づいたら、胸いっぱい吸い込んでみませんか。

 私の住む地域では利根川沿い、烏川沿いにこれからたくさんの木が白い花房を下げます。木の下はヤブのようになっていて近づきにくいのですが、こんな木も一本一本大切に植えて街路樹にしたこともありました。札幌ではかつて並木に一番多く植えられたそうで、住んでいた時、花の頃はその香に、忙しくしていてもふっと心をなごませ、木を見上げたものです。
 そんなに利用したのにあまり大切に思ってもらえないのは、根からいくらでも芽がでて荒れ地で育ち、すぐに大きくなるというその雑草のような性質からでしょうか。北アメリカからやってきて、お日様がよく当たってじめじめしていない所ならどこでも育つ、つまり荒れ地に最初にはえて、緑にしてくれる、そんな木。パイオニア・ツリーという言葉にぴったりの木。一度植えると次々芽を出し、絶滅困難。実にたくましい。というわけでちっとも大切には思ってもらえない。でもパイオニアのたくましさはなんだか夢を感じさせてもくれました。
 日本にはじめて持ち込まれたのは明治6年という木です。

 アカシアといえばハチミツ。近所でもミツバチの巣箱を見ます。この町産のハチミツも売っています。花を天ぷらにすることも教わりました。花のあまり開かないものを房ごと薄い衣に付けて天ぷらに。また花をばらして、さっと熱湯に通して三杯酢にとか、塩漬けにしていた人もいました。

 このアカシア、蜜といい、花といい、どこもたいへんおいしそうですが、じつは、葉や果実を食べると吐き気や下痢を起こすそうです。木の皮も同じくで、有毒植物一覧表に載っていました。
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 ところでこのアカシア、今では「困った植物・要注意外来生物」に指定されています。
日本の侵略的外来生物ワースト100に入っていて、26種選ばれた維管束植物のひとつ。
生態系への影響の大きい種なのです。確かに、ヤナギなどのはえていた場所がこのアカシアに覆われているのですから、もともとこの地に生きていた者たちが追い出されているわけです。取り去って減らそうとしても、すぐに育ってくる・・・
庭にも次々と花が咲いてくれる季節

 世界中のどこでも、このアカシアが咲くころが一番いい季節、と聞いたことがあります。なるほど、そんな気がします。さわやかな空気、若葉と薫風、庭には様々な花が咲きほこっています。
 でも、待てよ、もともとアメリカに育っていた木が、今では世界中に広がっているということを示してもいるのかも・・・


 ある年齢以上の方なら、歌の歌詞が思い浮かぶかもしれません。
 「この道はいつか来た道 ああ、そうだよ アカシアの花が咲いてる」
 「アカシアの雨に打たれて このまま死んでしまいたい・・・   」
思い出した人、いますか?
けっこう愛されてきた花なんですけど・・・

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 ところで、アカシアと書いてきましたが、この木、本当の名前はニセアカシア(ハリエンジュ)です。アカシアは熱帯原産のまったく別の樹木で、オーストラリアやアフリカに多い木で、熱帯・温帯に見られるといいます。このアカシアの仲間は500種とか600種とか種類があるそうですが、一部は花屋さんで売っています。花屋さんでの名前はミモザ。黄色い小さなポンポンを散らしたような花。ゆで卵の黄身を裏ごしして散らしたサラダをミモザサラダと呼んだりします。
 3月8日の国際婦人デーにヨーロッパなどではこの小枝を手に取って集う習慣があると聞きました。
 春を迎えるうきうきした心の高まりと晴れやかな女性たちの姿が、愛らしく明るい黄色の房の小枝とともに、平和を願う心に連なっているようにも思えます。





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